SBI証券(オンライン総合証券最大手)−オンライントレードで株式・投資信託・債券を−

株価検索
  • ポートフォリオ
  • 取引
  • 口座管理
  • 入出金・振替

2024-04-18 21:26:13

マーケット > レポート > 米国ウィークリー・マンスリー >  “雇用統計の強さが意味するものは?”

“雇用統計の強さが意味するものは?”

2019/12/10
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘、増渕 透吾

“雇用統計の強さが意味するものは?”

  • 12/6に発表された11月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が前月から26.6万人増と予想の18万人を超えて増加し、伸びは10ヵ月ぶりの大きさになった。9月と10月の雇用者数も合わせて4.1万人ほど上方改定された。12/2に発表された11月の米供給管理協会(ISM)製造業景気指数が景気拡大・縮小の節目となる50を4ヵ月連続で下回る48.1となるなど製造業部門の低迷が続く中でも米経済が緩やかな成長を続けていることが示された。米国株式市場もこれを好感し、12/6のダウ工業株30種平均株価(NYダウ)終値は前日比337ドル高の28,015ドルと大幅に上昇。その一方、同日のドル円相場は雇用統計発表直後に108円90銭台までドル高円安となったものの、ニューヨーク時間の終値では108円台半ばまでドル安円高となるなど、株式市場とは対照的な動きを示した。
  • 今後の株式投資のストラテジーを考えていく上で11月の雇用統計の強さをどのように見ていくべきだろうか?先ず、トランプ政権が中国との第1段階の通商合意を交渉するための時間的な余裕が確保されたと見ることができよう。トランプ大統領も「我が国の経済は世界の羨望の的であり、おそらく我が国の歴史で最も偉大な経済を見ている」とツイートした。米中貿易摩擦を恐れずに強気で制裁関税を課してきた政策に自信を深め、一段と強硬路線をとる可能性があろう。既に12/2にブラジルやアルゼンチンからの鉄鋼・アルミニウムの輸入に対し追加関税を課すことが発表され、12/6にEUに最大100%の関税を上乗せする方針が発表された。強い雇用統計により、12/15に米国が発動を予定している対中制裁関税第4弾の発動の可能性が高まるかも知れず、要注意であろう。
  • 次に、非農業部門雇用者の増加数の内訳では、ヘルスケア部門が6.0万人増、レジャー・接客業が4.5万人増である一方、製造業は、ゼネラル・モーターズ(GM)のストライキ終了の影響を除けば8千人増にとどまった。レジャー・接客業は8-11月で21.9万人増であり、労働生産性および賃金の伸び率が製造業と比較して相対的に低い業種への偏りが見られ始めている。11月の平均時給伸び率は前年同月比3.1%と16ヵ月連続で3%台の伸びを保ったが、経済全体の賃金上昇率が鈍化しやすい構造へと変化しやすくなっている可能性はあろう。
  • 市場参加者の間では、4年ごとの大統領選挙サイクルにおいて過去の平均データから任期3-4年目の株式投資パフォーマンスが同1-2年目を上回ることが知られている。2020年に向けてジンクス通りになるのか、注目されよう。(笹木)
  • 12/10号では、アマゾン・ドット・コム(AMZN)バイオジェン(BIIB)ファイブ・ビロウ(FIVE)タンデム・ダイアベティス・ケア(TNDM)ベリント・システムズ(VRNT)ザイレム(XYL)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(12/6現在)

主要企業の決算発表予定

12月10日(火)オートゾーン
12月12日(木)アドビ、ブロードコム、オラクル、コストコホールセール

主要イベントの予定

12月10日(火)
  • FOMC(11日まで)
  • ノーベル賞授与式、アルゼンチン大統領にアルベルト・フェルナンデス氏が就任、ゲオルギエワIMF専務理事の講演(ワシントン)
  • 労働生産性(3Q)
  • 独ZEW期待指数(12月)、英鉱工業生産(10月)、中国CPI・PPI(11月)
12月11日(水)
  • FOMC声明発表、パウエルFRB議長の記者会見・経済予測発表
  • ブラジル中銀が政策金利発表
  • OPEC月報
  • CPI(11月)、財政収支(11月)
12月12日(木)
  • 欧州中央銀行(ECB)金融政策会合・ラガルド総裁の記者会見、フィリピン中銀が政策金利発表
  • EU首脳会議(13日まで)、英総選挙、国際エネルギー機関(IEA)月報
  • 新規失業保険申請件数(12月7日終了週)、PPI(11月)
  • ユーロ圏鉱工業生産(10月)、独CPI(11月)、ロシアGDP(3Q)
12月13日(金)
  • ニューヨーク連銀総裁の講演
  • ロシア中銀が政策金利発表
  • 小売売上高(11月)、輸入物価指数(11月)、企業在庫(10月)
12月15日(日)
  • 安倍首相がインド訪問(17日まで)
  • 米が対中追加関税発動、中国が対米追加関税発
12月16日(月)
  • ニューヨーク連銀製造業景気指数(12月)、マークイット米国製造業・サービス業・コンポジットPMI(12月)、NAHB住宅市場指数(12月)
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

