年初から、東京市場は大荒れの相場展開が続いています。1月は月間で日経平均株価が、1,515.41円下げています。2月に入っても、2/17終値までで1,272.83円下げています。しかし、このような下落相場の中、買い向かっているのが、少額投資非課税制度（NISA）口座を通じた個人投資家の買いです。主要証券会社10社の2016年1月の株式や投資信託の買い付け額が過去最高の3,493億円になったと、日本証券業協会が発表しています。今回の福の神レポートでは、「高配当と高成長」の2つの切り口で、相場の福の神がオススメするNISA120万円ポートフォリオを2種類ご紹介いたしましょう

日本証券業協会が2/17に、「主要証券会社10社の少額投資非課税制度（NISA）口座を通じた株式や投資信託の買い付け額が、2016年1月に過去最高の3,493億円になった」と発表しています。前月比の約2.4倍となり、それまでの最高であった2015年1月の2,627億円を上回り、過去最高金額になっています。図1は主要証券10社のNISA口座を通じた株式・投信の買い付け額をグラフ化したものです。

やはり、図2（日経平均株価日足チャート6ヶ月）でわかるように、株価が下がったところで、押し目買いをした投資家が多かったようです。また、非課税枠の拡大も増加に寄与したようです。従来のNISAでは、年間100万円の投資額であれば、株や投信の売却益や配当が非課税となる仕組みでしたが、2016年からはこの上限が120万円に引き上げられています。非課税枠が拡大されたことで、投資額が膨らんだようです。

• ※日本証券業協会の発表データより、SBI証券が作成

• ※当社WEBサイトを通じてSBI証券が作成

少額投資非課税制度（NISA）で非課税になるのは、株式投資では、インカムゲインである配当金とキャピタルゲインである売却益の両方です。今回、NISA買い付け候補銘柄として選定するために、インカムゲインを期待した「高配当」狙いとキャピタルゲインを期待した「高成長」（企業成長とともに値上がり益を期待）を切り口に、銘柄の選定条件を考えてみました。

インカムゲインに注目した投資となるので、安定性を重視し、東証1部、時価総額1,000億円以上の銘柄に限定しました。

• 今期予想配当利回りが3.5％以上であること
• 東証1部上場銘柄
• 時価総額1,000億円以上
• 来期減配見通しでないこと
• 金融業界は除く

この条件で選定したのが、表1　の15銘柄です。

投資手法としては、出来る限り銘柄を分散させ、可能であれば業種も分散させての買いがオススメです。

取引	チャート	コード	銘柄名	2/17 終値	業種	時価総額 （億円）	予想 配当利回り （％）	予想 配当
		8031	三井物産	1,294	総合商社	23,247	4.95	64
		7751	キヤノン	3,206	OA機器・部品	42,760	4.68	150
		9810	日鉄住金物産	325	鉄鋼販売	1,006	4.62	15
		8053	住友商事	1,095	総合商社	13,688	4.57	50
		7201	日産自動車	980	自動車	44,289	4.29	42
		5002	昭和シェル石油	917	石油精製	3,456	4.14	38
		5012	東燃ゼネラル石油	929	石油精製	5,251	4.09	38
		7012	川崎重工業	303	重機	5,063	3.96	12
		7270	富士重工業	3,676	自動車	28,778	3.92	144
		7272	ヤマハ発動機	1,794	2輪車	6,277	3.9	70
		8136	サンリオ	2,049	アニメ制作・版権	1,825	3.9	80
		8219	青山商事	4,085	紳士服小売り	2,263	3.79	155
		5020	JXホールディング	435	石油精製	10,843	3.68	16
		8001	伊藤忠商事	1,363	総合商社	22,665	3.67	50
		6417	SANKYO	4,105	パチンコ・パチスロ	3,678	3.65	150

• ※当社スクリーニングツールを用いてSBI証券が作成。予想配当は、東洋経済新報社予想。

キャピタルゲインに注目した投資となるので、2年連続20％以上の増収・増益で、極端に割高な銘柄を除いて銘柄を選定しました。

• 今期売上高が20％以上の増収見込みであること
• 来期売上高が20％以上の増収見込みであること
• 今期経常利益が20％以上の増益見込みであること
• 来期経常利益が20％以上の増益見込みであること
• 今期予想PERが50倍以下であること

