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2024-12-13 22:22:42

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2023年の投資戦略を考えるにあたりカギを握る要因

2023年の投資戦略を考えるに
あたりカギを握る要因

2022/12/13

3つのポイント
私は2023年の投資戦略を考えるにあたり次の3つの事が重要だと考えています。

1GAFAMの落日

まずGAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)に代表される大型テクノロジー企業の成長率が鈍化しており、市場平均成長率すら下回ることが予想される点です。

これらの企業は新型コロナで人々が在宅勤務を強いられた際、ネットに接する時間が増えたことで一時的な成長の加速を見ました。

しかしその成長の加速は、かえって市場が飽和状態になる時期を早めたという風にも解釈できます。

これらの銘柄は高値からかなり調整したとはいえ、いまだにS&P500指数の18.3%を占めています。

これらの銘柄が牽引役となり米国株が世界の株式をリードしてきたわけですから、これらの銘柄がしばらくお休みするということになると逆に世界の株式が米国株より良いパフォーマンスになる可能性が高まったという風にも考えられます。これが第1点。

1中国の落日

次に中国経済の鈍化は大きな材料です。中国は世界で2番目に大きな経済ですしこれまで高度成長をずっと続けてきたので、その中国の成長が大幅に鈍化するとなると世界はその余波を受けざるを得ません。

日本や韓国のように中国経済と密接に連携している国々の成長率はネガティブな影響を受けると考えるのが自然です。

3フロンティア・マーケットの勃興

これまで世界をけん引してきたシリコンバレーと中国の両方がダメになるということは、世界を見回して「次の成長」の対象を見出すことが極めて困難になってきていることが指摘できます。 実は今回と似たような状況に置かれた事は過去にありました。

たとえば1990年は大発会から東京マーケットがズルズル下げ始め、いわゆる「失われた10年」の起点になった年です。当時も今同様、日本に代わる成長の担い手を探すのに苦労しました。その中から脚光を浴びたのがメキシコを中心とする中南米の株式だったのです。

テクノロジー株で言えば2000年にドットコムバブルが弾けた時も「成長がどこにも見出せない!」という苦境に立たされました。さらに2001年には9/11の同時多発テロでさらに状況が深刻化したのです。

BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)が投資テーマとして浮上したのは、そのような苦しい背景があったからです。

新興国株式は2011年くらいから先進国株式をアンダー・パフォームしはじめ、もうかれこれ10年近くも忘れ去られています。その意味では再度注目されても良い時期でしょう。

ただし先にも述べたように中国経済がいまおかしくなっているので、従来の「新興国」という括りではダメで、それよりももっと小さい、「フロンティア・マーケット」という切り口で物事を考えるべきでしょう。これが第3点。

整理すれば:
1.GAFAMはオワコン
2.中国はオワコン
3.フロンティア・マーケットに次の成長がある

ということです。

投資戦略

2023年は米国株も上昇すると思います。しかし米国より世界の方が上昇率は高いと思うので投資先を米国だけに絞り込むのではなく欧州先進国などを含んだ世界をまるごと買うやり方のほうが良いと思います。

さらにフロンティア・マーケットを味付け的に加えることでリターンを補強できるでしょう。

フロンティア・マーケットと言った場合、具体的に私が想定している国はベトナム、ルーマニア、カザフスタン、ナイジェリア、バングラデシュ、モロッコ、フィリピン、クウェート、エジプトなどになります。

なおインドは新興国に分類されているのでフロンティア・マーケットではありませんがインドも良いと思っています。

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著者

広瀬 隆雄(ひろせたかお)

コンテクスチュアル・インベストメンツLLC マネージング・ディレクター

グローバル投資に精通している米国の投資顧問会社コンテクスチュアル・インベストメンツLLCでマネージング・ディレクターとして活躍中。
1982年 慶応大学法学部政治学科卒業。 三洋証券、SGウォーバーグ証券(現UBS証券)を経て、2003年からハンブレクト&クィスト証券(現JPモルガン証券)に在籍。

広瀬 隆雄

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