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2024-04-20 21:51:36

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アメリカNOW! 今週の5銘柄 〜新型コロナウイルスによる経済・金融のリスクに対して政策を総動員〜

2020/3/16
投資情報部 榮 聡

先週は原油価格の急落、新型コロナウイルスのパンデミック宣言、欧州からの渡航制限、国家緊急事態宣言などの材料が絡み合って毎日4%を超える乱高下が続きました。今週は週末に発表されたFRBによる緊急利下げおよび資産買い入れなどに対する市場の反応に加え、引き続き欧米での新型コロナウイルスの動向が注目されます。

今回は相場の下落局面で値上がり率が小さかった銘柄から、メルク(MRK)コストコ ホールセール(COST)ユナイテッドヘルス グループ(UNH)ネットフリックス(NFLX)プロクター&ギャンブル(PG)を選んで今週の5銘柄といたします

図表1 S&P500指数のローソク足(週足、2年)

※当社WEBサイトを通じてSBI証券が作成

図表2 業種別指数騰落率・個別銘柄騰落率

S&P500業種指数騰落 1週 1ヵ月 3ヵ月
情報技術 -5.2% -17.4% -6.6%
ヘルスケア -6.7% -12.9% -10.4%
通信サービス -6.7% -17.7% -12.5%
生活必需品 -7.9% -12.5% -9.5%
不動産 -8.6% -16.0% -6.6%
S&P500 -8.8% -19.8% -15.1%
金融 -9.8% -26.2% -25.2%
一般消費財・サービス -10.5% -22.0% -15.9%
資本財・サービス -13.1% -25.8% -22.9%
素材 -13.2% -23.5% -23.3%
公益事業 -14.3% -18.5% -10.3%
エネルギー -24.3% -41.1% -46.1%
騰落率上位(1週) 騰落率
オラクル 1.2%
ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS) 0.2%
アボットラボラトリーズ -0.1%
アドビ -0.4%
ペイパル・ホールディングス -0.7%
騰落率下位(1週) 騰落率
オキシデンタル・ペトロリアム -46.9%
ボーイング -35.1%
Dow Inc -34.1%
シュルンベルジェ -32.2%
コノコフィリップス -30.8%

注:個別銘柄の騰落率上位、下位はS&P100指数が母集団です。銘柄名はBloombergの表記により、当社WEBサイト・本文中の表記と異なる場合があります。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

先週の米国株式市場

S&P500指数は9日(月)に原油価格の2割を超える下落を受けて7.6%安、10日(火)はトランプ大統領が言及した給与税減税など経済対策への期待で4.9%高、11日(水)は経済対策への期待が後退し、WHOによるパンデミック宣言を嫌気して4.9%安となりました。

12日(木)はトランプ大統領が欧州からの30日間の渡航制限が発表された一方、経済対策には新味がなく失望され9.5%下落、13日(金)は国家非常事態が宣言されて約500億ドルの連邦政府の支援金提供が可能になったことが好感されて9.3%上昇しています。S&P500指数は週間で8.8%の大幅下落でした。

WSJ紙によると、NYダウ指数ベースで高値から20%下落するまでの期間は19営業日(2/12(水)〜3/11(水))と1980年以降で最速、2番目の記録となる1987年のブラックマンデーでも38営業日かかりました。1980年以前では1931年に15営業日との記録がありますが、市場参加者の誰も経験したことのない下落相場と言えます。

業種指数騰落率は全面安ですが、「情報技術」「ヘルスケア」「通信サービス」など成長企業を多く含む業種の下げが相対的に小さくなっていると言えそうです。原油価格の急落を受けて「エネルギー」の下げが大きくなっています。

個別では、3/12(木)に四半期決算を発表し、売上・EPSとも市場予想を上回る増収増益となったオラクル(ORCL)が3/13(金)に20%上昇しています。

今週の米国株式市場

今週も新型コロナウイルスの感染拡大の行方に加え、中国の経済指標の発表などが注目されます。また、3/20(金)にトリプルウィッチング(株価指数先物、株価指数オプション、個別株オプションの取引期限満了日が重なる日)を迎えることは相場が荒れているときだけに要注意でしょう。

