米国株保有人数ランキング(当社内、2019/9/30(月)時点)上位30社のうち、現地10/25(金)〜10/31(木)に決算発表を行った以下の企業についての速報をお伝えします。
・AT&T(T)
・アップル(AAPL)
・アルファベット A (GOOGL)
・アルトリア グループ(MO)
・フェイスブック A(FB)
・ベライゾン コミュニケーションズ(VZ)
・ファイザー(PFE)
・ロイヤル ダッチ シェル ADR B(RDSB)
・ゼネラル エレクトリック(GE)
今回はAT&T(T)やゼネラル エレクトリック(GE) 、フェイスブック(FB)などが好決算を発表しています。
AT&T(T) 10/28寄り前発表 当日:+4.28% |
【アクティビスト(物言う投資家)の主張に対応する、3カ年計画を発表】 ・アクティビストとして知られるエリオット・マネジメントによる事業見直しの声に対応し、「取締役会の定員を2人追加し、会長とCEO職の切り離しを今後行っていく」としたほか、「大型の買収をしばらくは行わない」、「キャッシュフロー配当性向を高める」、「債務の削減を行う」、「2020/12期にはEPSを4.50〜4.80ドルの水準に引き上げることにコミットする(市場予想3.39ドル)」などとした「3カ年計画」を発表しました。 ・エリオット・マネジメントはこの計画に対する支持を発表しています。 ・2019/12通期については、調整後EPSが3.60〜3.70ドルになると予想(市場予想3.62ドル)しています。 ・携帯電話サービスの契約者数は-21.7万人となり、市場予想の-6万人を下回りました。また、テレビサービスの加入者も100万人を超える純減となりました。 ・2020年春にサービス開始予定の動画ストリーミングサービス「HBO Max」について、詳細を29日に発表するとしています。 ・Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均は37.95ドル(10/31時点) |
アップル(AAPL) 10/30引け後発表 時間外取引:+2.01% |
【年末商戦シーズンを含む10-12月の売上高見通しが好調】 ・10-12月期の売上高見通しは855億〜895億ドルとなり、中央値は市場予想の865.1億ドルを上回りました。年末商戦シーズンの売上高見通しが市場予想を上回ったことで、「iPhone」の販売減速を巡る市場の懸念が薄らいだ模様です。 ・7-9月期のサービス部門の売上高は125.1億ドルとなり、市場予想の121.6億ドルを上回りました。 ・「iPhone」の売上高は333.6億ドルとなり、前年同期の367.6億ドルを下回っています。 ・経営陣のコメントでは、以下のようなものがありました。 ・Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均は247.23ドル(10/31時点) |
アルファベット A (GOOGL) 10/28引け後発表 時間外取引:-1.47% |
【当局との和解費用や保有株式の評価損、クラウド関連のコストなどでEPSは市場予想を下回った】 広告クリック数は+18%(市場予想+32%) ×市場予想を下回った ・「その他売上高」が前年の46.4億ドルから64.3億ドルへと上昇していることから、スマートフォン「Pixelシリーズ」を含むハードウェア関連の売上が伸びた可能性があります。 ・経営陣のコメントでは、以下のようなものがありました。 ・Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均は1435.54ドル(10/31時点) |
アルトリア グループ(MO) 10/31寄り前発表 当日:-2.55% |
【電子たばこを手がけるジュール・ラブズへの投資に関連し、45億ドルの評価損を計上】 ・一時損益を除く調整後EPSは市場予想を上回ったものの、米国などで電子たばこへの規制強化の動きが広がる中で、投資を行っているジュール・ラブズの株式評価額を修正し、45億ドルの評価損を計上しました。これにより7-9月期は最終損益が前年同期の19.4億ドルのプラスから、26.0億ドルのマイナスへと赤字に転落してしまいました。 ・従来の紙たばこの販売が低迷するなかで、アルトリアは昨年ジュール・ラブズの株式の35%を128億ドルで取得しましたが、これが裏目に出た形です。 ・米国内のたばこ出荷本数は-6.6%となり、前年同期の-3.7%から悪化しています。 ・経営陣のコメントでは、以下のようなものがありました。 ・Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均は51.47ドル(10/31時点) |
