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2024-03-28 23:32:03

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“噴出する米国株失速懸念、米国株の意義を再認識”

2021/9/14
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘

“噴出する米国株失速懸念、米国株の意義を再認識”

  • 8月の雇用統計発表の翌週になって、急に米国株式相場失速の懸念が市場に広がり始めた。ゴールドマン・サックス・グループは「高いバリュエーションが市場の脆弱性を高めている」、「重要なのは、大きなネガティブサプライズが発生した場合、市場に緩衝材が殆ど残っていないことだ」と指摘。シティグループのストラテジストは、S&P500株価指数のロングポジションがショートポジションの10倍近くの超強気ポジションとなっている現状から、小幅な調整でもロングポジションの強制的解消によって損失が増幅されるおそれがあると警告。モルガン・スタンレーは8/7、10月末までに経済成長に「特大のリスク」があることを理由に挙げて米国株の投資判断を「アンダーウェイト」に、世界株式を「イコールウェイト」にそれぞれ引き下げた。
  • 既にアフガニスタン駐留米軍撤退の進め方への批判等を受けてバイデン大統領の支持率が急落し、世論調査の平均で不支持率が上回るなか、9/10発表の8月の生産者物価指数が前年同月比8.3%上昇と、コロナ禍によるサプライチェーン圧迫に伴う高インフレが当面続く公算が高いと見られ、FRBによるテーパリング(量的緩和の縮小)が年内に開始される可能性が懸念されている。また、米連邦債務上限問題でイエレン財務長官が「10月にも政府資金が枯渇する可能性が高い」と繰り返し警告している。
  • 株式市場のバリュエーションについては、著名投資家のウォーレン・バフェット氏が重視するとされ、Bloombergによると株式の時価総額を名目GDPで割ってパーセント表示にした数値の「バフェット指数」が9/3に史上最高の229%に達した。一般に100%を上回るか下回るかで株価の割高・割安を解釈するといわれるなか、割高感は否定できないだろう。なお、日本のバフェット指数は9/10で123%にとどまる。「高いバリュエーションが市場の脆弱性を高めている」という指摘は的を射ている面もあり、日本株など割安市場への資金をシフトする投資家が続出しても不思議ではない。
  • 一方で、米国株は将来の成長期待によって割高感が正当化されてきた面が強い。FRBのバランスシート拡大に伴って過剰流動性マネーが時価総額の大きいGAFAMなどハイテク株に流入するペースはテーパリングによって減速を余儀なくされ、その影響が米国株全体に及ぶ可能性はあろう。それでも、成長途上のグロース株が日本株に殆ど見られないような成長のスピード感とスケールを伴って時価総額を拡大していくのを妨げるものではないだろう。その意味では、米国株の投資意義が再認識されよう。(笹木)
  • 9/14号では、AGCO(AGCO)、 Allegro MicroSystems Inc(ALGM)Avalara(AVLR)イーグル・マテリアルズ(EXP)ペンティア(PNR)オン・セミコンダクター(ON)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(9/10現在)

主要企業の決算発表予定

9月20日(月) レナー
9月21日(火)アドビ、フェデックス、オートゾーン

主要イベントの予定

9月14日(火)
  • アップルが製品発表イベント、カリフォルニア州ニューソム知事のリコール選挙、国際エネルギー機関(IEA)月報、国連人権理事会(ジュネーブ、10月9日まで)、第76回国連総会開幕(ニューヨーク)・21日から一般討論演説
  • 米CPI(8月)
9月15日(水)
  • ニューヨーク連銀製造業景況指数(9月)、米輸入物価指数(8月)、米鉱工業生産(8月)
9月16日(木)
  • 米小売売上高(8月)、新規失業保険申請件数 (11日終了週)、フィラデルフィア連銀製造業景況指数(9月)、企業在庫(7月)、対米証券投資(7月)
9月17日(金)
  • 米食品医薬品局(FDA)がファイザー製ワクチンのブースター接種の是非を巡りワクチンおよび関連生物製剤に関する諮問委員会(VRBPAC)開催
  • ミシガン大学消費者マインド指数・速報値(9月)
9月20日(月)
  • NAHB住宅市場指数(9月)
9月21日(火)
  • 建設許可件数(8月)、経常収支(2Q)、住宅着工件数(8月)
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

AGCO(AGCO)市場:NYSE・・・2021/11/3に2021/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定 

  • 1990年設立の農業機械メーカー。フルラインの機械と関連サービスにて農業の生産性向上を支える。Challenger、Fendt、GSI、Massey Ferguson、Valtraの主要5ブランドが世界140ヵ国以上で流通。
  • 7/29発表の2021/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比43.5%増の28.79億USD、Non-GAAPの調整後純利益が同2.6倍の2.18億USD。北米、南米、欧州・中東、アジア太平洋・アフリカの全地域セグメントが同30%台以上の増収。また、全体の営業利益率が同3.6ポイント上昇の12.3%と向上。
  • 通期会社計画を上方修正。売上高を前期比24.2-26.4%増の113-115億USD(従来計画106-108億USD)、EPSを同68.1%増の9.5USD(同8.4-8.6USD)とした。同社は2020年の農業機械市場で米ディア、日本のクボタ、伊CNHインダストリアルに次ぐ世界4位を占めるなか、アフリカ市場に積極投資。2Qはアフリカを含めたアジア太平洋・アフリカが前年同期比56.7%増収と最大の伸び率を示した。

