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決算速報(現地2/25引け後発表)
●決算発表後の時間外取引(日本時間10:00時点):176.83ドル(-2.45%)
●売上高:48.5億ドル(予想47.5億ドル)〇市場予想を上回った
●調整後EPS:0.66ドル(予想0.56ドル)〇市場予想を上回った
11-1月期の業績や2021/1期の通期業績見通しは市場予想を上回る好調なものとなりましたが、キース・ブロック共同CEOが退任するとの発表を受け、引け後の時間外取引で株価は下落しています。
決算発表直前までの、過去1年間のチャート
※出所:トムソン・ロイター(現地2月25日までの過去1年間、移動平均線は52週)
決算のポイント
●11-1月期の売上高・調整後EPSの両方が市場予想を上回りました。
●2021/1期の通期売上高見通しは従来予想の208億〜209億ドルから210億〜211億ドルへと引き上げられ、市場予想の209.3億ドルを上回りました。
●2021/1期の通期調整後EPS見通しは3.16〜3.18ドルとなり、市場予想の3.13ドルを上回りました。
●キース・ブロック共同CEOが退任し、創業者のマーク・ベニオフ氏が単独のCEOとなります。
●ブロック氏はベニオフ氏のアドバイザーとして残るとのことです。
●英通信大手BTグループのCEOを務めた経験があるギャビン・パターソン氏が「セールスフォース・インターナショナル」の社長兼CEOとなり、米国以外を統括するとのことです。
●セールスフォースのクラウド上で動作するソフトウェアを開発するVlocity社を13.3億ドルで買収すると発表しています。
経営陣の主なコメント
●11-1月期や2020/1期の通期業績は「目を見張るような」素晴らしいものだった。
●ブロック氏は「人生の新たなステージ」へと移る準備ができたということだけで、彼は引き続き私(ベニオフ氏)のアドバイザーとなる。
●新型コロナウイルスは当社の一部顧客に深刻な影響を与えているものの、全体としてはまだ影響は顕在化していない。
●目先のところ、大きな買収を行う予定はない。
決算を受けたマーケットの反応
マーケットは11-1月期の業績や2021/1期の通期業績見通しが好調だったことよりも、共同CEOのキース・ブロック氏の退任を嫌気しているようです。
一部アナリストによると今回退任するブロック氏は「過去7年間の成功における中核的な存在」だったとのことで、経営に「真空地帯」が生じる懸念があるとのコメントを出しています。もっとも、マーク・ベニオフCEOが引き続き健在であることや、足元の業績が非常に堅調で、今後1年間の業績見通しも堅調であることなどから、それほど悲観する必要はないのかもしれません。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:202.95ドル(2/25時点)