2018/04/17
提供:三菱UFJ国際投信
「投資環境ウィークリー」4月16日号より抜粋
■今週は経済面では注目材料多いが、市場の関心はやはりシリア、米国内政
今週は、経済面ではIMF(国際通貨基金)と世界銀行の年次春季会合が開催され世界経済見通しも改定、貿易摩擦の影響がどう反映されるか注目されます。但し金融市場の関心は、むしろ米国を中心とした内外政治情勢にあるとみています。
■米英仏シリア攻撃、ロシアの反応が焦点。米国の悩みは内政面でも
13日、米国は英仏と共に化学兵器使用疑惑のあるシリアへ攻撃を実施、同国アサド政権を支援するロシアは国連安保理に非難決議を発議するも否決されました。今後はロシアの動静が注目されますが、金融市場では今回の緊張が短期で収束するかが最大の焦点といえるでしょう。折しも先週にはロシアのアルミニウム生産会社のドル建て債券が事実上取引不能となるなど、足元経済面でのロシア制裁包囲網は拡大、昨年4月の米シリア攻撃の時とはロシアが置かれた環境は明らかに異なります。今週20日には米ワシントンでG20財務大臣・中央銀行総裁会議が、22日からは加トロントでG7外相・安全保障担当相会合が控えます。米国中心とした西側のロシアへの経済制裁が一段と強化されれば、ロシアプーチン大統領は強硬に反発、緊張緩和に時間を要する可能性もありそうです。かたやトランプ大統領も外交面に加え内政面でも難局を迎えています。ロシアを巡る疑惑(2016年大統領選でのロシア関与)に関連し、大統領の弁護士が強制捜査を受けたためです。
■ロシアを巡る疑惑(ロシアゲート)捜査進展で米ワシントンに激震の可能性も
米トランプ大統領の弁護士、コーエン氏への連邦捜査局(FBI)による強制捜査は大統領の交遊関係を巡る捜査が名目ですが、先の大統領選でのロシア関与を捜査するモラー特別検察官が捜査をお膳立て、大統領とロシアの接触を調べている模様です。激高したトランプ大統領は同氏や強制捜査を直接認めたローゼンスタイン司法副長官の解任をチラつかせる一方、米議会は両氏の解任阻止法案も検討、大統領への無言の反旗ともとれる下院共和党ライアン議長の11月選挙不出馬表明など、大統領と議会の関係は一段と悪化、こちらも緊張が高まっています。
シリア攻撃後の大統領支持率は42.5%(RealClear Politics調べ)と、トランプ大統領は一定の国内世論の支持を得ています。しかし内政面では、既に先の大統領選のトランプ陣営幹部がロシア政府関係者との接触を認めているほか、17日には大統領に昨年解任されたコミー前FBI長官の著書も発刊、ロシア疑惑に関し大統領に不利な新事実等出れば、関係が悪化する米議会で大統領弾劾の機運が高まる可能性すらあります。今週は特に米ワシントンでの激震の可能性に要注意です。
◆米国:金融大手バンカメ(16日)、ゴールドマンサックス(17日)決算は金融株の、3月小売(16日)、4月Markit景況感(23日)は株価全体の支援材料になりそうです。
◆中国:1-3月期GDP、小売、生産(いずれも17日)等に注目です。(徳岡)
今週の主要経済指標と政治スケジュール
4/16(月) |
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(米)2月 企業売上・在庫(在庫、前月比) |
4/17(火) |
(中)3月 鉱工業生産(前年比) |
4/18(水) |
(日)3月 貿易収支(通関ベース、季調値) |
4/19(木) |
(日)日露戦略対話 |
4/20(金) |
(日)2月 第3次産業活動指数(前月比) |
注)上記の日程及び内容は変更される可能性があります。
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