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決算速報(現地1/30引け後発表)
●決算発表後の時間外取引(日本時間10:00時点):2053.00ドル(+9.75%)
●売上高:874.4億ドル(予想861.7億ドル)〇市場予想を上回った
●EPS:6.47ドル(予想4.11ドル)〇市場予想を上回った
売上高とEPSが市場予想を上回り、米国での展開が遅れていた「翌日配送サービス」を推進しサービスを拡充するなかでも利益を出せることが示され、株価は時間外取引で大幅高となっています。また、それに伴い時間外取引の株価ベースで、時価総額が1兆ドルを回復しています。
決算発表直前までの、過去1年間のチャート
※出所:トムソン・ロイター(現地1月30日までの過去1年間、移動平均線は52週)
決算のポイント
●前回の決算発表では、米国の国土が広大なことなどにより同国で展開が遅れていた「翌日配送サービス」の提供地域を拡大したことが収益性を悪化させEPSが市場予想を下回りましたが、今回の決算ではそうした投資を行いながらも利益を上げられることが示されました。
●10-12月期の「AWS」純売上高は99.5億ドル(前年同期比+34%)となり、市場予想の98.9億ドルを上回りました。
●1-3月期の売上高見通しは690億〜730億ドルとし、中央値は市場予想の715.6億ドルを下回りました。
●「プライム会員」の会員数が1.5億人を超えました(2018年4月の発表では1億人以上とされていました)。
経営陣の主なコメント
●「翌日配送サービス」は「フルフィルメント by Amazon(FBA、アマゾン出品サービス)」の需要を押し上げた。
●「翌日配送サービス」のコストは、今後米国外で同サービスを展開するにつれて、米国外で発生する。
●「AWS」についてはまだ「複数年のリード」があり、サービスや容量など、そうしたことへの投資により優位性がある。
●データセンターの運営を効率化し、サーバーの寿命を延ばした。これまでは耐用年数を3年としていたが、これを4年とした。
決算を受けたマーケットの反応
「翌日配送サービス」などへの投資により、「またしばらくアマゾンは利益をあまり生まない企業になるのではないか」という懸念が広がっていましたが、そうした懸念が払しょくされる形で、株価は大幅高となりました。
また、「プライム会員」の会員数の伸びも非常に高く、これほどの規模に成長した今でも、同社の成長性が損なわれていないことが示唆されています。ほぼ非の打ち所がない決算といえ、改めてアマゾンを評価する声が広まるかもしれません。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:2225.48ドル(1/30時点)