先週末は、大坂なおみ選手の全豪オープン優勝、嵐の活動休止、と大きなニュースが2つありました。大坂選手の試合は土曜日の夜と放映時間が良かったこともあり、久しぶりにテニスの試合を最初から最後まで見ることができました。試合の内容はさておき、個人的にうれしかったのは表彰式です。昨秋の全米オープンで大坂選手が初優勝したときの表彰式は、いったいどちらが勝者なのか分からないような雰囲気で、至極残念なものでした。ただし今回の全豪の観客は素晴らしくフェアで、相手のクビトワ選手のスピーチも含め心に残る素晴らしいセレモニーでした。大坂選手の全仏オープン(5/26〜6/9)、ウィンブルドン(7/1〜7/14)での活躍が今から楽しみです。
さて1月相場もほぼ終了し、2018年10〜12月期の決算発表が集中するシーズンとなりました。すでに大手電子部品メーカーや機械メーカーの業績予想下方修正が発表されるなど、10〜12月期は中国向けを中心とする外需の減少が企業業績の足を引っ張っていると思われます。米中の貿易を巡る争いは長期化の様相を呈していますが、米国の対中関税引き上げの猶予期間が切れる3/1(金)までに、米中貿易協議で何らかの妥協が成立することが望まれます。
企業業績が不透明で、相場全体も不安定な局面においては、配当利回りや株主優待などに注目することも有効な投資手法の一つではないかと思われます。そこで今回は2月決算銘柄の株主優待銘柄に焦点を当ててみたいと思います。
冒頭でご説明したように、今回の「新興株ウィークリー」では、2月決算銘柄に焦点を当てて、株主優待の権利が取れる銘柄をご紹介します。なおかつ業績の裏付けのありそうな銘柄をピックアップしてみました。優待銘柄の権利付最終日は今年の場合、2/25(月)が殆どですが、2/20(水)の銘柄(パレモ・ホールディングス)もありますのでご注意ください。
株主優待銘柄は権利付最終日の1ヵ月程度前から値上がりするケースが散見されますので、今のうちに「先取り」して保有するのがお勧めかもしれません。また、株主優待と同時に現金配当を実施している企業の場合、配当金の権利も同時に付与されるメリットがあります。
スクリーニング条件は以下の4点です。
(1)東証マザーズまたはJASDAQの上場銘柄であること
(2)2月決算銘柄で、今年2月の権利確定日までに株式を購入すれば、株主優待の権利が得られるもの
(3)今期の会社予想経常利益が赤字ではないこと
(4)配当を実施する見込み(会社予想)であること
上記の全条件を満たした銘柄が、表1の銘柄となります。掲載順は、弊社のWEB上の株主優待検索機能でお客様の閲覧回数が多い順番、すなわち投資家の興味の高い順番に並べています。
閲覧回数の多かった銘柄の特徴ですが、1位の柿安本店(2294)は、投資金額に対する優待内容のリターンは割安とはいえませんが、松坂牛のレストランでの利用券や、株数が1,000株以上だと、松坂牛のギフトももらえる優待内容が魅力でしょうか。
2位から7位の会社については、投資金額が比較的小額なのに対して、優待内容が使い勝手の良いクオカードや食事券などの優待内容が魅力となっているように思われます。
それではこのうち、数銘柄について簡単に事業内容、ポイントをご紹介したいと思います。
柿安本店(2294)は、明治初めに三重県で牛鍋店として創業している老舗です。現在の中心事業は百貨店を中心に精肉および惣菜の店舗を展開しています。松坂牛の販売に強みを持っています。この他に和菓子や外食事業なども運営しています。
トライステージ(2178)は、TV通販会社のために顧客獲得やダイレクトメールなどによる顧客維持を行っているユニークな業態です。新規事業として同社の顧客企業のカスタマーベースを結合したダイレクトデータマーケティングを構築しようとしています。
インターライフホールディングス(1418)は、商業施設、ホテル、オフィス、展示会などの音響や照明などの企画デザイン、設計施工のほか、人材派遣、不動産など幅広い事業内容を持っています。東京五輪関連の受注に期待が持てます。
カネミ食品(2669)は、ユニー・ファミマHDの子会社です。親会社はもちろん、大手スパー、百貨店、駅ビルなどでの惣菜販売や、コンビニ向けの弁当やパスタなどの製造を手がけています。
サマンサタバサジャパンリミテッド(7829)は、社名の「サマンサタバサ」ブランドのバッグの製造販売で急成長した会社です。近年はジュエリーやアパレルにも展開しています。主力商品のブランド力再構築が奏功し、業績が立ち直ってきました。
表1:「新興株ウィークリー」特選の「2月優待銘柄」はコレ!?