AllegroMicroSystemsInc(ALGM)市場:NASDAQ・・・2021/11/4に2022/3期2Q(7-9月)の決算発表を予定 

  • 1990年設立の半導体メーカーで日本サンケン電気の子会社。動作制御および高エネルギー効率のシステム用センサーIC、並びにアプリケーション固有のアナログパワーICの設計・開発ほかを行う。
  • 7/29発表の2022/3期1Q(4-6月)は、売上高が前年同期比63.6%増の1.88億USD、Non-GAAPの調整後純利益が同2.8倍の3,520万USD。前四半期比でも、売上高が7%増、調整後純利益が24%増。自動車市場におけるEV(電気自動車)およびADAS(先進運転システム)の需要増の恩恵を受けた。
  • 2022/3期2Q(7-9月)の会社計画は、売上高が前年同期比35.4-39.8%増の1.85-1.91億USD、前四半期比では概ね横ばいを想定。同社の自動車向けセンサー半導体は電気自動車(EV)や自動運転システム向け需要拡大が見込まれるなか、親会社が「同社の一段の成長」を経営目標に掲げる。また、同社時価総額が親会社の約4.5倍に達しており、投資ファンドから狙われやすい面もあろう。

Avalara(AVLR)市場:NYSE・・・2021/11/5に2021/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定 

  • 1999年設立。取引税コンプライアンスのための自動納税対応ソフトウェアのクラウドサービスを世界中の企業に提供。リアルタイムでの処理のほか納税申告書・免税証明書の作成なども自動で行う。
  • 8/5発表の2021/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比45.2%増の1.69億USD、Non-GAAPの調整後純利益が同52.3%減の177万USD。調整後粗利率は同横ばいの74%だが、売上高営業費用率が同7ポイント上昇悪化の87%。先行投資目的の研究開発や販売マーケティング費用が嵩んだ。
  • 通期会社計画を上方修正。売上高を前期比34.2-35.0%増の6.72-6.76億USD(従来計画6.50-6.54億USD)、調整後営業利益を前期の▲314万USDから▲1,000-▲1,400万USD(同▲1,500-▲1,900万USD)とした。過去12ヵ月間で収益3千USD以上のコア顧客数が6月末で前年同月比21%増、3月末比5.3%増と伸長。バイデン政権による増税など税制改革が実現すれば同社業績へ恩恵となろう。

イーグル・マテリアルズ(EXP)市場:NYSE・・・2021/10/29に2022/3期2Q(7-9月)の決算発表を予定 

  • 1963年設立。重建設・軽量建築資材および石油・ガス抽出に使用する資材を製造・供給。セメント、コンクリート・骨材、石膏壁板、再生板紙の4事業セグメントを運営。公共建設プロジェクトに強い。
  • 7/28発表の2022/3期1Q(4-6月)は、売上高が前年同期比11.4%増の4.75億USD、純利益が同0.9%減の9,532万USD。利益面で前年同期の北カリフォルニアのコンクリート・骨材事業売却益を計上した一時的要因の反動減が出た。主要4事業が全て増収となるなか、石膏壁板が同27.7%増収。
  • 2022/3期に係る会社計画は未公表。同社は昨年9月、「脱炭素」を目的として主力事業の1つだった石油・天然ガス抽出資材事業を売却。また、8/10、米議会上院が5年間で約5,500億USDの新規支出を含む1兆USD規模の超党派インフラ投資法案を可決。新規支出のうち道路・橋梁整備プロジェクト1,100億USD、公共交通整備392億USDなど、法案が成立すれば業績の押し上げが期待されよう。

ペンテア(PNR)市場:NYSE・・・2021/10/20に2021/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定 

  • 1966年設立の英ロンドンに本社を置くスマート水道ソリューション提供企業。住宅・商業向け水処理製品の「消費者ソリューション」、主に企業向けの「産業&フロー技術」の2事業セグメントを営む。
  • 7/27発表の2021/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比31.3%増の9.41億USD、Non-GAAPの継続企業に係る調整後純利益が同43.9%増の1.40億USD。事業セグメント別の増収率は、消費者ソリューションが同43.8%増、産業&フロー技術が同16.7%増。前四半期比でも全体売上高が8.7%増。
  • 通期会社計画を上方修正。売上高を前期比21-23%増(従来計画6-11%増)、調整後EPSを同32-36%増の3.30-3.40USD(同2.80-2.95USD)とした。「ナスダック・べレス・カリフォルニア水指数」が今年に入って約8割上昇するなか、「安全な水とトイレを世界中に」が国連SGDs(持続可能な開発目標)における目標の一つとされ、きれいな水を供給する企業とその技術への注目度が高まっている。

オン・セミコンダクター(ON)市場:NASDAQ・・・2021/10/21に2021/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定 

(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。

  • 1999年設立の半導体ソリューション企業。電力ソリューション(PSG)、先端ソリューション(ASG)、インテリジェント・センシング(ISG)の3事業グループを営む。センサーほか包括的ポートフォリオを提供。
  • 8/2発表の2021/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比37.6%増の16.69億USD、Non-GAAPの調整後EPSが同5.3倍の0.63USD。3事業の全部が同28%以上の増収だった。前四半期比でも、売上高が12.7%増、調整後粗利率が3.2ポイント向上の38.4%、調整後EPSが80.0%増と堅調に推移した。
  • 2021/12期3Q(7-9月)の会社計画は、売上高が前年同期比26.0-33.6%増の16.60-17.60億USD、調整後粗利率が同5.5-7.5ポイント上昇の39.0-41.0%、調整後EPSが同2.5-3.0倍の0.68-0.80USD。同社は車載画像センサーで約45%の世界首位に加え、パワー半導体で独インフィニオンテクノロジーズに次いで世界第2位。ADAS(先進運転システム)とEV(電気自動車)の総合力で強みを発揮しよう。
  • (※)決算発表の予定は9/10現在であり、変更される可能性があります。
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