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決算速報(現地4/20引け後発表)
●決算発表後の時間外取引(日本時間10:00時点):1,031.18ドル(+5.22%)
●売上高:187.6億ドル(予想179.2億ドル)〇市場予想を上回った
●調整後EPS:3.22ドル(予想2.27ドル)〇市場予想を上回った
●EPS:2.86ドル(予想1.83ドル)〇市場予想を上回った
●自動車事業の粗利益率:+32.9%(予想+28.4%)〇市場予想を大きく上回った
●粗利益率:+29.1%(予想+25.8%)〇市場予想を上回った
●フリーキャッシュフロー:22.3億ドル(予想6.72億ドル)〇市場予想を大きく上回った
●現金及び現金同等物:175.1億ドル(予想186.3億ドル)
●CAPEX(資本的支出):17.7億ドル(予想16.6億ドル)
売上高、調整後EPSとも市場予想を上回りました。上海でコロナが再び感染拡大するなどサプライチェーンへの影響が懸念されるなか、過去最高の売上高、利益を達成し、粗利益率の向上と結果を示しました。決算内容を好感し株価は決算発表後の時間外取引で上昇しています。
引け後の時間外取引のチャート
決算のポイント
●頭痛のもとであるサプライチェーン問題と格闘しながらも、過去最高のEPS、2.86ドルを達成した
●売上高は前年同期比81%増で過去最高を更新、勢いが継続している事を示した
●自動車部門の粗利益は前年同期の+26.5%から+32.9%に大きく向上、市場予想の+28.4%を大きく上回った
●規制クレジット(温暖化ガス排出枠)の売却益は6.79億ドルで前四半期の2倍強に伸びた
●生産能力向上計画に敏速に取り組む
●通期の自動車出荷台数は、引き続き前年比50%増を見込む
●サイバートラックの生産工程は進捗中
●上海工場の状況は注意深く見守っていく
●依然、主要部品は不足しており生産は抑制されている、この状況は22年中は続く見込み
経営陣の主なコメント
●マスクCEOは、決算発表後のカンファレンスコールに参加しました(重要なアップデートが無い限り参加しないとしていた)
●マスクCEOはカンファレンスコールで来年、ロボタクシーのイベントを開催するとコメントしました
●マスクCEOはロボタクシーの1マイルあたりの移動コストは地下鉄やバスなどよりも低くなると予測しました
●マスクCEOはロボットプログラムである「オプティマス」は、最終的には自動車事業やFSD(フル・セルフ・ドライビング:自動運転システム)より価値があるものとなろうとコメントしました
●同社は23年発表予定のロボタクシー製造計画を有し、24年には大量生産に移行する見込みとコメントしました
●経営陣はEVのボトルネックとなっているリチウム採掘に関して、多数の人が関心を寄せることが重要と述べました
●FSDの開発は22年に7つのソフトウェアのアップデートを行った
●FSDは22年末までに米国の全FSD顧客に対してベータ版を提供する計画、3月にカナダの一部顧客にも先行リリースを実施した
●経営陣はサプライチェーン問題は22年も続き、原材料や半導体不足が重しとなろうとし、カークホーンCFOは利益率に注意が必要とコメントしました
●テスラの成長力の鍵は新工場にある、テキサスのギガ・ファクトリーは最終的に年間50万台のモデルYの製造を見込むと述べました
決算を受けたマーケットの反応
決算内容、カンファレンスコールの内容を好感し決算発表後の時間外取引で5%を超える上昇となりました。ただし年初来では依然、マイナス圏で1月3日の史上最高値1199ドルからは14%押しの水準にあります。
決算は売上高、利益とも過去最高を更新しました。上海のコロナ再感染やサプライチェーン問題などの障害を抱えるなかでも粗利益率が向上するなど申し分ない結果を示しました。さらに工場の開発による生産能力の拡大期待やFSD(フル・セルフ・ドライビング:自動運転システム)開発など技術面での進捗、ロボタクシーなどの計画を示しました。常に強弱感が対立する同社株ですが売上高・利益・生産、納車などの実績から投資家の信頼感も増しそうです。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:958.06ドル(4/20時点)