SBI証券(オンライン総合証券最大手)−オンライントレードで株式・投資信託・債券を−

株価検索
  • ポートフォリオ
  • 取引
  • 口座管理
  • 入出金・振替

2024-03-29 22:52:19

マーケット > レポート > 米国ウィークリー・マンスリー >  “ワクチン開発競争はもう一つのオリンピックか?”

“ワクチン開発競争はもう一つのオリンピックか?”

2020/6/2
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘

“ワクチン開発競争はもう一つのオリンピックか?”

  • 5/25の米祝日メモリアル・ディ明けの米株式市場は、中国全人代で香港国家安全法が採択された際の米中対立激化への懸念、および新型コロナウイルス感染「第2波」のリスクといったマイナス要因に対し、経済活動再開に対する楽観的な見方、およびワクチン開発への期待といったプラス要因が優位に立つ展開となった。ゴールドマン・サックス・グループ(GS)といった金融、およびDOW Inc(DOW)といった資本財・サービスなどの景気敏感セクターが買われ、5/29終値は、ダウ平均株価が前週末比917ドル高の25,383ドル、ナスダック総合指数が同165ポイント高の9,489ポイントと堅調に推移した。
  • 特に新型コロナウイルスのワクチン開発への市場の期待は根強い。来年に延期された東京五輪について、国際オリンピック委員会(IOC)では「必要な安全策が講じられれば21年大会を成功させることは可能」との見方を示しつつも、医療専門家の間では夏期五輪のような大規模かつ国際的なイベントを安全に開催するには予防ワクチンが欠かせないとの見解に傾きつつある。そのような状況下、現在、オリンピックと同様に国家の威信を賭けて新型コロナウイルスの予防ワクチン開発競争が繰り広げられ、主に米中企業の攻防が激しさを増している。米国勢は、モデルナ(MRNA)のワクチン候補が5/7に米食品医薬品局(FDA)からフェーズ2臨床試験開始を承認されたほか、ノババックス(NVAX)がワクチン候補についてヒトへの試験開始を発表。イノビオ・ファーマシューティカルズ(INO)も既にヒトを対象としたワクチンの治験を4月に開始している。これに対し中国勢は、カンシノ・バイオロジクスが5/25にフェーズ1臨床試験を完了した段階で世界で初めてヒトに対する効果が確認されたと発表したほか、シノバック・バイオテックが5月にワクチン候補のフェーズ2臨床試験を開始した。
  • ナスダック総合指数の終値は過去最高値を付けた2/19に対し5/29が96.7%となった。これに対し、ナスダック上場のバイオテクノロジー株全体の時価総額加重平均指数であるナスダック・バイオテクノロジー株指数の終値は5/29が2/19比109.0%とナスダック総合指数のパフォーマンスを上回った。国策として年内のワクチン開発を目指す「ワープスピード作戦」が進められるなか、バイオテクノロジー株が年内の米国株式市場を牽引することが見込まれよう。また、ワクチンの開発が進めば量産体制の確立が更なる焦点となることが想定され、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)など製薬世界大手も今後は注目されよう。(笹木)
  • 6/2号ではアドビ(ADBE)コストコホールセール(COST)セールスフォース・ドットコム(CRM)テスラ(TSLA)ビザ(V)ウエイスト・マネジメント(WM)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(5/29現在)

主要企業の決算発表予定

6月3日(水) キャンベルスープ
6月4日(木) ブロードコム、クーパー、ギャップ、JMスマッカー

主要イベントの予定

6月2日(火)
  • 米自動車販売 (5月)
6月3日(水)
  • 米ADP雇用統計 (5月)、米製造業受注 (4 月)、米ISM非製造業総合景況指数 (5月)
6月4日(木)
  • 米新規失業保険申請件数 (5月30日終了週)、米貿易収支 (4月)
6月5日(金)
  • 米雇用統計(5月)、米消費者信用残高 (4月)
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

