300万円で年間10万円の分配金!?ポートフォリオ投資で毎月分配金をゲットする方法とは? |
REITって何から、簡単銘柄選別方法 |
REITのポートフォリオ投資で毎月分配金をゲット! |
好調な不動産市況、安定的な分配金を目的に不動産投資する手法は?
今回の「福の神レポート」では、「REIT(不動産投信)」について解説いたします。
2014年5月8日付けの日本経済新聞に、「4月の東京都心オフィス空室率、6.64%に低下 5年ぶり低水準 の記事が掲載されていました。その内容は、「オフィス仲介の三鬼商事(東京・中央)が8日まとめた4月末時点の東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)のオフィス空室率は、前月末比0.06ポイント低下の6.64%で、2009年3月(6.05%)以来5年1カ月ぶりの低水準だった。改善は10カ月連続。」とのことでした。
アベノミクスの為か、日本企業の景況感が改善しておりオフィスへの需要が増加し、まずは日本で最もオフィスビルが集中している東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)のオフィス空室率が改善しているようです。
図表1:東京都心5区のオフィス空室率(東日本大震災以降)(%)
Bloombergデータより、SBI証券作成。
また、公示地価も好転しています。国土交通省による2014年1月1日時点の公示地価は、三大都市圏が前年比0.7%上昇と6年ぶりにプラス転換しました。上昇地点数は2013年より約40ポイント多い51.3%に広がり、全国平均も0.6%下落と下げ幅が4年連続で縮まっています。
このように、不動産市況の好調さが鮮明になってきています。また、短期的には、アベノミクスの3本目の矢の成長戦略においても国家戦略特区を活用した不動産の容積率UPなど不動産市場の活性化につながる施策が期待されています。中・長期的には、2020年の東京五輪開催に向けて、首都圏で、大規模な不動産開発の計画が目白押しの状況です。
図表2:日経平均株価チャート(日足、6ヶ月)
(当社WEBサイトより、SBI証券作成)
一方、東京株式市場は、15日までに決算発表がほぼ一巡し、19日の週以後は企業決算の状況を踏まえて、今期以後の業績動向に注目が集まりそうです。
日経平均株価は、2013年12月30日16,320.22円の高値をつけた後、2014年3月7日15,312.60円、4月3日15,164.39円と上値を切り下げる下落トレンドとなっており、決算発表一巡後、アベノミクス第3の矢の成長戦略などをきっかけに、上値抵抗線を抜いての、反騰相場を期待したいところですが、残念ながら、現時点ではその判断は難しそうです。
このように、株式市場の方向性が掴みにくい現状においては、投資家の注目がキャピタルゲイン(売却益)に留まらず、インカムゲイン(分配金)に脚光が当たる可能性がありそうです。
不動産市況の好調さを考えると、安定的な収入が得られる不動産投資について、考えてみることにしました。
個人投資家が、「不動産投資を行う」 には、いくつかの方法があります。主な投資先別に図表3にまとめてみました。
図表3:個人投資家が可能な主な不動産投資先
(SBI証券作成)
不動産投資で、まず思いつくのは、不動産を取得して、それを賃貸して賃料を得る不動産の実物投資です。しかし、誰もが簡単に投資できる金額ではなく、税金や修繕費用など様々なコストが掛かりますし、空室リスクも非常に高いと思われます。また、流動性が低い為、思った値段ですぐに売ることは難しいかもしれません。管理運用していくにも専門的な知識や労力、時間などが必要な投資方法です。
投資用マンションを1室だけにすれば、かなり投資金額は抑えることが出来ますが、それでも最低数百万円掛かります。また、1室だけであれば、より空室リスクは高いことになります。現在、「サラリーマン大家」などに関する書籍が数多く出版されていますが、不動産の実物への投資は、個人投資家にとって、非常にハードルが高いものになっています。
しかし、REIT(不動産投信)への投資であれば、数万円程度から投資可能です。簡単に説明すると不動産運用会社の出資者となって、その運用益を分配金として受け取るというシステムです。また、株式と同様に証券取引所で取引されますので、流動性は非常に高く、ほぼ株式同様に取引が可能です。
図表4:東証REIT指数チャート(日足、6ヶ月)
また、実物不動産の場合、基本的には一物一価なので、路線価格や公示地価などもありますが、現在の価格が非常に分かりにくく、売却する場合も、手間と時間が掛かります。しかし、REITは取引所で取引されているので、簡単に現在の価格を知ることが出来ますし、流動性も高く、簡単に売却することが出来ます。
REIT全体の価格動向を調べるには、REIT全体の値動きを表す東証REIT指数が利用できます。
図表4が、東証REIT指数の日足チャートです。年初から4ヶ月連続で下落した日経平均株価と大きく違い、1,500ポイントを回復、昨年末2013年12月30日高値1.530.67ポイントを抜けそうな勢いです。1500ポイントは、何回か上値が抑えられてきていますので、年末高値を抜ければ、ある程度大きな上昇幅が期待出来そうです。
『REITって何?』から簡単銘柄選別方法
REITって何?