3/15(日)にはFRB(米連邦準備制度理事会)が1.0%ポイントの緊急利下げとともに今後数週間で7,000億ドルの資産買い入れを行うと発表しています。これに対する3/16(月)の市場の反応が注目されます。

新型コロナウイルスの感染拡大の中心は欧州に移り、3/15(日)の新規感染者数は8,000人超と4,000人程度であった中国のピーク時を超えています。欧州での感染の中心となっているイタリアでは、必要な治療行為が受けられない人が出ているとされ、死者数が100人を超える日が5日続くなど懸念が高まっています。

新型コロナウイルスによる経済への影響は「一時的ショック」であると考えられ、「世界経済は回復基調にある」との経路を変えるものではないとみられます。ただ、ショックもあまり大きくなると経済の基調に影響を与える可能性があるため、米国の国家非常事態宣言とFRBによる緊急利下げ、資産買い入れはこれを防ぐ目的と考えられます。

3/16(月)に発表された中国の経済指標は、1・2月合計の鉱工業生産が前年比13.5%減(市場予想は同3.0%減)、小売売上高が同20.5%減(市場予想は同4.0%減)と、市場予想を上回る大きな減少となりました。

ただ、中国では新型コロナウイルスの抑え込みに成功しつつあるため、さほどネガティブに捉えられないとみられます。新型コロナウイルスの影響を反映する最初の鉱工業生産、小売売上高として、他国でのインパクトを推定するうえでも参考となるでしょう。

S&P500指数の予想PERは、3/13(金)の株価反発で15.9倍まで戻していますが、3/12(木)には14.5倍まで低下していました。S&P500指数の場合、15倍〜17倍が割高でも割安でもない中庸な水準とみられます。

また、図表3は20年の予想EPSに対する予想PERによりますが、FactSet社の集計による先行き12ヵ月の予想PERも、3/12(木)に14.0倍と過去10年の平均である15.0倍を下回ったとしています。

新型コロナウイルスによる経済の落ち込みを受けて今期の予想EPSはこれから下方修正される見込みですが、ショックが一時的であれば、来期のEPSに対するPERは割安圏に入ったと考えてよさそうです。

経済指標では、上記のほか3/17(火)に米国の2月小売売上高(前月比0.2%増の予想)、3/18(水)に米国の2月住宅着工・建設許可件数(着工件数は前月比4.3%減、建設許可件数は同3.6%減の予想)、3/20(金)に米国の2月中古住宅販売件数(前月比1.7%増の予想)などの発表が予定されています。

企業決算では、フェデックス、ゼネラルミルズ、アクセンチュア、クラウドストライク、レナーなどの発表が予定されています。

今週の5銘柄

株価の調整幅は十分でているとみられますが、欧米で新型コロナウイルスが収束に向かうまでなかなか本格的な上昇に向かうのは難しいと考え、今回は相場の下落局面で値上がり率が小さかった銘柄をご紹介いたします。S&P100指数を対象に、3/12(木)のデータを用いて以下の条件で抽出しています。

【スクリーニング条件】
(1)過去1ヵ月の株価騰落率がマイナス20%以上(S&P500指数はマイナス27%)。
(2)過去3ヵ月の予想EPS修正率がマイナスでない。
(3)今期業績が増収増益見通し。

ここからメルク(MRK)コストコ ホールセール(COST)ユナイテッドヘルス グループ(UNH)ネットフリックス(NFLX)プロクター&ギャンブル(PG)を選んでご紹介いたします。

なお、この期間で唯一株価が上昇したギリアド サイエンス(GILD)は、直近の決算を受けてEPSが下方修正されたため、スクリーニングからもれています。株価が逆行高となったのは、新型コロナウイルスの治療薬として同社が治験を進めている抗ウイルス薬「レムデシビル」が有望との見方があるためです。

