皆さん、こんにちは。

先日エチオピア航空が運航するボーイング社製の新型旅客機が、離陸直後に墜落し乗客乗員全員が死亡するという事故が起きました。同型機の墜落事故は昨年10月に起きたばかりであり、各国で同型機の運航を見合わせる動きが広がる中、ボーイングの業績への懸念から売りが殺到しました。また、トランプ米大統領が、墜落事故が相次いで起きた米ボーイングの新型旅客機「737MAX8」の運航停止を命じると表明しました。これを受けて、NYダウの構成銘柄であるボーイング株の下落による、NYダウへの影響が懸念されました。

英国の欧州連合（EU）離脱問題は、一進一退の不安定な展開が続いています。離脱修正案が反対多数で否決された英議会は、EUからの何の取り決めもなく離脱する「合意なき離脱」を拒否する決議案の採決を行い、賛成多数で可決しました。そして、翌日には離脱期限の延期を決める採決が行われ賛成多数で可決しました。これにより、20日までに英・EUの離脱合意案を英議会が承認することを条件に、3月29日の離脱期限を6月末まで延期することになります。ただ、欧州委員会の報道官は、延期には英を除く27加盟国の全会一致の承認が必要だと強調しており、協議が難航する可能性も残っています。

貿易問題の決着を目指して3月中の首脳会談の開催を目指していた米中両国政府でしたが、米中首脳会談の開催時期が早くても4月になるとの報道がでました。中国による知的財産権侵害などの構造問題で依然、隔たりが残っているものとみられており、早期決着への期待感が後退しました。その後、トランプ米大統領は米中協議について、順調に進んでいると説明するも、最終的に取引を行うかについては明言したくない。米国にとって望ましい取引でなければ行わないとも語りました。一方で、中国国営の新華社通信は中国の劉鶴副首相とムニューシン米財務長官らが電話会談を行い、貿易協議をめぐる実質的な前進があったとの報道がなされました。米中貿易協議進展への期待と不安が交錯しています。

日銀は金融政策決定会合を開催し、金融政策について現行の大規模緩和策の継続を賛成多数で決定しました。そして、中国など海外経済が減速している影響を踏まえ、景気を支える輸出と生産に関する判断を下方修正しました。公表文では、景気の現状について、引き続き「緩やかに拡大している」と評価しましたが、「輸出・生産面に海外経済の減速の影響がみられる」との表現を加えました。黒田日銀総裁は金融政策決定会合後の会見で、「物価目標に向けたモメンタムを維持するため必要な政策調整を行う」などと発言しましたが、市場関係者の間では、将来的な追加金融緩和策を連想させるような発言はなかったとの見方もあったようです。

ボーイングの問題や米中貿易協議や英国のEU離脱問題など、市場の方向性を決定づけるには難しいニュースが続いていますが、NYダウや日経225は移動平均線大循環分析では第1ステージを辛うじて維持しています。このまま上昇トレンドに勢いが出てくるのか、トレンド転換となるのかに注意しながら、チャートの動きを見ていきましょう。

「小次郎講師のトレード入門」をご覧になる方はこちら

3月20日（水）08：50（日本）日銀・金融政策決定会合議事要旨
3月20日（水）18：30（英国）2月消費者物価指数
3月20日（水）18：30（英国）2月卸売物価指数
3月20日（水）20：00（米国）MBA住宅ローン申請指数
3月21日（木）04：00（米国）米連邦公開市場委員会（FOMC）、終了後政策金利発表
3月21日（木）04：30（米国）パウエルFRB議長、定例記者会見
3月21日（木）09：30（豪国）2月新規雇用者数、2月失業率
3月21日（木）18：30（英国）2月小売売上高
3月21日（木）21：00（英国）イングランド銀行（BOE）金利発表
3月21日（木）21：00（英国）英中銀資産買取プログラム規模
3月21日（木）21：00（英国）英中銀金融政策委員会（MPC）議事要旨
3月21日（木）21：30（米国）3月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
3月21日（木）21：30（米国）新規失業保険申請件数
3月21日（木）21：30（米国）失業保険継続受給者数
3月21日（木）23：00（米国）2月景気先行指標総合指数
3月21日（木）24：00（ユーロ圏）3月消費者信頼感
3月22日（金）08：30（日本）2月全国消費者物価指数
3月22日（金）17：30（独国）3月製造業購買担当者景気指数
3月22日（金）18：00（ユーロ圏）3月製造業購買担当者景気指数
3月22日（金）18：00（ユーロ圏）3月サービス部門購買担当者景気指数
3月22日（金）22：45（米国）3月製造業購買担当者景気指数
3月22日（金）22：45（米国）3月サービス部門購買担当者景気指数
3月22日（金）22：45（米国）3月総合購買担当者景気指数
3月22日（金）23：00（米国）2月中古住宅販売件数
3月25日（月）18：00（独国）3月IFO企業景況感指数
3月26日（火）16：45（独国）10-12月期GDP
3月26日（火）21：30（米国）2月住宅着工件数
3月26日（火）21：30（米国）2月建設許可件数
3月26日（火）22：00（米国）1月ケース・シラー米住宅価格指数
3月26日（火）23：00（米国）3月リッチモンド連銀製造業指数
3月26日（火）23：00（米国）3月消費者信頼感指数（コンファレンス・ボード）

