今週はアマゾン ドットコムやアップル、アルファベット（旧グーグル）、フェイスブック、AMDなどが決算発表を予定しています！

これまでに決算発表を行ったS&P500指数構成銘柄127社の動向をみると、売上高が市場予想を上回った企業は86社（67.7%）、調整後EPS（1株当たり利益）が市場予想を上回った企業は100社（78.7%）となっています（7/26時点、Bloombergのデータより、SBI証券調べ）。当社売買代金ランキング上位銘柄（2020/1/1〜2020/6/30）のうち、今週決算発表を予定しているのは以下の銘柄です。

ビザ A（V）　7/28　引け後
新型コロナによるロックダウンが段階的に解除されるなか、カード決済総額が回復傾向にあるのかどうかが注目点の1つとなりそうです。直近、巣ごもり需要の高まりやEコマースへのシフトが加速するのではとの観測を背景にアマゾン ドットコム（AMZN）などの株価は右肩上がりの展開となっていますが、ビザの株価は2月以降の急落分は回復したものの、その後は6月以降上値の重い展開が続いています。そうしたことから、決算を控え市場の期待値はそれほど高くないように感じられます。また、7/24に決算発表を行ったアメリカン エキスプレス（AXP）はカード利用額が約30%下落したと発表しています。

アドバンスト マイクロ デバイシズ（AMD）　7/28　引け後
インテル（INTC）が7/23の決算発表で新製品の生産プロセスに遅れが生じていると発表し、AMDの株価は7/24、16%を超える急騰となりました。これまでも個人向けCPUやデータセンター向けのCPUの分野でAMDがシェアを奪っているとの報道はありましたが、そうした内容を裏付ける業績や、今後の見通しが発表されるかが注目点となりそうです。

ショッピファイ A（SHOP）　7/29　寄り前
前回の決算発表の際は、直前にショッピファイのCTO（Chief Technology Officer、最高技術責任者）が「最近は毎日ブラックフライデーに匹敵する量のトラフィックとなっている」と自身のツイッター上でツイートし、実際の決算発表でもそうした強気なコメントを裏付ける良好な業績を示し、決算発表当日は7%近い大幅高となりました。

4-6月期も引き続き多くの新規顧客が同社サービスの利用を開始したとみられていますが、一部アナリストからは「ショッピファイは無料の試用版をオファーしており、新規顧客の追加が業績に反映してくるのは数四半期かかるかもしれない」といった声もあります。株価が年初来で約2.5倍になるなか、市場の期待値が非常に高まっていることには注意が必要かもしれません。

ボーイング（BA）　7/29　寄り前
「787ドリームライナー」について在庫が積み上がり財務の重しとなっているとの報道や、新型大型旅客機「777X」の引き渡しが先送りされる見込みであるとの報道が直近あったほか、引き続き大手航空会社が早期退職者の募集などを進めているとの報道もあり事業環境は厳しい状況にあると思われます。決算発表では資金燃焼の状況のほか、生産を再開した「737MAX」の動向が主な注目点となりそうです。

ロイヤル ダッチ シェル ADR B（RDSB）　7/30　寄り前
前回の決算発表では第二次世界大戦以降で初めての減配を発表し、株価は10%を超える大幅安となりました。前回は経営陣から「この環境では配当は持続可能ではなかった」、「新型コロナの影響は2年ほど残るかもしれない」といった慎重なコメントが出ましたが、今回どのようなコメントが出るのかということがポイントの1つとなるかもしれません。

アマゾン ドットコム（AMZN）　7/30　引け後
新型コロナがEコマースやクラウドへの移行を加速させているとの見方を背景に、アマゾンの株価は3,000ドルの大台を超え、直近やや調整しているものの、それでも年初来で株価は62.8%上昇しています（7/24時点）。7月に入っても一部アナリストが目標株価を3,800ドルに設定するなど強気な見方が複数でていますが、そうした市場の期待値に応えられるような決算発表となるかがポイントとなりそうです。

アップル（AAPL）　7/30　引け後
年後半に発売されると観測されている5G対応の「iPhone 12」の販売が好調になるのではないかとの期待感もあり株価は右肩上がりの展開となっています。おそらく4-6月期の業績はそれほど重要視されず、今回の決算発表で今後について前向きな見方が示されるかどうかが注目点となりそうです。もっとも、足元で再度店舗を閉鎖する動きもでているなかで、新型コロナの影響についてのコメントも注目点の1つとなりそうです。

アルファベット A（GOOGL）※旧グーグル　7/30　引け後
一部アナリストらは「独自調査の結果、広告事業は3月に底打ちしその後の4-6月期は回復傾向にあるようだ」などとコメントし、そうしたアナリストの前向きなコメントもありアルファベットの株価は先週史上最高値を更新しました。他の銘柄同様に同社についても市場の期待値は高まっているようですが、そうした期待に応える形で堅調な業績を示せるかがポイントとなりそうです。また、アルファベットが反トラスト法（独占禁止法）に違反しているのではないかとの調査が進められていると報じられているなか、そうした状況に対するコメントにも注目したいと思います。

フェイスブック A（FB）　7/30　引け後
4-6月期の業績も注目されますが、ヘイトスピーチなどへの対応が不十分と批判され複数の大手広告主が広告を引き上げる動きが広がるなか、そうしたことが今後の業績に与える影響などが注目点となりそうです。また、直近発表したインスタグラム上の買い物機能「インスタグラム・ショップ」や、TikTokに似た機能をもつ「Reels」などについて、今後どのように展開していくのか、どのように収益を上げていくのかという点について何らかのコメントが出るかということもポイントとなりそうです。

ギリアド サイエンス（GILD）　7/30　引け後
米政府と新型コロナの治療薬「レムデシビル」に関して直近新たな契約を締結したことから、通期売上高見通しが引き上げられるのではないかとのコメントも一部アナリストからでています。しかしながら、複数の競合他社が開発する新型コロナに対するワクチンの開発状況が良好なようだとの観測から、直近は上値が重い展開が続いています。レムデシビルについて何らかの前向きなコメントが出るかということや、直近49.9%の株式の取得を発表したがん免疫療法を手がけるTizona Therapeutics社とのシナジー効果などについてのコメントが注目点となりそうです。

エクソン モービル（XOM）　7/31　寄り前
4-6月期は29億ドルのほどの赤字になったと市場では予想されていますが、こうした状況下でエクソン モービルが現在の配当水準を維持できるかがポイントとなってきそうです。一部アナリストからは「すでに2020/12期の支出を30%ほど削減すると発表されていることから、さらなるコスト削減は難しく、さらに高水準にある債務残高を考慮すると現在の配当は維持できないのではないか」などとのコメントも出ています。