フェイスブック A(FB) 10/30引け後発表 時間外取引:+4.41% |
【規制当局からの調査などがあっても、広告収入は堅調であることが示された】 ・月間アクティブユーザー数(MAU)は24.5億人となり、市場予想(24.5億人)通りの結果となりました。 ・個人情報流出問題や規制当局による調査などの影響が懸念されるなかで、ユーザー数が約3,500万人ほど増加し、広告収入の伸びが堅調だったことなどが好感されたようです。 ・経営陣のコメントでは、以下のようなものがありました。 ・Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均は234.20ドル(10/31時点) |
ベライゾン コミュニケーションズ(VZ) 10/25寄り前発表 当日:-0.35% |
【5Gの展開を進める中で、EPSとワイヤレス契約者数が市場予想を上回った】 ・ワイヤレスサービスの契約者数は+60.1万人となり、市場予想の+53.6万人を上回りました。 ・経営陣のコメントでは、以下のようなものがありました。 ・Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均は61.55ドル(10/31時点) |
ファイザー(PFE) 10/29寄り前発表 当日:+2.49% |
【7-9月期の調整後EPS・売上高が市場予想を上回り、通期業績見通しも引き上げられた】 ・2019/12期の通期売上高見通しを従来予想の505億〜525億ドルから512億〜522億ドルへと引き上げました(市場予想514.3億ドル)。 ・ジェネリック医薬品(後発医薬品)を手がけるマイラン(MYL)に特許切れ医薬品事業を統合させる計画について、一部の投資家の間でやや疑問視されていたようですが、今回の決算発表で不透明感が薄れた模様です。 ・疼痛治療薬「リリカ」の特許が6月末に切れたことが全体の売上高を押し下げる要因となりましたが、乳がん治療薬の「イブランス」、血栓塞栓症治療薬「エリキュース」が好調でバイオ医薬品部門の売上高は前年同期比+7%となりました。 ・経営陣のコメントでは、以下のようなものがありました。 ・Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均は42.23ドル(10/31時点) |
ロイヤル ダッチ シェル ADR B(RDSB) 10/31寄り前発表 当日:-3.88% |
【精製部門が好調でEPSは市場予想を上回ったが、今後の見通しは慎重】 ・原油や天然ガスの価格が下落したことが重しとなったものの、精製部門が好調で、調整後EPSが市場予想を上回りました。 ・ベン・ファン・ブールデンCEOが今後の景気動向に慎重な見方を示し、債務の削減や自社株買いのペースが減速する可能性に言及したことで、株価は下落しました。 ・経営陣のコメントでは、上記のほかに以下のようなものがありました。 ・Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均は80.20ドル(10/31時点) |
ゼネラル エレクトリック(GE) 10/30寄り前発表 当日:+11.47% |
【通期キャッシュフロー見通しが引き上げられ、事業再編への不透明感が薄れた】 ・GEは主力のインダストリアル事業について、フリーキャッシュフローの見通しを従来予想の-10億〜10億ドルから0〜20億ドルへと引き上げました。 ・史上最大規模の証券詐欺「マドフ事件」を指摘していた実績で知られるハリー・マルコポロス氏が、「GEはエンロンやワールドコムよりも大きな不正会計をしている」と指摘して以降の初めての決算発表となりましたが、今回の決算の結果は、そうした指摘を受けて根強く残っていた疑問の声を払拭する可能性があるとの声も、市場関係者の間では出ているようです。 ・ボーイング737MAXの運航停止などの影響で、ジェットエンジン事業は軟調となりました。 ・経営陣のコメントでは、以下のようなものがありました。 ・Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均は10.52ドル(10/31時点) |
※Bloombergのデータ、各種報道を基にSBI証券が作成