※今週はFOMCの結果とパウエルFRB議長の発言内容に注目しましょう。新規失業保険申請件数の結果も確認しましょう。

※移動平均線大循環分析の見方はこのレポートの最後にまとめてあります。ご参照ください。

第1ステージ
第1ステージは上昇期です。

短期移動平均線と帯の関係に注目していきましょう。
・上昇トレンドに勢いが出る場合は、帯に傾きが出て間隔が広がってきます。
・下降トレンドに移行する場合は、短期移動平均線が帯を下抜けていきます。
そこに注目していきましょう。

高値22,959円　安値20,250円
※抵抗線・支持線となりやすい価格です。そこを突破することに意味があります。

※移動平均線大循環分析の見方はこのレポートの最後にまとめてあります。ご参照ください。

第1ステージ
第1ステージは上昇期です。

短期移動平均線と帯の関係に注目していきましょう。
・上昇トレンドに勢いが出る場合は、帯に傾きが出て間隔が広がってきます。
・下降トレンドに移行する場合は、短期移動平均線が帯を下抜けていきます。
そこに注目していきましょう。

高値26,336ドル　安値21,565ドル
※抵抗線・支持線となりやすい価格、そこを突破することに意味があります。

先週まではタートルズの増し玉ルールについて勉強してきましたが、今週はそのタートルズの追加ルールの応用編をみていこうと思います。

ATRが100円の銘柄を1,000円で買いエントリーしたと仮定します。“1/2の追加”のルールでは、1回目の増し玉は1,050円になるはずです。しかし、実際のマーケットでは価格が飛ぶこともあります。1,050円で買うはずが、1,070円で約定してしまったら、そのときのロスカットラインはいくらで設定すべきでしょう。また、次の増し玉は何円にしたらよいでしょうか。

その場合、ロスカットラインは1,070円から2N下の値位置、つまり200円下である870円に最初のポジションも合わせて引き上げます。そして、次に増し玉をするのは1,070円から1/2N上の値位置である1,120円とします。すなわち、常にトレードが成立した価格を基準とするのです。

【追加のときの特殊ケース】
　〇増し玉した価格が想定と異なった場合でも、ロスカットラインは約定価格から2Nの値位置に統一する。
　〇さらなる追加は約定価格から1/2N上昇した値位置とする

それでは、”1/2Nの追加”ルールに基づいて増し玉をしているとき、価格が1ユニットに相当するほど飛んだらどうするべきでしょうか。具体的にはATR＝100円であれば、100円動くといった場合です。算術的には2ユニット増し玉したいところですが、タートルズはそうした場合でも増し玉は1ユニットを基本としています。

この考え方がタートルズの増し玉の特殊ケースとなり応用編となります。いかがでしたでしょう。ここまでは理解されていますでしょうか。

では、次にナンピンと呼ばれる増し玉について見ていくことにしましょう。この“ナンピン”と呼ばれる手法は漢字では「難平」という文字を当てますが、これはどうやら困難を平均化するという意味のようです。麻雀には「平和」と書いて「ピンフ」と読む役があります。ナンピンのピンはここから来たのかもしれません。

ナンピンについては、人によって評価がまちまちです。その判定は後にまわすとして、まずはどういうシステムなのかを説明します。

買いポジションを持った後に価格が下がり、評価損が出たときに追加で買うのが“ナンピン買い”です。この行為は「買い下がっていく」と表現する場合もあります。

売りポジションを持った後に価格が上昇し、そのときに追加で売るのもナンピンであり、それは、“ナンピン売り”といい、「売り上がっていく」と表現する場合もあります。

では、次週は図を見ながらナンピンの仕組みを詳しく見てみましょう。

3本の移動平均線の並び順と傾きで現状を分析し、今後の展開を予測する指標です。価格変動の中で買いにエッジ（優位性）が発生する局面、売りにエッジが発生する局面を見つけ出すことができます。

3本の線の並び順は全部で6種類。それをステージ1から6と名付けました。（下図参照）
価格変動の中でステージは基本的に時計回りで推移し、ときに一時的に反時計回りで推移します。
つまり現在がステージ1だとすると、次に移行するのはステージ2というのが基本で、ときにステージ6に戻ることがあるということです。これ以外の展開はありません。これにより今後の展開が読みやすくなります。

ステージ1で3本の線が右肩上がりのときは買いトレードにエッジ（優位性）があります。ステージ4で3本の線が右肩下がりのときは売りトレードにエッジがあります。

移動平均線大循環分析において中期移動平均線と長期移動平均線の間を「帯（おび）」と言います。帯は大局トレンドの状態を示します。

帯が傾きを持ち間隔が広がっている状態が、トレンドが勢いを持っている状態です。間隔が狭まったり傾きが緩やかになるとトレンドが勢いを失ったことがわかります。またもみあい相場では帯は横這いとなり、細くなります。
価格及び短期移動平均線が帯の上にいるのが買い時代、帯の下にいるのが売り時代を表します。

• ※3本の移動平均線は短期5日、中期20日、長期40日のEMA（指数平滑移動平均線）を利用しています。

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