皆さん、こんにちは。
米中間選挙をめぐっては、各調査機関が情勢分析を行っており、全435議席が改選される下院は野党民主党が8年ぶりに過半数を奪還し、100議席のうち35議席が争われる上院では与党共和党が多数を維持する公算が高いとの予想が多かったようです。市場はこうした予測をほぼ織り込んでやや楽観的な動きを見せていました。6日の投開票においては、与党共和党が上院の過半数を維持し、下院は野党民主党が多数派を奪回するという、事前予想通りの結果となったことで、選挙情勢をめぐる不透明感が払拭され、主力ハイテク株を中心に幅広い銘柄に買いが出たようです。結果的には上下両院の支配政党が異なる「ねじれ」議会となったため、政策推進の停滞への不安も出ているようですが、産業界に悪影響を与えるような規制強化などの政策も成立しづらくなったといった前向きな見方もあるようです。具体的には、医療保険制度改革(オバマケア)の撤廃の可能性はなくなったとして、大手医療保険株に買いが入り、また、トランプ政権が目指していた個人所得減税の恒久化など「減税第2弾」の実現可能性も消滅したことで、追加の景気刺激策が望み薄となり、逆に一段の財政悪化への懸念が後退したことで投資家の懸念が払拭されていたようです。
7日から8日にかけて開催されていた、米連邦準備制度理事会(FRB)による米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利を2.0〜2.25%に据え置くことを全会一致で決定しました。景気が「強固なペースで拡大」していると声明で指摘し、改めて緩やかな利上げを続けていく方針を示唆しましたが、概ね予想通りの結果となりマーケットへの影響は限定的でした。米労働省が発表した10月の卸売物価指数(PPI)も、季節調整済みで前月比0.6%の上昇となり、エネルギーと食料品を除いたコア指数も0.5%上昇しました。全体もコア指数共に市場予想を上回りましたが、殆ど材料視されなかったようです。むしろ、中国が発表した10月の卸売物価指数(PPI)が前年同月比で3.3%の上昇となり、4カ月連続で伸びが鈍化したことで、米中貿易摩擦の激化による経済への悪影響が警戒され、中国事業の比率が高い資本財やハイテク株を中心に売りが出たようです。更に、WTI原油先物が1984年7月以来約34年ぶりに10営業日連続の下落となっており、世界的な供給過剰懸念を背景としてエネルギー関連株も業績悪化懸念から売られていたようです。
マーケット関係者の間では、月末に予定されている米中首脳会談の結果に注目が集まっているようですが、中国の王国家副主席は、シンガポールで開催された経済フォーラムで講演し、米国との貿易摩擦について「相互に受け入れ可能な解決を図る用意がある」と表明しました。一方で、対中強硬派のナバロ米大統領補佐官(通商製造業政策担当)は、ウォール街の銀行やヘッジファンドに対し、中国の習近平国家主席と通商交渉で早急に合意するようトランプ大統領に圧力をかけるべきではないと警告しております。マーケットは弱材料を織り込みながら、NYダウ、日経225共に第4ステージから移行してきています。このまま第1ステージに移行するのか、戻り売りとなるのかに注意しながら見ていきましょう。
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週間の概況
◆注目イベント
11月14日(水)08:50(日本)7-9月期四半期実質GDP、速報値
11月14日(水)11:00(中国)10月小売売上高、10月鉱工業生産
11月14日(水)16:00(独国)7-9月期GDP、速報値
11月14日(水)18:30(英国)10月消費者物価指数、10月小売物価指数
11月14日(水)18:30(英国)10月卸売物価指数
11月14日(水)19:00(ユーロ圏)9月鉱工業生産
11月14日(水)19:00(ユーロ圏)7-9月期四半期GDP、改定値
11月14日(水)21:00(米国)MBA住宅ローン申請指数
11月14日(水)22:30(米国)10月消費者物価指数
11月15日(木)08:05(米国)パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言
11月15日(木)09:30(豪国)10月新規雇用者数、10月失業率
11月15日(木)18:30(英国)10月小売売上高指数
11月15日(木)19:00(ユーロ圏)9月貿易収支
11月15日(木)22:30(米国)10月小売売上高
11月15日(木)22:30(米国)11月ニューヨーク連銀製造業景気指数
11月15日(木)22:30(米国)11月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
11月15日(木)22:30(米国)10月輸入物価指数、10月輸出物価指数
