年初から話題になっていたベトナム市場における新たな株価指数「VN30指数」の構成銘柄が1月30日、構成比率が2月3日に発表され、2月6日より適用された。ベトナムのホーチミン証券取引所(HOSE)の目的として、新たな株価指数を導入することで、海外からの投資資金を呼び込むことが挙げられる。また、これまで使用されてきたVN指数は下表からも分かるように、上位4銘柄のウェートが大きく、4銘柄が上昇したことで指数も牽引され、相場全体の動向を必ずしも正確に把握できないという問題もあったため、今回は1銘柄あたり最大でも10%を超えないように配慮されている。
世界的に見ても昨年は大きく売り込まれていただけに、ベトナムの株式市場に対する大幅反発の期待は多くの投資家が抱いており、今回のような施策にはポジティブな見方をする向きが多い。しかし、これまで何回も同国の株式市場に痛い目を見せられた現地の投資家には厳しい見方をする者もいる。まず、VN30指数は時価総額や流動性に重点を置いて決めた銘柄群である為、必ずしも優良企業が選別されているわけではないということに注意しなければいけない。また、今後HOSEとハノイ証券取引所(HASTC)の合併が計画されているが、VN30指数にはHOSEに上場している銘柄しかなく、今後どのように運営されるのかも不透明である。
表1:従来のVN指数上位30銘柄と新指数・VN30の構成銘柄 一覧
- 出所:Bloomberg、各種資料
新指数に期待はするが、課題も山積み