REIT(不動産投信)は、多くの投資家様から集めた資金で多数の不動産を所有し、そこから得られる賃料収入を投資家の皆様に分配する投資信託です。
図表5:REITの概念図
REITは、銘柄によって異なる、オフィスや商業施設、マンションなどの複数の不動産を保有していますので、1銘柄の購入でも、分散投資の効果が得られ、リスクが軽減できます。
さらに、内部留保がなく、利益のほとんどが分配されますので、株式に比べ分配金の利回りは高くなりやすい傾向にあります。
現物不動産投資と異なり、上場株式と同じく証券取引所での取引ですので、売りたいときに売却することが出来るので流動性が高いです。
多額の投資資金があって、不動産に関する知識や経験がある場合は、不動産の実物投資のほうが、REITより高い収益を期待することが出来ますが、個人投資家が、手軽に不動産に投資するには、REITはオススメの投資手法と言えます。
現在、日本で取引できるREITは45銘柄(2014/5/14時点)あります。では、この中から、どの銘柄を選んだらよいのでしょう。 投資家の注目がキャピタルゲイン(売却益)に留まらず、インカムゲイン(分配金)に脚光が当たるのであれば、 インカムゲイン(分配金)目的の投資なので、予想分配金の高い銘柄を選ぶのは、いかがでしょうか?
図表6が、予想分配金利回りトップ5です。
予想分配金利回りは、株式と同様にREITの価格変動と、分配金の増減によって変化します。だから、その銘柄の人気度合いによって、大きく利回りが異なります。現在、最も予想分配利回りの高い銘柄は、SIA不動産投資法人 投資証券 (3290)の6.29%です。逆に最も低い銘柄は、『日本ビルファンド投資法人投資証券(8951)』の2.68%です。日本ビルファンド投資法人は、スポンサー(設立母体)がスポンサーの時価総額・物件取得額ともに日本のREITで最大規模です。ファンドの安定性や今後の分配金の安定性などから、非常に人気が高く、予想分配金利回りが、最も低くなっています。逆に予想分配金利回りの高い銘柄については、スポンサー(設立母体)の信頼性や、分配金などの安定性に不安が残ることなどによって、人気が無く結果として、予想分配金が高くなっているといえそうです。だから、単純に予想分配金利回りの高さだけを基準に投資するのは、あまりオススメできません。
図表6:予想分配金利回りTOP5
当社WEBサイトより、SBI証券投資調査部作成。予想分配金利回りは2014年5月12日時点の終値と、JAPAN-REIT.COMより提供を受けている予想分配金情報に基づき算出。
当社のREITコンテンツでは、全45銘柄の予想分配金利回り、現在値、出来高、運用資産カテゴリーなどで並び替えが出来ます。
REITに初めて投資する場合、オススメの手法が、時価総額に着目しての投資です。
時価総額が大きな銘柄は、予想分配金利回りは若干低めとなりますが、投資家の人気が高く、流動性もあり、比較的分配金の安定性が高いと思われます。図表7が時価総額トップ5です。
図表7:REIT時価総額TOP5
当社WEBサイトより、SBI証券投資調査部作成。予想分配金利回りは2014年5月12日時点の終値と、JAPAN-REIT.COMより提供を受けている予想分配金情報に基づき算出。
REITのポートフォリオ投資で、毎月分配金をゲット!
