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次なる巨大技術プラットフォームに!?【メタバース関連銘柄】をご紹介

2021/12/15
投資情報部 榮 聡

今回は株式市場の注目を集める「メタバース」を取り上げます。「次なる巨大技術プラットフォーム」との期待がある一方、メタバースをリードしようとするメタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)においても構想の段階であり、メタバースがどのように発展し、どの分野が伸びていくかは、まだ混沌としています。しかし、関連する技術、それを保有する企業はかなり絞られているようです。

図表1 注目銘柄

銘柄 株価(12/14) 52週高値 52週安値
エヌビディア(NVDA) 283.37ドル 346.47ドル 115.67ドル
ロブロックス A(RBLX) 107.67ドル 141.60ドル 60.50ドル
マイクロソフト(MSFT) 328.34ドル 349.67ドル 211.94ドル
メタ プラットフォームズ A(FB) 333.74ドル 384.33ドル 244.61ドル
ユニティソフトウェア(U) 140.00ドル 210.00ドル 76.00ドル
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

1株式市場で注目を集める「メタバース」

今回の外国株式特集レポートでは、最近株式市場で話題の「メタバース」を取り上げます。

メタバースとは

「メタバース」はインターネット上の仮想世界のことを指し、「メタ」(超越したという意味の接頭辞)と「ユニバース」(世界)の合成語です。

メタのザッカーバーグCEOは「私たちはデスクトップからウェブや電話へ、テキストから写真や動画へと移行してきたが、これで終わりではない」。次のプラットフォームは「ただ見るだけではなく、実際に体験しているような」没入感が増すとし、「私たちはこれをメタバースと呼んでいる」と述べています(WSJ記事より抜粋)。

メタバースを志向したサービスとして、米リンデン・ラボ(未上場)による「セカンドライフ(Second Life)」が知られています。図表2はセカンドライフでアバター(自分の分身となるキャラクター)が仮想空間で交流する様子で、初歩的なメタバースの形と考えられています。また、任天堂のゲーム「あつまれ どうぶつの森」もメタバースの一種と言われています。

メタバース、なぜいまなのか?

メタバースが注目されるきっかけは、10/28(木)のコンファレンスでフェイスブックが社名をメタ・プラットフォームズに変更するとの発表でした。

同社がVR(仮想現実)機器を製造するオキュラス社を買収したのが2014年3月で、当時から写真やテキスト中心の「フェイスブック」や「インスタグラム」から、SNSはメタバースに移行することを想定していたと考えられます。今回の社名変更は、移行の本格化を踏まえてということでしょう。

背景には、写真やテキストから臨場感のある3Dの画像・映像に移行するためには、PCやスマホのCPUの計算能力の向上、通信能力の向上が必要ですが、世の中でその条件が整いつつあることがあると考えられます。5年後、10年後には大きな市場に拡大することが想定されます。

関連銘柄の株価の動きは?

メタバース関連銘柄の値動きを確認するために、米国市場に上場するメタバース関連のETFである「ラウンドヒル・ボール・メタバースETF」(ティッカーはMETA、当社の取り扱いはありません)をみてみましょう(図表3)。

まず、同ETFの上場は、2021年の6月末で、比較的新しい投資テーマということがわかります。次に、指数化してS&P500指数と値動きを比較してみると通算では、若干市場平均をアンダーパフォームしています。

同ETFはテクノロジー株の組み入れが多くなっていますが、11/30(火)にパウエルFRB議長がテーパリングの加速を検討する意向を表明してから、テクノロジー株の値動きが重くなっていることが影響しているとみられます。フェイスブックが社名変更を発表した10月末からは大きく上昇して、市場平均をアウトパフォームする局面がありました。

同ETFの純資産額は、10/27(水)の127百万ドルから12/10(金)には879百万ドルに増えて、投資家の興味の高さがうかがえます(図表4)。

メタバースの市場規模

Bloombergの業界アナリストは、調査会社ニューズー、IDC、PWC、スタティスタ、ツー・サークルズのデータに基づいて、メタバース市場は2020年の4,787億ドルから2024年には7,833億ドルに拡大し、13.1%の年間平均成長率を記録すると予想しています。