アマゾン・ドット・コム(AMZN)市場:NASDAQ ・・・2020/1/30に2019/12期4Q(10-12月)決算発表の予定

  • 1994年設立のECサイト・Webサービス会社。Amazonプライム、フルフィルメントby Amazon、AWSなどのサービスのほか、Kindle、Fireタブレット、Fire TV、Amazon Echo、Alexaなどの製品を提供する。
  • 10/24発表の2019/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比23.7%増の699.81億USD、純利益が同26.0%減の21.34億USD。EPSは4.23USDと市場予想の4.58USDを下回った。為替変動を除くベースでは同25%増収。翌日配送サービスのための従業員や在庫を増やしたことで費用が膨らんだ。
  • 2019/12期4Q(10-12月)会社計画は、売上高が前年同期比11-20%増の800-865億USD、営業利益が12-29億USD(前年同期:38億USD)。売上高の見通しは為替変動による負の影響を80bp含む。アドビアナリスティクスによると、米国の消費者による12/2のサイバーマンデーのオンライン支出は過去最高の94億USDと前年実績を約20%上回った。好調な年末商戦が追い風になろう。(増渕)

バイオジェン(BIIB)市場:NASDAQ ・・・2020/1/8に2019/12期4Q(10-12月)決算発表の予定

  • 1978年設立したバイオテクノロジー企業。多発性硬化症、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症などのほか、脊髄性筋萎縮症等の希少疾患の分野で創薬・開発・生産を行う。
  • 10/22発表の2019/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比4.7%増の36.00億USD、純利益が同7.0%増の15.45億USD。調整後EPSは9.17USDと市場予想の8.27USDを上回った。コア事業の多発性硬化症分野が回復したほか、脊髄性筋萎縮症治療薬SPINRAZAやバイオシミラーなどが伸びた。
  • 7/23に公表した通期会社計画は、売上高が前期比140-142億USD、EPSが29.60-30.40USD、調整後EPSが31.50-32.30USD。1/29公表の内容から上方修正した。同社は12/5、第12回アルツハイマー病臨床試験会議でエーザイ(4523)と共同開発するアルツハイマー病治療薬aducanumabについて、詳細なデータを公表した。同疾患の進行を抑える初めての薬となり得ることを示唆。(増渕)

ファイブ・ビロウ(FIVE)市場:NASDAQ ・・・2020/3/27に2020/1期4Q(11-1月)の決算発表を予定

  • ・2002年に設立した廉価商品専門の小売業者。10代およびプレティーンをターゲットに幅広い商品を5ドル以下で販売する「Five Below store」を展開。店舗数は米国36州で894店舗(2019/11/2)。
  • 12/4発表の2020/1期3Q(8-10月)は、売上高が前年同期比20.7%増の3.77億USD、純利益は同24.6%減の1,018万USD。売上高は会社計画の3.69-3.74億USDを上回って着地。関税費用と特定の商品に係る費用の計上タイミングにより減益。EPSは0.18USDと市場予想の0.17USDを上回った。
  • 3Qと併せて公表した2020/1期4Q(2019/11-2020/1)会社計画は、売上高が7.17-7.32億USD、既存店売上高が前年同期比2-3%増。6店舗の出店を見込む。併せて通期会社計画を上方修正。売上高を8/28公表の従来計画の18.72-18.92億USDから18.77-18.92億USDへ、当期利益を1.73-1.79億USDから1.75-1.79億USDへ、EPSを3.08-3.19USDから3.11-3.19USDへ下限を切り上げた。(増渕)

タンデム・ダイアベティス・ケア(TNDM)市場:NASDAQ ・・・2020/2/25に2019/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定

  • 2006年設立。インスリン依存型糖尿病患者向け製品の設計・開発・販売を手掛け、患者の負担軽減目的でのコンピューター制御による小型インスリンポンプシステム「t:slim X2」を主力製品とする。
  • 11/4発表の2019/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比2.0倍の9,465万USD、売上高営業利益率が前期の▲34%から▲6%に改善。主力のポンプシステム納入件数が同2.1倍の17,839件に伸びた。Non-GAAPの調整後EBITDAは前年同期の▲471万USDから1,271万USDへ黒字転換した。
  • 通期会社計画は、売上高が3.58-3.65億USD(従来計画:3.50-3.65億USD)、調整後EBITDAマージンが7-12%(同:5-10%)と前回発表時から上方修正。2019/12期3Qの海外売上高が前年同期比6.3倍の1,580万USDと拡大する中、11/20にカナダ当局から同社の「t:slim X2」が承認された。肥満が社会問題化している米国だけでなく、海外でも同社製品の普及が期待されよう。(笹木)

