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20万円以下で買える反発期待銘柄を抽出!!

2019/10/16
投資情報部 長谷川 稔

大型台風19号が3連休の日本を直撃しました。豪雨被害が各地で発生しました。被災された地域の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。

10/13(日)には台風の影響で開催が危ぶまれていたラグビーW杯の予選最終試合が、関係者の努力で無事行われました。その結果、日本代表は予選Aグループを全勝で勝ち抜き、ベスト8進出を決めました。アイルランド(大会直前の世界ランキング1位)、スコットランドといった世界の強豪に真っ向勝負で立ち向かい、勝利を勝ち取った日本代表に心から拍手を送りたいものです。あと2試合勝ち抜いて、決勝で世界最強のニュージーランド(オールブラックス)と戦う桜の戦士たちを夢見てしまいます。

さてSBI証券のWEBサイトでは、最近スクリーニング機能が大幅にリニューアルされました。これを使えば、銘柄の抽出が従来より容易にしかも豊富な検索条件でできるようになりました。今回は、このスクリーニング機能を使って銘柄をピックアップしてみることにしました。

東京株式市場は、米中閣僚級会議で通商交渉の部分合意が成立し、日経平均株価は年初来高値を上回ってきました。一方、新興株式市場、とりわけマザーズ市場は日経平均に対し大きく出遅れています。これは銘柄の流動性が小さく、株式市場全体がリスクオフ(回避)の時には、新興株市場は投資家から敬遠されるという特質が大きく影響しているためだと考えられます。

しかし今後の市場は、リスクオン(選好)の展開が期待されるように潮目が変化してきたように思われます。したがって日経平均に比べ出遅れている新興株に、活躍のチャンスが巡ってきたと考えられます。そこで今回の「新興株ウィークリー」では、企業としての素性は良いものの、市場要因を背景に足元で株価が大きく下げている「20万円以下で買える反発期待銘柄」にスポットを当ててみることにしました。皆様の銘柄選択のご参考にしていただければ幸いです。

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120万円以下で買える反発期待銘柄を抽出!!

それでは早速銘柄を抽出してみたいと思います。抽出条件は下記の通りです。

(1)マザーズ市場、あるいはJASDAQ市場に上場している銘柄
(2)20万円以下で単位株を取得できること
(3)過去5年間で、売上高および経常利益が30%以上増加していること
(4)ROEが10%以上あること
(5)52週高値から株価が20%以上下落していること(ちなみにマザーズ指数は年初来高値から19%下落)
(6)直近四半期決算で年度予想経常利益に対する進捗率が標準以上(1Qなら25%、2Qなら50%など。四半期決算がない場合は前年度の着地が会社予想を上回ったこと)

これらの条件を満たす銘柄群が下の表1です。年初来高値からの株価下落率が大きい順番に並べています。これらの銘柄の共通の特徴としては、時価総額の小さい銘柄が多いということです。これは冒頭で述べたように、これまでの株式相場全体がリスクオフ(回避)の地合の中、流動性の薄いこれらの銘柄への投資が手控えられたということではないでしょうか。

したがって株式市場がリスクオン(選好)に潮目が変わり始めたここから先が、これらの銘柄の活躍場面となる可能性が高いのではないでしょうか。

表1 20万円以下で買える反発期待銘柄はコレ!?