取引 | チャート | ポート フォリオ |
コード | 銘柄名 | 株価(円) (1/29) |
優待に必要な 最低投資金額(円) (1/29株価ベース) |
年間予想 配当利回り (%) |
優待内容 (最低株式数の場合) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
追加 | 2294 | 柿安本店 | 2,378 | 237,800 | 2.3% | 優待利用券(自社店舗)1,000円 | ||
追加 | 2778 | ※パレモ・ホールディングス | 257 | 77,100 | 2.3% | クオカード1,000円 | ||
追加 | 2178 | トライステージ | 318 | 127,200 | 2.2% | クオカード1,000円 | ||
追加 | 3063 | ジェイグループホールディングス | 822 | 82,200 | 0.4% | 食事券1,000円2枚 | ||
追加 | 3065 | ライフフーズ | 1,835 | 183,500 | 0.5% | ジェフグルメカード500円または優待券1,000円 | ||
追加 | 1418 | インターライフホールディングス | 213 | 213,000 | 1.9% | クオカード1,000円(1年以上継続保有) | ||
追加 | 2789 | カルラ | 498 | 49,800 | 2.0% | 食事券1,000円 | ||
追加 | 2669 | カネ美食品 | 3,075 | 307,500 | 2.0% | 「セレクトグルメ配達便」3,000円相当 | ||
追加 | 2747 | 北雄ラッキー | 3,340 | 334,000 | 1.5% | JCBギフトカード1,000円または特産品 | ||
追加 | 7829 | サマンサタバサジャパンリミテッド | 314 | 31,400 | 3.2% | 優待セール招待 | ||
追加 | 2300 | きょくとう | 637 | 63,700 | 1.7% | クオカードまたはクリーニング無料券1,000円相当 |
- ※弊社株主優待検索ツール、会社資料等をもとにSBI証券が作成。優待権利に必要な最低株数は、パレモ・ホールディングスが300株、トライステージが400株、インターライフホールディングスが1,000株、その他は全て100株。優待内容は変更されることがあります。また、優待内容は保有株数や保有期間等により、さらに細かく設定されている場合がありますので、詳細は会社のHP等で御確認ください。
東証マザーズ指数の1/29(火)の終値は961.19と1/22(火)の終値930.68から3.3%の上昇と続伸となりました。JASDAQ平均も1.3%の上昇となりました。NY株式および日経平均株価は、引き続き米中通商交渉を巡っての思惑や企業業績の発表によって一喜一憂する相場展開となり、持ち合い状態ですが、新興株市場は総じて好調でした。
1/22(火)〜1/29(火)のマザーズ市場の個別銘柄では、サンバイオ(4592)やメルカリ(4385)、MTG(7806)など時価総額の大きい主要銘柄が引き続き堅調でした。また、これまで大きく上げてきたそうせいグループ(4565)は続落となりました。この他では、ラクスル(4384)が、物流システムの新サービスの提供開始が材料視され大きく上昇しました。
(注)サンバイオ(4592)は株価の牽引材料となっていた開発中の新薬の臨床試験結果が思わしくないとの発表で、1/30(水)の株価は、ストップ安で引けています。これを受け、1/30(水)の東証マザーズ指数は急落となりました。
JASDAQ市場の個別銘柄では、前の期間で大きく上げたハーモニック・ドライブシステム(6324)が続伸となりました。主要銘柄ではワークマン(7564)、セリア(2782)なども堅調でした。
東証マザーズ指数について
東証マザーズ市場は近い将来東証1部へのステップアップを視野に入れた成長企業向けの市場です。マザーズ指数は、マザーズ市場に上場する全銘柄の時価総額加重平均型の指数です。ただし、一部の時価総額の大きい銘柄の影響度が大きい点に注意を要します。ちなみに12月末のマザーズ市場の時価総額に占める、サンバイオのシェアは11.8%、メルカリが5.6%、ミクシィが5.4%などとなっています。
図1:東証マザーズ指数(日足)
図2:JASDAQ平均(日足)
- ※図1・図2ともに当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
表2:主要株式指標の騰落率(1/22〜1/29)
指数 |
終値(1/29) |
騰落率 |
---|---|---|
日経平均株価 |
20,664.64 |
0.2% |
東証マザーズ指数 |
961.19 |
3.3% |
JASDAQ平均株価 |
3,390.29 |
1.3% |
表3:主要新興市場銘柄の騰落率(1/22〜1/29)
コード |
銘柄 |
終値(1/29) |
騰落率 |
---|---|---|---|
マザーズ市場の時価総額上位銘柄 |
|
||
4592 |
サンバイオ |
11,710 |
6.5% |
4385 |
メルカリ |
2,274 |
5.3% |
7806 |
MTG |
4,885 |
3.1% |
2121 |
ミクシィ |
2,795 |
2.6% |
4565 |
そうせいグループ |
1,122 |
-1.2% |
JASDAQ市場の時価総額上位銘柄 |
|
||
2702 |
日本マクドナルドホールディングス |
4,805 |
-0.3% |
6324 |
ハーモニック・ドライブ・システムズ |
3,620 |
2.3% |
7564 |
ワークマン |
7,720 |
2.8% |
2782 |
セリア |
3,345 |
3.4% |
6425 |
ユニバーサルエンターテインメント |
3,280 |
-4.8% |
直近上場銘柄・市場で話題の銘柄 |
|
||
3967 |
エルテス |
2,280 |
2.1% |
4593 |
ヘリオス |
1,838 |
-4.4% |
6572 |
RPAホールディングス |
3,075 |
-3.5% |
4384 |
ラクスル |
2,928 |
14.4% |
6544 |
ジャパンエレベーターサービスホールディングス |
1,732 |
7.9% |
- ※表2・表3はBloombergデータをもとにSBI証券が作成。騰落率は1/22(火)終値と1/29(火)終値の比較による。時価総額は12月末基準。
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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