同社はHIV治療薬とC型肝炎治療薬が主力で、いずれもウイルス性の病気に対応する薬であることから、素質としても期待されやすい企業と考えられます。

図表3 S&P500指数の予想PER推移

注:月次データで、20年3月は3/13(金)の値です。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表4 過去1ヵ月の値下がりが小さい銘柄群(S&P100指数対象)

コード 銘柄 株価
(3/12)
(ドル)
予想
PER
(倍)
株価騰落
(1ヵ月)
(%)
EPS
修正率
(1ヵ月)
(%)
アナリスト
目標株価
平均
(ドル)
予想
配当
利回り
(%)
MRK メルク 74.45 13.0 -9.2 1.5 97.61 3.2
LLY イーライリリー 126.02 18.5 -11.1 0.6 148.29 2.3
COST コストコホールセール 279.85 32.2 -12.1 0.2 321.76 1.0
UNH ユナイテッドヘルス・グループ 250.41 15.2 -17.1 0.0 335.96 1.9
NFLX ネットフリックス 315.25 47.1 -17.3 4.4 369.81 0.0
ABBV アッウ゛ィ 78.61 8.1 -17.6 0.6 98.62 6.1
T AT&T 31.33 8.6 -18.2 0.3 40.02 6.7
PG プロクター・アンド・ギャンブル 101.84 20.5 -18.5 1.0 128.55 2.9
DUK デューク・エナジー 80.48 15.5 -19.6 1.2 105.47 4.8

※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

今週の注目銘柄

買付 チャート 銘柄 株価
(3/13)
予想PER
(倍)
ポイント
買付チャートメルク(MRK)76.75ドル13.4

【がん免疫治療薬で成長】

・がん免疫治療薬「キイトルーダ」による業績拡大が期待されている企業です。医薬品メーカーは、現在のような景気の下振れが懸念されている相場環境ではディフェンシブとして物色されやすいと考えられます。また、民主党の予備選で保険制度の改革を唱えるサンダース氏が指名を受ける可能性が後退したことも株価にプラスに作用しているとみられます。

・「キイトルーダ」の売上は、19年実績の111億ドルから、20年141億ドル、21年164億ドルと増加の見通しです。19年10-12月期の業績は「キイトルーダ」の売上増がけん引して前年同期比8%増、調整後EPSは12%増と堅調です。「キイトルーダ」は前年同期比45%伸びて、売上の4分の1を占めるまでになっています。

買付チャートコストコ ホールセール(COST)302.27ドル34.7

【食品を中心とする小売でディフェンシブ】

・米国および海外でホールセールクラブのチェーンを展開しています。食品および日用品が主体のため、事業はデフィフェンシブな性格をもち、現在のような相場環境では物色されやすいと考えられます。価格の安さとともに顧客を飽きさせない巧みなマーチャンダイジングによって顧客の固い支持を獲得しています。

・3/5(木)に発表された19年12月-20年2月期は、既存店売上が前年同期比7.9%増と、市場予想の同5.7%増を大きく上回り好調でした。米国の既存店売上が同8.1%増となったほか、eコマースが同28%増と伸びています。

買付チャートユナイテッドヘルス グループ(UNH)272.04ドル16.5

【民主党予備選でサンダース氏が後退して安心感】

・医療保険のサービスを提供する米国最大手で、民主党の予備選で国民皆保険を政策して掲げるサンダース氏が指名される可能性が後退したことから、安心感が広がっているとみられます。安定成長を遂げている優良企業ですが、保険制度が変わることによる事業環境の激変リスクが意識されていました。事業内容はディフェンシブであり、現在のような相場環境では買われやすい銘柄と考えられます。

・19年10-12月期は、売上が前年同期比8%増、営業利益が同14%増と業績拡大が続いています。医療保険関連のサービスを展開するユナイテッドヘルスケア事業、ヘルスケア関連のITサービスを提供するオプタム事業とも増収増益で営業利益率も改善して堅調です。

買付チャートネットフリックス(NFLX)336.30ドル50.3

【巣ごもり消費から恩恵の可能性】

・インターネットTVの世界最大手です。新型コロナウイルスで消費者が「巣ごもり消費」する場合に、最も恩恵が大きい企業の一つと言えそうです。定額見放題のサービスのため、既存加入者が視聴頻度をあげても売上は変化しませんが、新規加入者数にはポジティブな影響が出ると期待されます。