取引 チャート ポート
フォリオ
コード 銘柄名 株価(円)
10月15日
通期の会社予想
経常増益率
52週高値
からの下落率
(%)
主な事業内容
6033 6033 6033 6033 エクストリーム 1,994 17.5% -67.4 ゲーム開発技術者派遣、受託開発
8938 8938 8938 8938 グローム・ホールディングス 807 26.4% -57.4 不動産から病院関連事業へシフト
4335 4335 4335 4335 アイ・ピー・エス 848 14.1% -47.8 企業向け情報システム開発
3929 3929 3929 3929 ソーシャルワイヤー 796 -39.4% -44.7 企業の配信代行、レンタルオフィス
6548 6548 6548 6548 旅工房 1,360 2.7% -44.4 ネット専業の海外旅行会社
6158 6158 6158 6158 和井田製作所 1,262 -11.2% -34.7 中堅工作機械メーカー
3300 3300 3300 3300 AMBITION 1,024 2.6% -31.0 居住用不動産のサブリース
2385 2385 2385 2385 総医研ホールディングス 512 4.8% -30.4 抗疲労食品・飲料や化粧品
7183 7183 7183 7183 あんしん保証 256 5.9% -28.5 賃貸家賃の保証事業
6267 6267 6267 6267 ゼネラルパッカー 1,866 -19.5% -23.8 食品向け自動梱包機械メーカー
  • 当社Webのスクリーニングシステム、各社の公表資料等をもとにSBI証券が作成。

2抽出銘柄のポイント

それでは表1で抽出された銘柄群のうち数銘柄について、チャートと注目ポイントを簡単にご紹介したいと思います。

エクストリーム(6033)は、2014年にマザーズ市場に上場しています。ゲーム開発業者への技術者派遣(常駐)、受託開発が主力業務です。自社のゲーム開発も行っています。M&Aなどにより、非ゲーム分野の拡大を目指しています。足元の業績は自社のシミュレーションRPGである「ラングリッサー」の国内外でのヒットに加え、IT人材不足を背景とした、派遣人員の増加および単価上昇が追い風となっています。今期の会社予想は17.5%経常増益ですが、1Q決算で29%以上の進捗率となっており、やや保守的な印象です。

旅工房 (6548)は、2017年にマザーズ市場に上場しています。インターネットでの個人向け海外旅行代理店業務が中心です。取扱い高は小規模ですが、JTBなど店舗型代理店とオンライン型代理店の中間を狙ったハイブリッド型が同社の特色です。具体的には、地域別や国別に営業組織を分割し、コンシェルジュ制を採用し、顧客に電話やメールできめ細かい個別対応を行っています。主要顧客層は20〜40歳代の女性で、60%がスマホ経由です。旅行内容の設定は自由度が高く、個別オプションも豊富で、高めの料金設定が可能です。上場を契機に法人向け販売や、システム構築により航空券、格安ツアーの販売にも乗り出しています。欧米など高単価商品の好調で業績は好調です。

和井田製作所(6158)は、2005年6月にJASDAQ市場に上場しています。1946年に設立された古い歴史を持つ会社で、研削技術を基礎とした工作機械(各種精密CNC旋盤)の企画開発・製造販売を行っています。切削工具でもニッチ分野にフォーカスして、特定機械分野で高いシェアを保有しています。今期は米中貿易摩擦による設備投資の手控えを背景に、会社側は11.2%経常減益を想定していますが、新機種投入や豊富な受注残を抱えているため、やや控えめな印象です。むしろ米中通商交渉の進展以降の受注回復に期待したいものです。

総医研ホールディングス(2385)は2003年にマザーズ市場に上場しています。大阪大学医学部発のバイオベンチャーとして発足した会社で、バイオマーカー技術がベースとなっています。現在はこの技術を応用した機能性食品の臨床試験受託事業や健康補助食品(抗疲労食品や飲料)の直販、化粧品事業が中心となっています。健康食品や化粧品のヒットで業績は順調に拡大してきました。今期も化粧品の中国向け輸出許可取得、直販店設置などで増益が期待できそうです。

あんしん保証(7183)は、2015年にマザーズ市場に上場しています。「世の中から連帯保証人という制度をなくす」という理念のもと、賃貸住宅の家賃債務保証を法人として引き受けるという独自のビジネスモデルを展開している会社です。現在では賃貸借契約において、8割程度が家賃債務保証への加入条件が必要となるなど、同社の活躍分野が拡大しました。2020年4月には法改正により、連帯保証の極度額設定が義務化されるなど、業界にはフォローの風が吹いています。商品多様化による加盟店契約の伸びにより、保証件数や残高が増加しており、今期も増益基調が想定されています。

