決算速報(現地5/25引け後発表)
●決算発表後の時間外取引(日本時間10:00時点):158.12ドル(-6.85%)
●売上高:82.9億ドル(予想81.0億ドル)〇市場予想を上回った
●調整後EPS:1.36ドル(予想1.30ドル)〇市場予想を上回った
●5-7月期売上高見通し:79.4〜82.6億ドル(予想84.4億ドル)×市場予想を大幅に下回った
●5-7月期調整後粗利益率見通し:67.1%±0.5%(予想67.2%)△市場予想とほぼ一致した
売上高と調整後EPSは市場予想を上回りました。しかし5-7月期売上高見通しは市場予想を大幅に下回りました。ロシア問題と中国のロックダウンの影響を見込むとしております。
引け後の時間外取引のチャート
決算のポイント
●データセンター向け売上高:37.5億ドル(予想36.2億ドル)〇市場予想を上回った
●ゲーム向け売上高:36.2億ドル(予想35.3億ドル)〇市場予想を上回った
●プロフェッショナル・ビジュアライゼーション売上高:6.2億ドル(予想6.5億ドル)x市場予想を下回った
●オートモーティブ売上高:1.38億ドル(予想1.38億ドル)△市場予想とほぼ一致した
●株主還元:自社株買いと配当金を通じて21億ドルを実施した
●5-7月期売上高見通しはロシア問題と中国のロックダウンが約5億ドルのマイナス要因
経営陣の主なコメント
●売上高は83億ドル、前四半期比8%増、前年同期比46%増。データセンター向け売上高が稼ぎ頭となり今後も勢いは継続しよう
●ゲーム向け売上高は36億ドル、前四半期比6%増、前年同期比31%増、RTX30シリーズが好調だった。ここ2年間でゲーム人口は1億人の増加、驚異的な成長を遂げている
●RTXはゲームの世界に大きな影響を及ぼし、今後の成長余地も大きいだろう。ただし地域向け売上高はまだら模様で、米国堅調、ウクライナ侵攻により欧州が減速、中国も一部で軟化傾向が伺える
●ゲーム向けの在庫は正常化し5-7月期も同様の水準を見込む
●プロフェッショナル・ビジュアライゼーション事業は売上高が6.2億ドル、前四半期比3%減、前年同期比67%増。引合い強く、企業向けが好調でリモートワークなどが背景に
●オムニバースではアマゾンが倉庫デザインや業務フローの最適化に使用、ロボットのインテリジェント化に貢献している
●2-4月期の調整後粗利益率は67.1%、前年同期比で0.9%改善した。コスト増とサプライチェーン問題にうまく取り組んだ。今後、新製品増、ソフトウェアの比率が増すにつれ利益率も上昇を見込む
●23年12月末までに150億ドルの自社株買い枠を設定
決算を受けたマーケットの反応
売上高と調整後EPSは市場予想を上回りました。しかし5-7月期売上高見通しは市場予想を大幅に下回りました。ロシア問題と中国のロックダウンが影響するとしております。決算発表を受け、引け後の取引では一時152ドル近辺と昨年5月頃の水準まで急落、その後はカンファレンスコールなどを経てやや下げ幅を縮小-6.9%で引け後の取引を終えました。
オムニバースでアマゾンが倉庫デザインや業務フローの最適化に使用、ロボットのインテリジェント化に貢献するなどエヌビディアは話題豊富で投資意欲がそそられる企業といえそうです。しかし、足元の売上高はロシア問題、中国ロックダウンや世界的な景気減速の影響が影を落とし始めており今後については慎重な意見も出始めました。暫くは底値を探る展開となりそうです。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:302.17ドル(5/25時点)