2017/02/21
提供:三菱UFJ国際投信
「投資環境ウィークリー」2月20日号より抜粋
トランプ大統領が2月9日に、2、3週間のうちに税制に関する「驚くべき」発表をすると表明してから、大型減税・インフラ投資への期待で米国株の上昇が続いています。NYダウは2月16日まで7営業日連騰し、9日以降+2.8%上昇しています。一方、日経平均株価の上昇率は10日以降+1.7%にとどまり、この間の円高(ドル円相場は変化率▲0.4%)の影響もあり、足元では伸び悩んでいる状況です。
先週公表された2月のNY連銀、フィラデルフィア連銀の製造業景気指数がともに事前予想を上回り急上昇、フィラデルフィア連銀指数にいたっては1984年1月以来約33年ぶりの高水準です。昨年後半からのドル高進行にもかかわらず企業マインドは上向いています。FRB(米連邦準備理事会)のイエレン議長は2月14日の議会証言で、利上げの先延ばしし過ぎは賢明でなく3、5、6月の何れも利上げの可能性があるという考えを示しました。また、先週公表された1月生産者物価、消費者物価が前月比+0.6%と大きく上昇し、早期利上げ観測が台頭しています。
FF金先が織り込む次回3月14-15日FOMCの米利上げ確率は、2月8日の24%から先週末は34%に上昇、イエレン議長の議会証言後は44%まで上昇しました。次回利上げは6月との予想が依然多数と考えられますが、雇用や物価統計次第ではそれ以前の利上げは十分ありうると言えます。また、トランプ政権の財政刺激策の詳細が明らかになれば、利上げが前倒しされる可能性もあり、28日の大統領施政方針演説に注目が集まります。他方、米早期利上げ観測が高まり為替相場がドル高円安に傾けば、日本株の上昇要因となり上値を試す展開も想定されます。今週公表されるFOMC議事録は利上げのタイミングを判断する材料になりえましょう。
◆米国:足元の景気の堅調さを背景に早期利上げ観測が高まっており、次回3月のFOMCで利上げが決まり、利上げペースが加速するのかが焦点です。22日のFOMC議事録では、早期利上げの是非やFRBバランスシート縮小の時期についての議論が注目です。また、多くの地区連銀総裁の講演が予定されており、好調な景気や予想される財政刺激策をうけ、経済見通しの変化や早期利上げの必要性に対する示唆が金融市場に影響しそうです。22日の1月中古住宅販売、24日の1月新築住宅販売は上昇基調を維持し、金利上昇による失速はないとみています。
◆日本:1月貿易統計では中国の旧正月要因もあり輸出の伸びが鈍化、ただし円安効果により輸出は今後拡大する公算高く、景気の牽引役が期待できましょう。
◆その他:ブラジルは消費者物価前年比の低下(1月+5.35%)により、21-22日の金融政策委員会で昨年10月来4回目の利下げ(13.0%→12.25%)が予想されます。利下げによる景気回復期待でレアル相場は底堅く推移する見込みです。(向吉)
今週・来週の主要経済指標と政治スケジュール
2/20(月) |
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(日)1月 貿易統計(通関ベース、季調値) |
2/21(火) |
(日)1月 全国百貨店売上高(前年比) |
2/22(水) |
(日)東京都議会定例会(〜3月30日) |
2/23(木) |
(日)木内日銀審議委員 講演 |
2/24(金) |
(日)プレミアムフライデー 初実施 |
注)上記の日程及び内容は変更される可能性があります。
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