市場の中心となるオンラインゲームとゲーム機器の市場は、2020年の2,749億ドルから2024年にかけて4,000億ドルを超えると見込んでいます。このうちソフトウェア、サービス、広告収入が約7割を占め、約3割をゲーム機器やAR/VR機器が占めると想定されています。

これらの市場以外では、ライブエンターテインメント(コンサート、映画上映、スポーツなど)がパンデミックの影響から回復して2,000億ドルの市場に達するほか、SNSが残りを占めると考えられています。

図表2 「セカンドライフ」でのアバターを介した交流イメージ

  • 注:画像の著作者はHyacintheLuynes氏。
  • ※Wikipediaの「メタバース」の項目より

図表3 メタバースETFとS&P500指数の動き

  • 注:メタバースETFはラウンドヒル・ボール・メタバースETFです。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表4 メタバースETFの純資産額推移

  • 注:メタバースETFはラウンドヒル・ボール・メタバースETFです。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

2メタバースの関連分野と関連銘柄

米国に上場するメタバース関連ETF「ラウンドヒル・ボール・メタバースETF」の組入上位25銘柄を、メタバースとの関連分野と時価総額とともに図表5にリストアップしました。
メタバースをリードしようとする、メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)においても構想の段階であり、メタバースがどのように発展し、どの分野が伸びていくかは、まだ、混沌としています。そのため、このリストも完全なものとは言えませんが、当面はこれら企業を中心に物色が進むとみられます。
メタバースの主な関連分野がどのように「関連」しているかを、以下簡単に説明いたします。

・オンラインゲームのプラットフォーム、ゲームソフト・・・メタバースに最も近づいているのは、オンラインゲームの世界だとみられています。オンラインゲームのプラットフォームを保有する企業や、3次元の動画でゲームを制作している企業はメタバースの市場を獲得しやすいポジションにあると考えられます。

・SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)・・・メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)は、既存のSNSサービスに自社で保有するVR機器事業への投資を組み合わせることで、メタバースへの移行を想定しているようです。同社ほど明確ではありませんが、他のSNS企業もその方向での投資を行っていくと見込まれます。

・デザインソフトウェアメーカー・・・メタバースは、ゲームやSNSで広がるほか、これまでは縁の薄かった産業分野にも応用が広がる可能性があると考えられます。画像を3D化したり、デジタル画像処理のソフトウェアに対する需要が拡大する可能性が高いでしょう。

・ゲーム機器、拡張現実(AR)機器、仮想現実(VR)機器・・・Bloombergアナリストの分析によれば、ゲームに関連するAR/VR機器の市場は2020年の47億ドルから2024年に406億ドルに急拡大すると見込まれています。現在は同機器を供給していないメーカーも、今後参入してくることが想定されます。また、ゲーム機器の市場も2020年の635億ドルから2024年に778億ドルに拡大すると予想されています。

・CPU(セントラルプロセッシングユニット)、GPU(グラフィックスプロセッシングユニット)などの半導体・・・メタバースの世界が進むと、これまでテキスト、画像、動画の表示だったものが、3次元の画像をリアルタイムで作って表示するようになる可能性があり、PCやスマホ、データセンターで使われるCPUやGPUの処理能力の拡大が必要となると考えられます。これらを供給する半導体メーカーに恩恵が期待されます。

・ライブ・エンターテインメント・・・ETFでは重視されていないようですが、Bloombergのアナリストはメタバースの関連分野としてライブエンターテインメントも取り上げています。現在は観客を入れたライブとして行っている興行を、メタバースによって臨場感のある仮想空間で提供することが想定されているようです。関連銘柄としては、ライブ ネーション エンターテインメント(LYV)ウォルト ディズニー(DIS)、コンテンツの提供者であるプロスポーツチームなどがあげられています。

図表5 ラウンドヒル・ボール・メタバースETFの組入上位銘柄(12月10日時点)

