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決算速報(現地7/19引け後発表)
●決算発表後の時間外取引(日本時間10:00時点):217.46ドル(+7.85%)
●売上高:79.7億ドル(予想80.4億ドル)×市場予想を下回った
●調整後EPS:3.73ドル(予想2.98ドル)〇市場予想を上回った
●7-9月期売上高見通し:78.4億ドル(予想81.0億ドル)×市場予想を下回った
●7-9月期調整後EPS見通し:2.14ドル(予想2.75ドル)×市場予想を下回った
●7-9月期契約者数見通し:100万人増(予想180万人増)×市場予想を下回った
●2022/12期通期営業利益率見通し:19〜20%(予想19.5%)△市場予想と一致した
2Q(4-6月期)実績値の売上高は予想下回り、調整後EPSは上回りました。3Q(7-9月期)会社予想は売上高・調整後EPSとも市場予想を下回りました。ただし2Q(4-6月期)契約者数が市場予想より良く、かつ会社予想ほど減少しなかったことは好意的に捉えられたようです。
引け後の時間外取引のチャート
決算のポイント
●営業利益率 19.8%(予想21.5%)×市場予想を下回った
●営業キャッシュフロー 1.03億ドル(予想2.77億ドル)×市場予想を下回った
●フリーキャッシュフロー 0.13億ドル(予想1.65億ドル)×市場予想を下回った
●契約者数:97万人減(予想201万人減 ・ 会社予想 200万人減)〇市場予想を上回った
地域別契約者動向
●北米:130万人減(予想115万人減)×市場予想を下回った
●欧州中東アフリカ:77万人減(予想77.6万人減)〇市場予想を上回った
●南米:1万人増(予想60万人減)〇市場予想を上回った
●アジア太平洋:108万人増(予想52.9万人増)〇市場予想を上回った
●総契約者数:2億2067万人(予想2億2019万人)△市場予想とほぼ一致した
経営陣の主なコメント
●顧客は2つのグループがあると認識している。お金を払っているグループと、払っていない視聴者のグループです。私たちはお金を払っていないグループに大きなチャンスを見出しています
●お金を払っていないグループは当社のコンテンツに魅力を感じている、ネットフリックスのコンテンツにアクセスできる顧客です。我々は当社のサービスに対価を払って頂けるようにすることが仕事であると考えています
●アニメーションスタジオのアニマルロジックを買収しました
●2022年の営業利益率は19%〜20%と予想、第2四半期の1.5億ドルのリストラ費用を除く
●ストレンジャー・シングスのシーズン4は、最初の4週間で13億時間の視聴を叩き出し過去最高となりました
●営業利益は期初の為替レートを適用しております
●フリーキャッシュフローは増加しており今後もプラスを見込んでおります
決算を受けたマーケットの反応
●決算発表では2Qの調整後EPSが予想を上回りましたが、同売上高や3Qの調整後EPS、売上高見通しは予想を下回りました。しかし2Qの契約者数の減少幅が予想ほど悪くなかったこと、3Qの契約者数は前年同期比増加に転じる見通しを示したことなどを好感。株価は決算発表において21/1/19以来、6四半期ぶりに上昇しました。
●ただ株価は2017年秋頃の水準、予想PERは19倍台と直近5年間のほぼ最低水準まで低下しており反発しやすい地合いであったのも事実です。今後は現在お金を支払っていないいわゆる「フリーライド顧客」に課金できるか、下期に増加傾向にある契約者数を再び取り込めるか、マイクロソフト(MSFT)と提携した広告付き動画配信のマネタイズといったところが注目を集めそうです。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:258.43ドル(7/19時点)