アドビ(ADBE)市場:NASDAQ・・・2020/6/11に2020/11期2Q(3-5月)の決算発表を予定 

  • 1982年設立のソフトウェア企業。同社が開発した文書フォーマット「PDF」は国際標準。Document Cloud、Creative Cloud、Experience Cloudの3つのクラウドから継続課金のソフトウェアを提供する。
  • 3/12発表の2020/11期1Q(2019/12-2020/2)は、売上高が前年同期比18.8%増の30.91億USD、純利益が同41.7%増の9.55億USD。主力デジタルメディア事業のうち、クリエティブやドキュメントはそれぞれ同22%増収(18.2億USD)、同34%増収(3.51億USD)といずれも過去最高を更新。
  • 一部企業によるサービス実装の延期や経費削減などを受け、2020/11期2Q(3-5月)の会社計画では同16%増収、同28%増益と直近5年間で最も保守的な見通しが示された。一方で、同社が2018に買収したMarketoやMagentoによるシナジー効果がデジタルメディア事業に大きく寄与できるとみられる。また、テレワーク増加に伴うクラウド需要の増加も引き続き同社への追い風となろう。(李)

コストコホールセール(COST)市場:NASDAQ・・・2020/9/25に2020/8期4Q(6-8月)の決算発表 

  • 1976年創業。ウェアハウス・クラブ(会員制倉庫型店舗)を運営しており、生鮮・加工食品、家電や自動車関連などを卸売価格で販売する。店舗数は787店舗(2020/5)。Eコマースサイトも展開。
  • 5/28発表の2020/8期3Q(5/10までの12週間)は、売上高が前年同期比7.3%増の372.66億USD、純利益が同7.5%減の8.38億USD。衛生管理や賃金上昇に係る費用増が響いたが、ガソリンや為替変動を除く調整後の既存店売上高が同7.8%増、Eコマースの調整後売上高も同66.1%増と好調。
  • コロナ禍を背景とした買い溜めで3月既存店売上高は前年同月比9.6%増と好調だったが、その後のロックダウンに伴う外出制限で4月既存店売上高は同4.7%減とやや失速。また、コロナ対策や従業員時給増加を受け、コロナ関連費用2.83億USDの計上が重荷となった。会員料金は6/1から値上げの予定であり、利益の源泉となる会員数(5/10現在、約9,540万人)の増加率が注目されよう。(李)

セールスフォース・ドットコム(CRM)市場:NYSE・・・会社発表およびBloomberg予想ともに決算発表日の記載なし 

  • 1999年創業。CRM(顧客関係管理)の大手企業。クラウドを通じ見込み客の開拓やマーケティングなど様々なソリューションを提供する。企業向けクラウドサービスの「Salesforce Platform」も展開。
  • 5/28発表の2021/1期1Q(2-4月)は、売上高が前年同期比30.2%増の48.7億USD、純利益が同74.7%減益の9,900万USD。4大業務のうち、セールスフォース・プラットフォームは同62.0%増収(13.64億USD)、サービスクラウドは同22.7%増収(12.52億USD)と好調。セールスはやや鈍化。
  • 売上高の会社計画は2021/1期2Q(5-7月)を48.9-49.5億USDとしたほか、2021/1通期を従来の211億USDから約200億USDへ下方修正。コロナ禍に伴う顧客企業のIT支出減などを勘案しやや保守的な計画となった。企業が在宅勤務で販売、サービス、および広告を支援できる3つのサポート製品をリリースするなど、テレワークの需要拡大を取り組むことで業績面のサプライズも期待されよう。(李)

テスラ(TSLA)市場:NASDAQ・・・2020/7/24に2020/12期2Q(4-6月)の決算発表を予定 

  • 2003年設立。電気自動車(EV)の設計・製造・販売、電気パワートレイン部品の他の自動車メーカーへの販売、および充電式リチウムイオン電池システムなどのエネルギー貯蔵製品の販売を営む。
  • 4/29発表の2020/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比31.8%増の59.85億USD、純利益が▲7.02億USDから1,600万USDに黒字転換。EV販売台数が同40.3%増(約88,400台)となった。また、営業利益率は前四半期比0.2%ポイント低下したが、EV販売の利益率が同3.0%ポイント上昇した。
  • コロナ禍による影響が不透明なため、2020/12通期の業績見通しを取り下げた。上海工場で主力小型車「モデル3」の生産量増加に伴い利益率が改善されたほか、ロックダウンで操業停止となった米国内工場も5月下旬に操業再開。主力モデルの販売シフトにより平均販売価格は低下したものの、高い水準の利益率が維持されている。中国市場での販売拡大で好業績が期待されよう。(李)