銘柄名 ETFの
組入比率
(%)
メタバースとの
関連分野
時価総額
(億ドル)
エヌビディア(NVDA) 10.8 PC、サーバーのGPU 7,550
ロブロックス A(RBLX) 9.9 ゲームプラットフォーム 671
マイクロソフト(MSFT) 7.5 ゲームコンソール 25,718
メタ プラットフォームズ A(FB)  6.2 SNS 9,173
ユニティソフトウェア(U) 4.8 3Dソフトウェア 404
アマゾン ドットコム(AMZN) 4.1 ゲームプラットフォーム 17,467
アップル(AAPL) 4.1 スマホ、AR/VR機器 29,441
テンセント(騰訊)(00700) 3.9 ゲームプラットフォーム 5,859
クアルコム(QCOM) 3.8 スマホのCPU 2,059
オートデスク(ADSK) 3.8 設計ソフトウェア 592
台湾セミコンダクター ADR(TSM) 3.7 PC、スマホのCPU、GPU 6,178
スナップ A(SNAP) 3.1 SNS 818
シー(SE) 3.0 ゲームプラットフォーム 1,320
インテル(INTC) 2.7 PC、サーバーのCPU 2,057
ソニーグループ (6758) 2.6 ゲームコンソール 1,550
マターポート A(MTTR) 2.3 3Dソフトウェア 57
ファストリー A(FSLY) 2.2 コンテンツ配信 51
テイクツー インタラクティブ ソフトウエア(TTWO) 2.0 ゲームソフト 191
アドバンスト マイクロ デバイシズ(AMD) 1.9 PC、サーバーのGPU 1,673
アルファベット A(GOOGL) 1.9 ゲームプラットフォーム 19,693
コインベース グローバル A(COIN) 1.5 暗号資産 550
サムスン電子 (005930)  1.4 スマホ、AR/VR機器 3,902
アドビ(ADBE) 1.4 画像作成ツール 3,114
エレクトロニック アーツ(EA) 1.3 ゲームソフト 355
クラウドフレア A(NET) 1.1 コンテンツ配信 452
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

3注目銘柄

「ラウンドヒル・ボール・メタバースETF」の組入上位5銘柄について、メタバースとの関連を中心にご紹介いたします。

・GPU(グラフィックスプロセッシングユニット)を主力とする半導体メーカー。メタバースの普及によって3D動画の利用が増えると、PCなどの端末、サーバーともGPUの需要拡大につながると考えられます。同市場をアドバンストマイクロデバイセズと2分する同社への恩恵は大きいでしょう。

・メタバースでは産業向けの開発ツールとして、仮想空間内で共同作業を行うためのプラットフォーム「Omniverse(オムニバース)」を2021年11月から提供しています。同プラットフォームでは、現実の世界を仮想空間で忠実に再現する“デジタルツイン”が可能となり、様々な産業でのシミュレーションに利用されることが想定されています。同プラットフォームには、ピクサーが開発したUSD(Universal Scene Description)という3次元ファイル形式を採用して、ピクサー、アップルと共同で機能の拡張に取り組んでいます。

・8-10月期決算はデータセンター向けの売上高が前年同期比55%増、ゲーム向け売上高が同42%増、そして全体の売上高が同50%増となって業績は順調に伸びています。一方、12/2(木)に米公正取引委員会(FTC)が半導体設計大手アームの買収を阻止すべく提訴しました。買収できなくてもアームの技術は利用できるため、製品の投入計画には影響がないとみられますが、株価の不安定要因として注意が必要でしょう。

・利用者がロブロックス独自のエンジンである「Roblox Studio」を使用して独自のゲームを作成できるゲーム作成プラットフォームを提供する企業です。ユーザーが独自のゲームを制作したり、他のユーザーが作成した多種多様なオンラインゲームをプレイでき、サイトでの購入による収益は開発者とロブロックスに分割される新しいビジネスモデルを擁します。