11月15日(木)22:30(米国)新規失業保険申請件数
11月16日(金)19:00(ユーロ圏)10月消費者物価指数
11月16日(金)23:15(米国)10月鉱工業生産
11月16日(金)23:15(米国)10月設備稼働率
11月19日(月)08:50(日本)10月貿易統計
11月19日(月)12:30(日本)黒田東彦日銀総裁、発言
11月19日(月)18:00(ユーロ圏)9月経常収支
11月19日(月)19:00(ユーロ圏)9月建設支出
11月19日(月)24:00(米国)11月NAHB住宅市場指数
11月20日(火)09:30(豪国)豪準備銀行(中央銀行)、金融政策会合議事要旨公表
11月20日(火)22:30(米国)10月住宅着工件数
11月20日(火)22:30(米国)10月建設許可件数
※今週は日欧のGDPに注目が集まっています。新規失業保険申請件数の結果も確認しましょう。
チャート分析による銘柄診断
日経225分析
※移動平均線大循環分析の見方はこのレポートの最後にまとめてあります。ご参照ください。
◆現在のステージ
第5ステージ
第5ステージは下降相場の終焉です。
◆今後を読み取る鍵
短期移動平均線と帯の関係に注目していきましょう。
・上昇トレンドに移行する場合は、短期移動平均線が帯を上抜けていきます。
・下降トレンドに移行する場合は、短期移動平均線が帯を下抜けていきます。
そこに注目していきましょう。
◆重要な価格
高値24,576円 安値20,905円
※抵抗線・支持線となりやすい価格です。そこを突破することに意味があります。
NYダウ分析
※移動平均線大循環分析の見方はこのレポートの最後にまとめてあります。ご参照ください。
◆現在のステージ
第6ステージ
第6ステージは上昇相場の入り口です。
◆今後を読み取る鍵
短期移動平均線と帯の関係に注目していきましょう。
・上昇トレンドに移行する場合は、中期移動平均線が長期移動平均線を上抜けていきます。
・下降トレンドに移行する場合は、短期移動平均線が帯を下抜けていきます。
そこに注目していきましょう。
◆重要な価格
高値26,970ドル 安値24,145ドル
※抵抗線・支持線となりやすい価格、そこを突破することに意味があります。
小次郎講師のVトレーダー養成講座
今週もロスカットラインの設定の正しい考え方を見ていきましょう。
上記の図の通り、価格はウェイブしながら上昇し、ウェイブしながら下降します。そのウェイブの幅をノイズと呼びます。トレンドは常にノイズを伴います。そのノイズの中にロスカットラインがあったら、一時的な下げでロスカット注文が執行されてしまいます。しかし、それでは大きなトレンドが発生しても、十分な利益を取ることはできません。
その一方でトレンドが転換したら、いち早くポジションを決済しなければ大きな損失を被ります。こうした点を考慮すると、適切なロスカットラインの設定はノイズの外側で、かつ、できる限りノイズの最大振れ幅に近い地点に設定することが求められます。そのためにはノイズの幅を知る必要があります。
タートルズはさまざまな銘柄を調べた結果、ノイズの中の前回高値から今回安値までの幅は平均でも2ATR以下であることを発見しました。タートルズがロスカットラインを2ATRに設定した理由です。
次週も、その辺りを深く学んでいきましょう。
移動平均線大循環分析の見方(簡易版)
移動平均線大循環分析とは?
3本の移動平均線の並び順と傾きで現状を分析し、今後の展開を予測する指標です。価格変動の中で買いにエッジ(優位性)が発生する局面、売りにエッジが発生する局面を見つけ出すことができます。
<移動平均線大循環分析>
ステージとは?
3本の線の並び順は全部で6種類。それをステージ1から6と名付けました。(下図参照)
価格変動の中でステージは基本的に時計回りで推移し、ときに一時的に反時計回りで推移します。
つまり現在がステージ1だとすると、次に移行するのはステージ2というのが基本で、ときにステージ6に戻ることがあるということです。これ以外の展開はありません。これにより今後の展開が読みやすくなります。
売買チャンス
ステージ1で3本の線が右肩上がりのときは買いトレードにエッジ(優位性)があります。ステージ4で3本の線が右肩下がりのときは売りトレードにエッジがあります。
帯
移動平均線大循環分析において中期移動平均線と長期移動平均線の間を「帯(おび)」と言います。帯は大局トレンドの状態を示します。
帯による分析
帯が傾きを持ち間隔が広がっている状態が、トレンドが勢いを持っている状態です。間隔が狭まったり傾きが緩やかになるとトレンドが勢いを失ったことがわかります。またもみあい相場では帯は横這いとなり、細くなります。
価格及び短期移動平均線が帯の上にいるのが買い時代、帯の下にいるのが売り時代を表します。
- ※3本の移動平均線は短期5日、中期20日、長期40日のEMA(指数平滑移動平均線)を利用しています。