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2Q(4-6月期)決算速報(現地7/26引け後発表)
●決算発表後の時間外取引(日本時間10:00時点):110.13ドル(+4.87%)
●売上高:696.9億ドル(予想580.3億ドル)〇市場予想を上回った
●調整後EPS:1.21ドル(予想1.39ドル)×市場予想を下回った
●売上総利益率:68.9%(予想67.5%)〇市場予想を上回った
●フリーキャッシュフロー:125.9億(予想186.5億ドル)×市場予想を下回った
●CAPEX(資本的支出):68.3億ドル(予想79.6億ドル)
売上高は予想を上回りましたが調整後EPSは市場予想を下回りました。ただ先週発表のスナップ(SNAP)など広告事業は予想を下回る決算発表が続いており市場は警戒。アルファベットの決算は一定の安堵感を持って受け入れられたようです。
引け後の時間外取引のチャート
決算のポイント
●グーグル広告売上高:562.9億ドル(予想559.1億ドル)〇市場予想を上回った
●グーグルクラウド売上高:62.8億ドル(予想63.2億ドル)×市場予想を下回った
●YouTube広告売上高:73.4億ドル(予想74.7億ドル)×市場予想を下回った
●アザー・ベッツ売上高:1.9億ドル(予想3.0億ドル)×市場予想を下回った
●アザー・ベッツ営業損益:-16.9億ドル(予想-12.2億ドル)×市場予想を下回った
●トラフィック獲得コスト(TAC):122.1億ドル(予想122.7億ドル)△市場予想とほぼ一致した
●米国売上高:327.3億ドル(予想309.8億ドル)〇市場予想を上回った
●欧州・中東・アフリカ売上高:205.3億ドル(予想220.3億ドル)×市場予想を下回った
●アジア太平洋売上高:117.1億ドル(予想131.6億ドル)×市場予想を下回った
経営陣の主なコメント
●当社のミッションである「世界中の情報を整理・アクセス可能にする」に引き続き取り組む、その上でAI、検索、クラウドに引き続き投資していく
●今月初に人員の採用を絞る方針を発表している。当社として事業目的を絞りこみエンジニアリング、テクノロジーなど重要領域に重点を置いた採用を行い生産性を向上させる
●AIに加えてAR(拡張現実)に可能性を感じる。現実世界のソリューションとして活用例を見出している。ウェアラブルグラスのプロトタイプの試験を開始している
●YouTubeは毎月15億人以上が視聴している。1日あたり300億回見られており、500万人が2Qにチャンネル登録を行った
●ショッピファイ(SHOP)と提携しクリエイターは店舗をYouTubeに接続可能、ショッピングの可能性が開ける
●クラウド事業の売上高は2Q、始めて60億ドルを突破し、63億ドルに達した
●同事業はグローバルに認知されており欧州ではファストファッションのH&Mや南米のバンコBV、アジアではバイオ・ファーマなどが利用、6月には米国の政府機関など公的機関を支援する取組を開始した
●アザー・ベッツではウェイモがフェニックスのダウンタウンで従業員によるテスト走行範囲を拡大、サンフランシスコでは課金事業のテストを開始、商用サービス化へ歩みを進める
(アザー・ベッツとはOther Betsいわゆる戦略的な新規事業部門。ウェイモはアルファベット傘下の自動運転車開発企業)
決算を受けたマーケットの反応
売上高は予想を上回りましたが調整後EPSは市場予想を下回りました。ただ先週発表のスナップ(SNAP)など広告事業は予想を下回る決算発表が続いており市場は警戒。アルファベットの決算は一定の安堵感を持って受け入れられたようです。
広告事業では予想を上回る決算を発表、格の違いをみせつけたアルファベット。しかしYouTubeなどの成長率は市場に満足感を与えるには至らなかったようです。またクラウド事業やアザー・ベッツなど新規事業分野も好調ではあるものの今一つインパクトに欠けるものです。今は景気の不透明感や政策金利の引上げなど事業環境も厳しいと言え、次の成長に向けた足場固め中と言えそうです。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:148.15ドル(7/26時点)