今週はネットフリックスやインテルなどが決算発表を予定しています！

これまでに決算発表を行ったS&P500指数構成銘柄47社の動向をみると、売上高が市場予想を上回った企業は31社（66.0%）、調整後EPS（1株当たり利益）が市場予想を上回った企業は31社（66.0%）となっています（4/19時点、Bloombergのデータより、SBI証券調べ）。当社売買代金ランキング上位銘柄（2019/10/1〜2020/3/31）のうち、今週決算発表を予定しているのは以下の銘柄です。

コカ-コーラ（KO）：4/21 寄り前
直近の決算では無糖の「コカ・コーラ・ゼロシュガー」や、コーヒー、フレーバーウォーター、スムージーなどの非炭酸清涼飲料商品の販売が好調となっていましたが、新型コロナの感染が拡大するなかで、こうしたトレンドにどのような影響が出ているのかに注目したいと思います。

一部アナリストからは「巣ごもりによるプラスの影響もあるが、世界的な景気後退から受ける影響を考えると、新型コロナの影響は良くて中立」との声も出ています。

ネットフリックス（NFLX）：4/21 引け後
新型コロナの感染拡大を受け各国で外出制限が広がるなか、ネットフリックスのような動画配信サービスへの需要が高まるとの期待から、株価は4月に入り史上最高値を更新しています。一部アナリストによると、1-3月期のユーザー数は約960万人の増加となり、会社ガイダンスを約37%上回る可能性があるとのコメントも出ています。

もっとも、過去1年ほどはユーザー数の伸び悩みや他の動画配信サービスとの競争激化などが懸念され上値の重い展開が続いていたことを考えると、市場の期待値が既に高まっているなか、決算発表でこうした高い期待に応える良好な数字が示されるかについては注意が必要かもしれません。

AT&T（T）：4/22 寄り前
新型コロナの感染が拡大するなか、通信大手各社についてはディフェンシブな銘柄の1つとして注目が集まっていますが、競合の米通信大手ベライゾン コミュニケーションズ（VZ）と比較すると、AT&Tは比較的株価の戻りが遅い状況となっています。

その理由としては、経営の多角化を進めてきたAT&Tは広告事業やコンテンツ制作、テレビ事業などの売上が全体に占める割合が高く、新型コロナの影響を受けにくいとされるワイヤレスサービスの売上は2019年度で全体の約31%と、ベライゾン コミュニケーションズ（VZ）の約68%よりも低いということなどが挙げられます。決算発表で、新型コロナが同社の業績にどのような影響を与えているかが示されるか、注目したいと思います。

また、動画配信サービスの「HBO Max」については「まず間違いなく5月に開始する」という経営陣のコメントが4月初旬ごろ報じられていましたが、同サービスの開始時期に変更はないのかということにも注目が集まりそうです。

インテル（INTC）：4/23 引け後
新型コロナの影響で在宅勤務が広がったことなどによりデータセンター向けチップや、在宅勤務向けとしてノートPCなどの需要が高まっているとの観測が広がり、株価は4月に入り年初来でプラス圏まで反発しました。

しかしながら、4-6月期以降については在宅勤務向けのPC需要などがはく落する可能性があるとの指摘が一部であるほか、競合するアドバンスト マイクロ デバイシズ（AMD）に市場シェアを奪われつつあることから、4-6月期以降について慎重な見方をするアナリストもいます。そうしたことから、決算発表では在宅勤務などの広まりを受けた需要の高まりがどの程度あるのか、そしてそれがどれくらいの期間続くのかということなどについて、注目が集まる可能性があります。