ここまでREITについて説明してきましたが、実践的にどのような投資手法がオススメかを説明いたします。
REITに対して、投資を行うので、45銘柄の中で個別でどのようなREITが良いかではなく、複数のREITに投資を行うポートフォリオ投資をオススメします。個別のREITを分析して選択する一本釣り投資ではなく、出来るだけ多くの銘柄を組入れてポートフォリオを作成して投資するのが、ポートフォリオ投資です。
個別銘柄への1本釣り投資の場合、その銘柄の思わぬ分配金減少などでの個別銘柄の株価変動リスクが非常に大きくなります。複数銘柄へのポートフォリオ投資のメリットは、分散投資になりますので、個別銘柄による株価変動リスクが低減されます。特に分配金狙いという投資テーマの場合、好分配金利回り銘柄を1銘柄買っても、平均分配金利回りがその1銘柄と同じ複数銘柄を買っても、分配金というリターンは同じです。ならば、ポートフォリオ投資のほうが、分散投資されている分だけ、リスクが低いことになります。
REIT投資の場合、ほとんどの銘柄が年2回決算で分配金を支払うので、決算月を分散させた6銘柄を組み合わせたポートフォリオ投資をご紹介いたします。決算月を分散させることにより、毎月分配金を手にすることが可能です。
図表8が、決算月ごとに、時価総額の最も大きい銘柄を組み入れて、1銘柄あたり50万円に最も近づくように組入れ株数を計算したポートフォリオです。 ポートフォリオ全体で、約296万円の投資で、平均分配金利回り約3.42%で約10万1千円の予想分配金となります。
図表8:REITポートフォリオ(1)投資金額約300万円
銘柄 |
銘柄名 |
株価 |
予想分配金 |
予想分配金 |
決算月 |
運用資産 |
投資単位 |
投資金額 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
3269 |
232,200 |
3.88% |
9,000 |
1 月・7月 |
住居特化型 |
2株 |
464,400 |
|
8953 |
204,700 |
4.03% |
8,255 |
2 月・8月 |
商業施設特化型 |
2株 |
409,400 |
|
8952 |
551,000 |
2.77% |
15,250 |
3 月・9月 |
オフィスビル特化型 |
1株 |
551,000 |
|
8972 |
495,500 |
3.96% |
19,620 |
4 月・10月 |
総合型 |
1株 |
495,500 |
|
8960 |
155,200 |
3.55% |
5,510 |
5 月・11月 |
総合型 |
3株 |
465,600 |
|
8951 |
578,000 |
2.68% |
15,500 |
6 月・12月 |
オフィスビル特化型 |
1株 |
578,000 |
|
合計投資金額 |
2,963,900 |
当社WEBサイトより、SBI証券投資調査部作成。予想分配金利回りは2014年5月12日時点の終値と、JAPAN-REIT.COMより提供を受けている予想分配金情報に基づき算出。
図表9:REITポートフォリオ(2)投資金額160万円
銘柄 |
銘柄名 |
株価 |
予想分配金 |
予想分配金 |
決算月 |
運用資産 |
投資単位 |
投資金額 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
3269 |
232,200 |
3.88% |
9,000 |
1 月・7月 |
住居特化型 |
1株 |
232,200 |
|
8953 |
204,700 |
4.03% |
8,255 |
2 月・8月 |
商業施設特化型 |
1株 |
204,700 |
|
8961 |
155,600 |
4.47% |
6,960 |
3 月・9月 |
総合型 |
2株 |
311,200 |
|
8975 |
61,400 |
4.98% |
3,060 |
4 月・10月 |
総合型 |
4株 |
245,600 |
|
8960 |
155,200 |
3.55% |
5,510 |
5 月・11月 |
総合型 |
2株 |
310,400 |
|
8987 |
136,200 |
3.60% |
4,900 |
6 月・12月 |
総合型 |
2株 |
272,400 |
|
合計投資金額 |
1,576,500 |
当社WEBサイトより、SBI証券投資調査部作成。予想分配金利回りは2014年5月12日時点の終値と、JAPAN-REIT.COMより提供を受けている予想分配金情報に基づき算出。
銘柄選定の根拠(基準や前提)
・ 図表8:決算月別に時価総額が最も大きいREITを選択
・ 図表9:決算月別に、最低投資金額が30万未満で時価総額が最も大きいREITを選択
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。