ビザ(V)市場:NYSE・・・2020/7/23に2020/9期3Q(4-6月)の決算発表を予定 

  • 1958年の「BankAmericard」を発祥とするクレジットカード会社。金融機関・販売業者・消費者・企業のほか相互の小売電子決済ネットワーク運営やデータ転送を通じて国際的商取引を提供する。
  • 4/30発表の2020/9期2Q(1-3月)は、純収益が前年同期比7.0%増の58.54億USD、純利益が同4.0%増の30.84億USD。カード決済取扱額が同5%増となり、19年10-12月期の同8%増から伸びが鈍化。旅行需要の落ち込みが響き、アジアを主力とするクロスボーダー決済額が同2%増に減速。
  • コロナ禍に伴う不透明感で2020/9通期の業績見通しを見送った。4月末の時点で米国のカード決済取扱額が同19%減と厳しさが残るなか、同社は配当方針を維持したほか、今年度90億USD自社株買い計画のうち、年初から56億USD(平均価格179.94USD、3,090万株)を買い入れた。また、世界中の巣籠もりが結果的にネット決済を後押しするなど、支払いのデジタル化の恩恵を受けよう。(李)

ウエイスト・マネジメント(WM)市場:NYSE・・・2020/7/24に2020/12期2Q(4-6月)の決算発表を予定 

  • 1968年設立。全米最大規模の廃棄物管理サービス会社であり、廃棄物の回収、移送、リサイクル、資源回収、処分を行う。廃棄物再エネルギー施設の開発・運営・所有業者としても全米首位。
  • 5/6発表の2020/12期1Q(1-3月)は売上高が前年同期比0.1%増の37.29億USD、純利益が同4.0%増の3.61億USD。但し、Non-GAAPの調整後営業EBITDAは同2.6%増の10.1億USD。売上高の68%を占めるゴミ収集は同2.5%増収、フリーキャッシュフロー(FCF)が同26.2%減の3.18億USDだった。
  • コロナ禍による不確実性を受け、同社は2020/12通期の業績ガイダンスを取り下げたほか、ロックダウンや巣籠もり消費で商業ごみの減少が2020/12期2Qの業績に響くとの見方を示した。一方で、競合他社が少ない公益関連のディフェンシブ銘柄として、16年連続で増配し、5年間の平均配当成長率が6.67%に達した。コロナ禍のなか、増配政策を堅持する同社の経営方針が注目されよう。(李)
フィリップ証券株式会社

今すぐ外国株式口座開設

今すぐお取引

免責事項・注意事項

  • 当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。フィリップ証券は、レポートを提供している証券会社との契約に基づき対価を得ております。当資料に記載されている内容は投資判断の参考として筆者の見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものではありません。投資に関する最終決定は、お客さまご自身の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害についても責任を負いません。当資料の一切の権利はフィリップ証券株式会社に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じます。

    <日本証券業協会自主規制規則「アナリスト・レポートの取扱い等に関する規則平14.1.25」に基づく告知事項>
    本レポートの作成者であるアナリストと対象会社との間に重大な利益相反関係はありません。
ユーザーネーム
パスワード

セキュリティキーボード

ログインにお困りの方

SBI マネーアシスタント

ご案内
・【よりスムーズな解決を実現!】お問い合わせ内容の事前入力サービス

よくあるお問合せ
・証券税制と確定申告について
・NISA関連のお問い合わせ
・パスワード関連のお問い合わせ

HYPER SBI 2 ダウンロード
  • オンラインセミナー
  • クレカ積立 上限金額UPでさらに便利に

SBI証券はお客様の声を大切にしています


ページトップへ

何かお困りですか?

今すぐ口座開設

お問い合わせ  |  投資情報の免責事項  |  決算公告  |  金融商品取引法等に係る表示  |  システム障害の備え

金融商品取引業者 株式会社SBI証券 関東財務局長(金商)第44号、商品先物取引業者
加入協会/日本証券業協会、一般社団法人 金融先物取引業協会、一般社団法人 第二種金融商品取引業協会、一般社団法人 日本STO協会、日本商品先物取引協会
SBI証券(オンライン総合証券最大手)−オンライントレードで株式・投資信託・債券を− © SBI SECURITIES Co., Ltd. ALL Rights Reserved.