図1:エクストリーム(6033)・日足

図2:旅工房 (6548)・日足

図3:和井田製作所(6158)・日足

図4:総医研ホールディングス(2385)・日足

図5:あんしん保証(7183)・日足

  • 図1から図5は、当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。

2【新興市場Now】マザーズ指数は大幅続落、JASDAQは小幅続伸

東証マザーズ指数の10/15(火)終値は845.24と、10/8(火)終値875.96から3.5%の大幅続落となりました。JASDAQ平均は0.4%の小幅続伸でした。日経平均は2.9%の急反発でしたから、マザーズ指数、JASDAQ平均ともに日経平均に対して、劣位な値動きとなりました。

マザーズ市場では、前回に引き続き時価総額で最大のメルカリ(4385)の下落が目立ちました。このほかにもサンバイオ(4592)そーせいグループ(4565)ティーケーピー(3479)など時価総額の大きい銘柄が軒並み不振でした。NY市場の反発を背景に、利がのっている一部小型株から、大型株への資金シフトが影響したのではないかと思われます。その他の銘柄では、業績の増額修正を発表したエルテス(3967)の上昇が目立ちました。一方、前回大幅に上昇したグッドスピード(7676)ヘリオス(4593)は利食い売りに押され大きく下落しました。

JASDAQ市場では、時価総額が大きい日本マクドナルドホールディングス(2702)が下落しましたが、前回大きく上昇したハーモニック・ドライブ・システムズ(6324)が、11月半ばに予定されている決算発表での上方修正期待で続伸となりました。業績好調なワークマン(7564)も大幅上昇となりました。

※東証マザーズ指数について:東証マザーズ市場は近い将来東証1部へのステップアップを視野に入れた成長企業向けの市場です。マザーズ指数は、マザーズ市場に上場する全銘柄の時価総額加重平均型(浮動株調整後)の指数です。ただし、一部の時価総額の大きい銘柄の影響度が大きい点に注意を要します。ちなみに9月末のマザーズ市場の時価総額に占めるそーせいグループ(4565)およびメルカリ(4385)のシェアがそれぞれ7.4%づつ、サンバイオ(4592)が5.4%、ミクシィ(2121)が4.5%、ジーエヌアイグループ(2160)が3.5%、などとなっています。

図6:東証マザーズ指数(日足)

https://sbisec.akamaized.net/sbisec/images/base/g_market_report_dom_em_weekly_191016_11.gif

図7:JASDAQ平均(日足)

https://sbisec.akamaized.net/sbisec/images/base/g_market_report_dom_em_weekly_191016_12.gif
  • 図6、図7ともに当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。

表2:主要株式指標の騰落率(10/8〜10/15)

指数 終値(10/15) 騰落率
日経平均株価 22,207.21 2.9%
東証マザーズ指数 845.24 -3.5%
JASDAQ平均株価 3,414.12 0.4%

表3:主要新興市場銘柄の騰落率(10/8〜10/15)

コード 銘柄 終値(10/15) 騰落率
マザーズ市場の時価総額上位銘柄
4385 メルカリ 2,257 -10.9%
4592 サンバイオ 4,025 -4.5%
4565 そーせいグループ 2,191 -9.4%
2121 ミクシィ 2,125 2.4%
3479 ティーケーピー 4,895 -2.1%
JASDAQ市場の時価総額上位銘柄
2702 日本マクドナルドホールディングス 5,370 -2.9%
6324 ハーモニック・ドライブ・システムズ 4,760 1.8%
7564 ワークマン 9,240 10.1%
6425 ユニバーサルエンターテインメント 3,555 1.3%
4816 東映アニメーション 5,130 0.8%
直近上場銘柄・市場で話題の銘柄
3967 エルテス 1,909 10.9%
4593 ヘリオス 1,248 -3.6%
7676 グッドスピード 3,345 -11.4%
4384 ラクスル 3,490 -1.0%
7806 MTG 1,019 -5.1%
  • 表2・表3はBloombergデータをもとにSBI証券が作成。騰落率は10/8(火)終値と10/15(火)終値の比較による。時価総額は9月末基準。
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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