この条件で選定したのが、表2　の15銘柄です。

投資手法としては、成長性に着目しての投資であるため、個別銘柄を良く吟味することを前提条件にすれば、集中投資でもよいと思います。また、成長力が鈍化してきた場合は、売却するなど機敏な対応が必要です。

取引	コード	銘柄名	2/17 終値	市場	業種	今期 増収率	来期 増収率	今期 経常 増益率	来期 経常 増益率	時価 総額 （億円）	今期 予想 PER （倍）
	2928	健康コーポ	633	札幌	健康食品	53.5	33.3	140.5	49.6	785	26.5
	3237	イントランス	199	東M	投資ファンド向けビル・施設販売	27.9	35.8	20.9	50.0	71	8.2
	3657	ポールトゥウィンH	945	東1	ゲームソフト・玩具	24.0	20.2	30.4	20.0	176	12.2
	3674	オークファン	600	東M	各種Webサイト	39.4	33.3	45.4	152.0	58	24.7
	3678	メディアドゥ	1,201	東M	コンテンツ配信	42.4	30.4	45.3	41.7	111	32.9
	3726	フォーシーズHLD	306	東2	通販	72.8	22.0	29.9	45.0	21	23.7
	6047	Gunosy	437	東M	各種Webサイト	31.1	20.5	168.0	122.0	94	26.7
	6055	ジャパンマテリアル	2,213	東1	半導体・FPD製造装置	47.5	31.4	38.5	31.6	372	16.3
	6058	ベクトル	2,191	東1	PR・販売促進	26.2	25.7	38.3	34.2	320	36.2
	6089	ウィルグループ	843	東1	人材派遣・請負	24.9	20.4	31.6	20.0	79	11.8
	6185	ソネットメディアN	2,230	東M	ネット広告	45.2	20.6	42.0	45.8	60	27.4
	7844	マーベラス	818	東1	映像・音楽・CM制作	32.4	30.0	30.9	30.0	435	10.7
	7865	ピープル	1,987	JS	ゲームソフト・玩具	31.9	20.4	90.9	47.6	85	22.1
	8925	アルデプロ	101	東2	投資ファンド向け住宅販売	131.0	29.6	184.0	32.1	232	4.7
	9957	バイテックHLD	958	東1	電子機器・部品販売	24.7	21.6	24.5	52.0	136	8.1

• ※東洋経済および当社スクリーニングツールを用いてSBI証券が作成。増益率は東洋経済の予想。

上記の　「高配当」「高成長」の2つのNISA買い付け候補銘柄の中から、業種分散などを考慮して、6銘柄ずつを投資金額が120万円の2016年のNISA枠に収まるように、2つのポートフォリオを作成しました。

取引	チャート	コード	銘柄名	2/17終値	業種	株数	想定購入金額
		8031	三井物産	1,294	総合商社	200	258,800
		7201	日産自動車	979.7	自動車	200	195,940
		5002	昭和シェル石油	917	石油精製	200	183,400
		7012	川崎重工業	303	重機	500	151,500
		7272	ヤマハ発動機	1,794	2輪車	100	179,400
		8136	サンリオ	2,049	アニメ制作・版権	100	204,900
合計							1,173,940

取引	チャート	コード	銘柄名	2/17終値	市場	業種	株数	想定 購入金額
		2928	健康コーポ	633	札幌	健康食品	300	189,900
		3674	オークファン	600	東M	各種Webサイト	300	180,000
		6055	ジャパンマテリアル	2,213	東1	半導体・FPD製造装置	100	221,300
		6089	ウィルグループ	843	東1	人材派遣・請負	200	168,600
		8925	アルデプロ	101	東2	投資ファンド向け住宅販売	1,800	181,800
		9957	バイテックHLD	958	東1	電子機器・部品販売	200	191,600
合計								1,133,200