2018/01/16
提供:三菱UFJ国際投信
「投資環境ウィークリー」1月15日号より抜粋
先週は、米国株では決算発表が始まり最高値を更新、米10年債利回りは2.5%を上回る水準まで上昇しています。またユーロは対ドルで1.2を上回る水準まで上昇。
◆米国:17日のベージュブック、19日のミシガン大学消費者信頼感や各FOMCメンバーの講演などに注目です。また12日にJPモルガン・チェースの企業決算が発表され、2017年12月に成立した税制改革を受け、利益に一時的なマイナスが出たものの、同改革によって2018年の利益が膨らむ見通しを示し、NYダウの押し上げに寄与しました。今週も金融機関の決算が予定されており内容に注目です。
◆カナダ:17日の金融政策決定会合では0.25%の利上げが予想されています(据え置き5名、利上げ18名)。1月5日の雇用統計が予想を上回る堅調な内容であったことから利上げ期待が高まっており、足元では年内2回の利上げが約90%織り込まれています。ただ、1月10日に米国がNAFTA(北米自由貿易協定)離脱確率が高まったとの報道がありカナダ・ドルが一時下落するなど、現状では2018年3月が期限となるNAFTA再交渉は引き続き注目イベントとなります。
◆英国:米ドル安や12月にEU離脱交渉で進展がみられたこと等から、ポンドは対ドルで2016年6月のEU離脱の国民投票以来の高値をつけています。離脱交渉の不透明感が徐々に払拭されるなかで、今後は金融政策に注目が集まるとみています。年後半の利上げ確率が50%超となるなか、16日の消費者物価に注目です。
◆中国:12月の鉱工業生産・小売売上高・固定資産投資、2017年10-12月期のGDP成長率が18日に発表されます。2017年11月より2018年3月まで環境規制のため生産調整等を行っているものの、製造業PMIは底堅く推移しており、通年のGDP成長率も2016年の前年比+6.7%から2017年の同+6.8%に加速する見込みです。
◆豪州:7・8月と前月比マイナス成長であった小売売上高は、その後、プラスに回復し、直近の12月は前月比+1.2%と予想(同+0.4%)を上回りました。主要輸出品である鉄鉱石価格も底堅く推移しているなか、豪ドルの上昇は限定的で米国との金利差が縮小していることが背景とみています。17日の消費者信頼感で今後も消費が下支えられ、18日の失業率で雇用のさらなる回復が確認できるか注目です。
◆原油:NY原油先物は年初来で6.4%上昇し足元では64ドルまで上昇、ブレント原油先物は一時70ドルを上回っています。原油価格は上昇しているものの、石油掘削装置(リグ)稼動数はほぼ横ばいで推移しており、米シェール企業の増産観測はまだありません。一方、イランなどの中東リスクやベネズエラのデフォルトなどもありOPEC(石油輸出国機構)の原油供給が抑えられるとの見方があります。18日のOPEC月報や19日のIEA月報での需給見通しに注目です。(永峯)
今週・来週の主要経済指標と政治スケジュール
1/16(火) |
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(米)1月 ニューヨーク連銀製造業景気指数 |
1/17(水) |
(米)12月 鉱工業生産(前月比) |
1/18(木) |
(米)1月 フィラデルフィア連銀製造業景気指数 |
1/19(金) |
(米)1月 ミシガン大学消費者信頼感指数(速報) |
注)上記の日程及び内容は変更される可能性があります。
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