決算速報(現地1/29寄り前発表)
●決算発表当日の終値:322.02ドル(+1.72%)
●売上高:179.1億ドル(予想217.4億ドル)×市場予想を下回った
●調整後EPS:-2.33ドル(予想1.32ドル)×市場予想よりも悪い結果
2019年は1997年以来、約20年ぶりの通期赤字決算となりましたが、運航を停止している「737MAX」関連の費用見通しが一部で恐れられていたよりも良好だったことや、10-12月期のキャッシュフローのマイナス幅が市場予想よりも良好だったことなどを受け、株価は上昇しました。
決算発表当日を含む、過去1年間のチャート
※出所:トムソン・ロイター(現地1月29日までの過去1年間、移動平均線は52週)
決算のポイント
●運航停止されている「737MAX」を巡る総費用は180億ドルを超える見通しとなりました。
●引き続き「737MAX」の動向が業績に大きな影響を与える見通しとしています。
●10-12月期のフリーキャッシュフローは-26.7億ドルとなりましたが、市場予想の-38.7億ドルよりは良好な結果となりました。
●「787ドリームライナー」の生産は今年下半期に月産14機から月産12機へと減らす予定となっていましたが、2021年にはさらに月産10機へと減らす予定としています。ただ、2023年には月産12機へと戻す予定とのことです。
●開発中の新型宇宙船「スターライナー」が直近国際宇宙ステーション(ISS)とのドッキング実験に失敗したことで、追加実験の可能性を想定し、4.1億ドルの引き当ても行っています。
経営陣の主なコメント
●安全を確保した上で「737MAX」の運航を再開し、信頼を取り戻していきたい。
●「737MAX」の生産再開は緩やかなペースとなるだろう。
●「737MAX」の運航再開が予定通り進めば、配当は影響を受けない。ただ、現時点で長期的な確約はできない。
●自社株買いは現在停止しており、流動性の確保にあらゆる手段を用いる。
●「この航空機はピエロが設計し、サルが監督している」といった社内文章は「とても恥ずかしく」思う。
決算を受けたマーケットの反応
一部で恐れられていたよりも「737MAX」に関連した損失が膨らまなかったことを受け、株価は上昇したようです。
しかしながら、今後の運航再開については不透明感がつきまとい、配当や資金繰りについても懸念が残ることから、引き続き上値の重い展開が続くかもしれません。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:345.65ドル(1/29時点)