・同社の株価は「Disney+」や「アップルTV」との競合が懸念されて昨年央にかけて調整しましたが、これら競合サービスが実際に開始されるにつれて回復基調となっています。10-12月期決算では、米国とカナダの新規加入者数が55万人と市場予想の61万人を下回ったものの、海外の新規加入者数は833万人と市場予想の720万人を大きく上回りました。また、業績も市場予想を上回って好調です。

買付チャートプロクター & ギャンブル(PG)114.07ドル23.0

【ディフェンシブ性に加え、シェア拡大が注目される】

・注目点は、オーガニック成長(為替や事業買収・売却の影響を除いた成長)が緩やかながらも改善基調にあり、また、これが幅広い部門にわたる数量面の改善に支えられている点です。20年はこのような事業基調の改善が、ドル高による売上目減りの緩和、新興国経済の改善などによって業績回復が顕著になると期待されます。

・19年10-12月期は、オーガニック売上成長率が前年同期比5%増で19年7-9月期の同7%増から鈍化したものの、高水準が維持されました。8%増となったビューティ、同7%増となったヘルスケアなどがけん引しています。20年6月期の売上見通しを前年比3〜5%増から4〜5%増へ引き上げています。

注:予想PERはBloomberg集計のコンセンサス予想EPSによります。コストコホールセールは20年8月期、プロクター&ギャンブルは20年6月期、その他は20年12月期です。
※会社資料、BloombergデータをもとにSBI証券が作成

主要イベントの予定

  経済指標・イベント 企業決算・イベント
16(月) ・日本機械受注(1月)
・中国鉱工業生産・小売売上高・固定資産投資(2月)
・中国調査失業率(2月)
・中国新築住宅価格(2月)
・ニューヨーク連銀製造業景気指数(3月)
 
17(火) ・日本鉱工業生産(1月、確報値)
・ドイツZEW景気指数(3月)
・米民主党予備選挙・党員集会(フロリダ、イリノイ、オハイオなど4州)
・米小売売上高(2月)

・米鉱工業生産(2月)
・米求人労働異動調査(1月)
・米NAHB住宅市場指数(3月)
フェデックス
18(水) ・日本貿易統計(2月)
・EU27ヵ国新車登録台数(2月)
・ユーロ圏消費者物価指数(2月)
・米住宅着工・建設許可件数(2月)
・米FOMC政策金利
ゼネラルミルズ
19(木) ・日銀金融政策
・米フィラデルフィア連銀景気指数(3月)
アクセンチュア、クラウドストライク、レナー、シンタス
20(金) ・米先物・オプションの取引期限満了日
・米中古住宅販売件数(2月)
 
23(月) ・シカゴ連銀全米活動指数(2月)
・ユーロ圏消費者信頼感(3月)
ティファニー(E)
24(火) ・日本じぶん銀行製造業PMI(3月)
・ユーロ圏マークイット製造業PMI(3月)
・米新築住宅販売件数(2月)
ナイキ
25(水) ・ドイツIFO企業景況感(3月)
・米耐久財受注(2月)
マイクロンテクノロジー
26(木) ・EU首脳会議(ブリュッセル、27日まで)
・米実質GDP(10-12月期、確報値)
カニバル(E)
27(金) ・中国工業部門利益(2月)
・米個人所得・個人支出(2月)
・米PCEコアデフレータ(2月)
・ミシガン大学消費者マインド(3月、確報値)
 

注:日付は現地時間によります。(E)はBloombergによる予想を示します。企業決算の赤字でのハイライトは、当社顧客保有人数の1〜30位、青字のハイライトは31〜50位を示します。
※Bloombergデータ、各種報道をもとにSBI証券が作成

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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  • 本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。万一、本資料に基づいてお客さまが損害を被ったとしても当社及び情報発信元は一切その責任を負うものではありません。本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製又は販売等を行うことは固く禁じます。
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