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決算速報(現地5/17寄り前発表)
●決算発表当日の株価:131.35ドル(-11.38%)
●売上高:1,415.7億ドル(予想1,390.9億ドル)〇市場予想を上回った
●調整後EPS:1.30ドル(予想1.48ドル)×市場予想を下回った
●5-7月期売上高見通し:+5%(予想+3.8%)〇市場予想を上回った
●5-7月期調整後EPS見通し:従来予想の前年同期比一桁台前半〜一桁台半ばの伸びを-1%に下方修正(予想+6.9%)×市場予想を下回った
●2023/1期通期売上高見通し:従来予想の前年比+3.0%を+4.0%に上方修正した(予想+3.1%)〇市場予想を上回った
●2023/1期通期調整後EPS見通し:従来予想の前年比一桁台半ばの伸びを-1%に下方修正(予想+4.4%)×市場予想を下回った
調整後EPSが市場予想を下回りました。また5-7月期と23/1月期通期の会社見通しにおいて利益見通しを下方修正し減益見通しとなりました
17日通常取引の日中足チャート
決算のポイント
●米国既存店売上高伸び率(燃料除く):+4.0%(予想+2.26%)〇市場予想を上回った
●米国ウォルマート既存店売上高伸び率(燃料除く):+3.0%(予想+2.04%)〇市場予想を上回った
●サムズクラブ既存店売上高伸び率(燃料除く):+10.2%(予想+5.02%)〇市場予想を上回った
●米国ウォルマート取扱単価伸び率:+3.0%(予想+1.48%)〇市場予想を上回った
●米国のEコマース売上高伸び率:+1.0%(予想+1.84%)x市場予想を下回った
●粗利益率 :+23.8%(予想24.3%)x市場予想を下回った
経営陣の主なコメント
●売上高の観点からは良好な決算、全てのセグメントで会社予想を上回り満足しています。ただし利益面では3つの要因により予想を下回りました
●1つ目は雇用コストの増加、2つ目は主にウォルマートの在庫に関してコンテナなど保管コストが嵩さみました、3つ目はサプライチェーンにおける燃料コストです
●前期の利益に関しては満足しておらず値下げ交渉、スタッフ配置の見直し、価格の改定などの策を講じました
●売上の伸びは世界的にみて好調。中国のコロナ再感染の問題が重しとなりましたが、配送需要の増加など上手く対応しました
●ヘルスケア関連の事業は好調で、米国やインドで拡大しております
●Eコマースの売上高は+1%。アプリやサイト経由のノウハウを改善し利用率は上昇傾向にあります
決算を受けたマーケットの反応
調整後EPSが市場予想を下回りました。また5-7月期と23/1月期通期の会社見通しにおいて利益見通しを下方修正し減益見通しとなりました
決算発表を受け株価は急落、11%安と1987年以来の大幅下落となりました。「エブリデイ・ロープライス」を掲げる同社にとって米国の高インフレが売上・利益両面で圧力となりました。通期の利益見通しを下方修正し減益予想としたことが意外感を持って受け止められたようです。ただ経営陣は顧客ニーズを図りつつ価格転嫁の準備もしております。世界最大の小売りチェーンである同社はまずは価格で主導権を握る戦略を掲げております。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:161.55ドル(5/17時点)