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決算速報(現地10/13寄り前発表)
●決算発表当日の株価:31.77ドル(-2.67%)
●売上高:30.6億ドル(予想31.2億ドル)×市場予想を下回った
●調整後EPS:-3.30ドル(予想-2.97ドル)×市場予想よりも悪い結果
売上高と調整後EPSが市場予想を下回ったことや新たな航空機の納入時期を遅らせる計画が発表されたことなどを受け、株価は売りに押されました。
決算発表当日を含む、過去1年間のチャート
※出所:トムソン・ロイター(現地10月13日までの過去1年間、移動平均線は52週)
決算のポイント
●7-9月期の売上高は、新型コロナの影響を受け引き続き前年同期比で7割以上減少するなど非常に大きな落ち込みとなりました。
●航空機の納入時期を遅らせ、2020年だけでも20億ドル以上、2022年までで合計50億ドル以上の支払いを削減できるとしています。
●保有する航空機の退役ペースを加速し、2020年に退役させる200機を含め、2025年までに400機近くを退役させるとしています。
経営陣の主なコメント
●売上高が新型コロナの感染拡大前に戻るまでは、2年かそれ以上かかる可能性がある。
●購入計画の変更は顧客の需要を反映したものというよりも、資金繰り上の理由が大きい。また、納入時期を遅らせるというだけで購入を中止するわけではない。
●(2020年の終わりにはキャッシュフローがプラスになると以前は考えていたものの)キャッシュフローがプラスに転じるのは2021年以降となる。
●資金燃焼のペースは今年の3月の約1/10になっているので、来年の春ごろにはキャッシュフローがプラスになる可能性は高い。
●サンクスギビング(感謝祭)やクリスマスシーズンに向けた顧客のモメンタムは良好であるようにみえるが、それでも10-12月期の売上高は前年同期比で65%から70%程度落ち込む可能性がある。
決算を受けたマーケットの反応
経営状況が厳しいということは予想されていたものの、売上高や調整後EPSが市場予想を下回ったことを受け、株価は売りに押されました。
経営陣が売上高が新型コロナ前の水準に戻るまで2年以上かかるといった見通し示したことや、新たな航空機の納入スケジュールを見直ししたことなども重しとなったようです。一部アナリストからは「国際線やビジネス関係の旅行に回復の兆しが見えるまで業績の回復は難しいのではないか」との声もでているようで、ワクチンの普及などにより旅客需要が回復するまでは、株価は上値の重い展開が続くかもしれません。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:39.66ドル(10/13時点)