ベリント・システムズ(VRNT)市場:NASDAQ ・・・2020/3/27に2020/1期4Q(11-1月)の決算発表を予定

  • 1994年設立。アクショナブルインテリジェンスソリューションのグローバルリーダーで、顧客エンゲージメント最適化やセキュリティーインテリジェンスなどにフォーカスしたソリューションを提供する。
  • 12/4発表の2020/1期3Q(8-10月)は、売上高が前年同期比6.7%増の3.24億USD、純利益が同38.3%減の1,168万USD。サイバーインテリジェンス部門でのソフトウェアモデルへの転換に伴うハードウェア販売の利益率低下が響いた。調整後EPSは0.94USDと市場予想の0.84USDを上回った。
  • 通期会社計画は、売上高が13.60億USDの±2%、EPSが3.65USD、調整後EPSが4.00USD。売上高は9/4公表の従来計画の13.75億USDの±2%から引き下げた。12/4には自社を上場会社2社に分割し、Apax Partnersからの出資を受け入れると発表。2021/1期末に分割が完了する。事業特性に合わせたインセンティブプログラムや資本構成の導入により両社とも恩恵がある見込み。(増渕)

ザイレム(XYL)市場:NYSE ・・・2020/1/30に2019/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定

  • 2011年にコングロマリット企業のITT(ITT)から水機器サービス部門がスピンオフして設立。上下水道用の機器・装置を設計・製造・販売し、関連サービスを提供。世界150ヵ国以上で事業を展開。
  • 10/31発表の2019/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比0.7%増の12.96億USD、純利益が同50%減の6,500万USD。ただし、公益セクター顧客からの増収が寄与したこともあり、Non-GAAPの調整後純利益が同7.2%増の1.49億USD、調整後営業利益率が同0.5%ポイント上昇の15.1%。
  • 通期会社計画は、オーガニック売上高が前期比3-4%増(従来計画:前期比5-6%増)、調整後EPSが3.01-3.03USD(同:3.12-3.22USD)と前回発表時から下方修正。気候変動リスクへの世界的関心が高まる中、水害、排水規制などの環境保全強化、および上下水道設備老朽化などの水にまつわる問題への迅速な解決策が求められており、同社事業への需要増が期待されよう。(笹木)
フィリップ証券株式会社

今すぐ外国株式口座開設

今すぐお取引

免責事項・注意事項

  • 当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。フィリップ証券は、レポートを提供している証券会社との契約に基づき対価を得ております。当資料に記載されている内容は投資判断の参考として筆者の見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものではありません。投資に関する最終決定は、お客さまご自身の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害についても責任を負いません。当資料の一切の権利はフィリップ証券株式会社に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じます。

    <日本証券業協会自主規制規則「アナリスト・レポートの取扱い等に関する規則平14.1.25」に基づく告知事項>
    本レポートの作成者であるアナリストと対象会社との間に重大な利益相反関係はありません。
ユーザーネーム
パスワード

セキュリティキーボード

ログインにお困りの方

国内信用デビュー&おかえりキャンペーン

ご案内
・【よりスムーズな解決を実現!】お問い合わせ内容の事前入力サービス
・口座開設の流れ

よくあるお問合せ
・NISA関連のお問い合わせ
・パスワード関連のお問い合わせ

HYPER SBI 2 ダウンロード
  • オンラインセミナー
  • 【当選確率最大+5倍!?】最大10万円が当たる!SBIセレクト買付応援キャンペーン

SBI証券はお客様の声を大切にしています


ページトップへ

何かお困りですか?

今すぐ口座開設

お問い合わせ  |  投資情報の免責事項  |  決算公告  |  金融商品取引法等に係る表示  |  システム障害の備え

金融商品取引業者 株式会社SBI証券 関東財務局長(金商)第44号、商品先物取引業者
加入協会/日本証券業協会、一般社団法人 金融先物取引業協会、一般社団法人 第二種金融商品取引業協会、一般社団法人 日本STO協会、日本商品先物取引協会
SBI証券(オンライン総合証券最大手)−オンライントレードで株式・投資信託・債券を− © SBI SECURITIES Co., Ltd. ALL Rights Reserved.