・同社のゲームは、「サンドボックスゲーム」というジャンルに属しています。プレイヤーに明確な達成すべき目標やストーリーを用意せず、提供した世界観の中で自由に行動するタイプのゲームです。ゲーム、SNS業界の中で、既存事業が最もメタバースに近い企業の1社と考えられています。ただし、2020年12月期の売上が9.2億ドル、純利益が2.5億ドルの赤字で、会社の規模、資力に関しては新興勢力です。

・2021年12月期は、売上が前年比2.9倍、営業利益が1.9億ドルに黒字化、純利益は1.8億ドルの赤字が見込まれています。7-9月期のデイリー・アクティブ・ユーザーは、前年同期比31%増えて4,730万人、ユーザーの滞在時間は同28%増えて112億時間と順調に伸びています。

・メタバースに関連する事業として、ゲームではゲームコンソールのXboxを展開、オンラインゲームのプラットフォームを保有しています。また、メタバースに最も近いと考えられているサンドボックスゲーム(ロブロックスの説明を参照ください)の「マインクラフト」が傘下にあります。ビジネス向けSNSのLikedInも関連があります。

・また、リモート会議に使われるコラボレーションソフトの「Teams」は、パンデミックによってユーザーが急拡大しましたが、メタバースに近いサービスと考えられます。同社は2022年に「Mesh for Microsoft Teams」を投入予定です。同サービスではビデオ表示でオン/オフのみの選択でなく、アバターを表示してコミュニケーションできるようにするもので、将来的にメタバースにつながりうるものと言えそうです。

・メタバースについて、あまり積極的なスタンスをとっていないようですが、関連する事業が多いことから一定のポジションを獲得すると考えられます。7-9月期の売上は前年同期比22%増で、ビジネスソフトウェア中心のプロダクティビティアンドビジネス部門が同22%増、インテリジェントクラウド部門が同31%増、消費者向け事業のモア・パーソナル・コンピューティング部門が同12%増と、いずれも好調です。

・10月に社名をフェイスブックからメタ・プラットフォームズに改名して、SNSの会社からメタバースの会社に脱皮しようとしています。メタバースについては、「まるで他人と一緒に別の場所にいるような臨場感」を味わえるものであるとし、既にサービスを開始しているVRワークスペースの「HorizonWorkrooms」「Horizon Worlds」をより拡張したサービスになるイメージです。

・メタバースの構築に向けて2021年、2022年と各100億ドルの巨額投資を行う計画です。2030年までにメタバースの利用者を10億人に増やし、数千億ドル規模のデジタル経済圏を構築しようとしています。「フェイスブック」「インスタグラム」など既存のSNSユーザーが29億人いることや、拡張現実(VR)ヘッドセットの「Oculus」を擁するなど、メタバースで先頭を走っている企業と考えられます。ただし、経営陣は「メタバー スは長期にわたり、利益を生むことはないだろう」とコメントして、投資が先行することを示唆しています。

・7-9月期の売上高は前年同期比35%増、EPSは同19%増で、Facebookの月間アクティブユーザー数(MAU)は同6%増の 29.1億人に達して堅調です。ただし、iPhoneの広告表示ルールの変更の影響や各国政府による規制の強化から将来の売上の伸びに不透明感があるなど、足もとでは懸念材料も抱えています。

・リアルタイム3Dコンテンツを制作・動作させるためのプラットフォームを提供する企業です。世界で250万人のクリエーターが利用、世界のダウンロード数トップ1,000のモバイルゲーム、PCゲーム、コンソールゲームの総計に対して50%以上の制作に同社のサービスが使われていいます。

・現時点ではゲームが主な市場ですが、リアルタイム3Dコンテンツは自動車、建築、映画、小売、などあらゆる産業で使われ始めています。メタバース関連としても同市場の拡大でもっとも恩恵が大きくなる可能性のある企業の一つと考えられます。

・2022年12月期は、売上が前年比30%増の14.1億ドル、純損失が4.6億ドルと予想されています。年率30%以上の売上成長を長期に実現することを目標とします。2011年11月には、「ロード・オブ・ザ・リング」や「アバター」のVFX(視覚効果)を担当してきた制作会社「WETAデジタル」を16億ドルで買収しています。

  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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