決算速報(現地7/28引け後発表)
●決算発表後の時間外取引(日本時間9:00時点):360.40ドル(-3.45%)
●売上高:290.8億ドル(予想278.6億ドル)〇市場予想を上回った
●EPS:3.61ドル(予想3.02ドル)〇市場予想を上回った
●月間アクティブユーザー数(MAU):29.0億人(予想29.0億人)△市場予想通り
経営陣が今後の業績について慎重な見通しを示したことや、月間アクティブユーザー数が市場予想を上回らなかったことなどを受け株価は時間外取引で売りに押されました。
引け後の時間外取引のチャート
決算のポイント
●4-6月期の売上高とEPSは共に市場予想を上回りました。
●MAUは市場予想通りとなりました。
●経営陣は今後の業績見通しついて、引き続き慎重な見方を示しました。
●経営陣は「メタバース(インターネット上の仮想世界)」への取り組みが今後重要になってくると強調しました。
経営陣の主なコメント
●(アップルによるトラッキング規制などの導入受け)引き続きターゲティング広告は逆風に直面している。
●もっとも、トラッキング規制の影響は当社の想定の範囲内。
●当社はビデオ関連で多くの良いサービスを提供しており、今後は人々がそれらサービスからチップなどを通じて収益を上げられるようにする必要がある。
●「Facebook Watch(動画サービス)」は急速に成長している。
●eコマースについてはまだまだやることが沢山ある。
●7-9月期や10-12月期は前年同期比での成長ペースが鈍化する。
●前年のそれらの四半期は新型コロナのパンデミック初期段階で当社サービスへの需要が急速に高まった時期で、その時期と比較した場合の成長率は低くなる。
●将来的に人々はフェイスブックをSNSの企業ではなくメタバースの企業と考えるようになるだろう。
●メタバースのクオリティは人々が本当にその空間にいると感じたり、本当に誰かほかの人と一緒にいると感じられるかどうかだ。
●アバター(仮想世界で利用するキャラクターの姿)やデジタルオブジェクトの作成が、今後自己表現の上で重要になってくるだろう。
●当社はコミュニティを育てメタバースを利用できる人を増やすことに注力している。
●将来的にはデジタルの経済圏ができるだろう。
●メタバースへの投資は10億ドル単位となり「非常に大きなもの」となるが、これにはVR(仮想現実)やARの投資も含まれている。
●メッセージングの統合はメタバースの構想に合致する。
●次に投入するハードウェアは「AR(拡張現実)グラス」だ。
●ARグラスは「Ray-Ban」とのパートナシップで開発する。
決算を受けたマーケットの反応
決算発表直後から売りに押され、時間外取引で株価は一時は5%を超える下落率となりました。
売りが一巡した後はやや値を戻したものの、マーケットは年後半に成長が減速するという見通しや、MAUが市場予想を上回らなかったことなどを嫌気し、経営陣が示した「メタバース」についての構想などは現時点でそれほど材料視していないようです。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:392.91ドル(7/28時点)