2020/3/3
提供:三菱UFJ国際投信
「投資環境ウィークリー」3月2日号より抜粋
新型肺炎による悪化が懸念される世界経済
■ 新型肺炎への懸念でリスク回避姿勢強まる
先週は新型肺炎の世界的な感染拡大の不安からリスク回避姿勢が一段と強まりました。世界的に株式市場は大幅下落、安全資産への需要が高まり長期金利は低下しました。新型肺炎感染者数は中国以外でも急増、米国でも感染拡大が予想され、世界的な景気鈍化が懸念されています。米10年債利回りは過去最低の1.1%台に低下、市場は今月0.25〜0.50%の米利下げを見込んでいます。今後は中国以外の感染拡大に歯止めがかかるのかが焦点です。
■ 新型肺炎による景気悪化を確認へ
経済指標では新型肺炎の影響が顕在化しています。2月の日米サービス業景況感は大きく悪化、堅調を維持していた米国製造業の景況感も勢いを失いつつあります。中国の2月製造業PMI(国家統計局)は35.7と過去最低を記録しており、世界的に需要の鈍化が鮮明となっています。1-3月期の経済成長率は世界的に大きく減速するとみられ、世界経済の先行き不安は一段と広がるとみています。米欧日の金融緩和期待は高まるとみられます。
■ スーパー・チューズデーが民主党予備選のヤマ場
米国では3日のスーパー・チューズデーで民主党代議員の約4割が決まり、大統領選の民主党候補が絞られてきます。混戦が予想されるため、躍進してきたサンダース氏が勢いを維持できるのか注目です。先週2月28日にパウエル米FRB議長が、新型肺炎の影響を注視し適切に行動するとの緊急声明を発表し、3月利下げの可能性を示唆したため、FOMCメンバーの講演、豪州・カナダなど金融政策決定会合において政策姿勢が注目されます。(向吉)
今週の主要経済指標と政治スケジュール
3/2(月) |
---|
|
3/3(火) |
|
3/4(水) |
|
3/5(木) |
|
3/6(金) |
|
注)(日)日本、(米)米国、(加)カナダ、
(豪)オーストラリア、(中)中国、
(他)その他、を指します。
日程および内容は変更される可能性があります。
出所) 各種情報、Bloombergより当社経済調査室作成
注)MSCI WORLD、MSCI EM、S&P先進国REIT指数は米ドルベース。
原油は1バレル当たり、金は1オンス当たりの価格。
騰落幅、騰落率ともに2020年2月21日対比
出所) MSCI、Bloombergより当社経済調査室作成
注)上記3図の直近値は2020年2月28日時点。
出所)Bloombergより当社経済調査室作成
当資料に関してご留意頂きたい事項
- 当資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定はお客さまご自身の判断でなさるようお願いいたします。
- 当資料に示す意見等は、特に断りのない限り当資料作成日現在の三菱UFJ国際投信経済調査部の見解です。また、三菱UFJ国際投信が設定・運用するファンドにおける投資判断がこれらの見解に基づくものとは限りません。
- 当資料に示されたコメント等は、当資料作成日現在の見解であり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
- 本資料は当社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、完全性等について保証・約束するものではありません。