前営業日トピックス
アジアタイムでは、中国当局が3日間連続で事実上の人民元切り下げを発表したことから、中国経済に対する懸念を受けて、投資家のリスク回避の動きも見られた。しかし、反応は一時的となり、安全資産とされる円を買う動きは限定的となった。その後は、アジアの主要株価が上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、豪ドルなどの資源国通貨などは、やや上値の重い動きとなった。米国市場では、経済指標の改善を受けて一時的にドルが買われる動きとなったが、上値は限定的となり、その後は上値の重い展開が続いた。その中で、ユーロは主要通貨に対して堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)中国当局が3日連続で事実上の人民元切り下げを発表したことから、中国経済に対する懸念からリスク回避の動きが強まり円が買われる動きとなる。
(2)人民元切り下げの反応は一時的だったことや、その後ドルを買い戻す動きとなったことから、堅調な動きとなった。また、株価が上昇したことから、クロス円も比較的堅調な動きとなった。
(3)米国の小売売上高が市場予想を上回る結果となり、ドルが買われる。
(4)小売売上高の改善を受けて、利上げが意識され、株価が下落して始まったことや、米長期債利回りが低下したことからドルは軟調な動きとなる。
(5)米30年債入札で、落札利回りが市場の利回りを上回ったことから、落札利回りに鞘寄せ(利回りの上昇)する動きとなり、ドルが買われる場面もあった。
本日のトピックス
事実上の人民元切り下げに関しては、3度目は“もしかしたら”との見方もあった。まさかの4度目はないだろうが・・・東京タイムでは思惑が高まる可能性もあり、注意したい。その後は、ユーロ圏やユーロ圏主要国のGDPの発表が予定されており、ギリシャ支援問題が合意したことで、ユーロを買い戻す動きも見られており、結果には注目したい。米国タイムでは、物価や鉱工業、信頼感指数などの発表が予定されており、結果には注目したい。ただ、昨日も反応は限定的となるなど、休暇シーズンで市場参加者も少ない上、週末となることから、あまり大きな動きは期待できないのではないか。
8/14の注目材料
時間 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:15 |
7月米鉱工業生産(前月比)
鉱工業関連の生産動向を指数化したものであり、2002年を100として数値が算出され前月比で発表される。GDPに占める鉱工業部門の割合が約20%程度であることから重要な経済指標である。
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0.3% | 0.3% |
6月の結果は、3ヵ月ぶりのプラスに回復し、春先の鉱工業の失速から改善が示された。今回は、前回並みのプラスが予想されており、引き続き、堅調な結果となるのか注目したい。また、同時に発表される設備稼働率にも注目したい。 | |||
23:00 |
8月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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93.6% | 93.1% |
7月の結果は、6月から低下となったものの、8ヵ月連続で90を上回る結果となった。ただ、半年先の先行き期待を示す指数が8ヵ月ぶりの低水準となり、先行きに不安が示された。今回は、特に先行きの景況感が改善するかに注目したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
豪ドル/円は一目均衡表の雲上限を上抜けているものの、やや上値の重い動きが続いている。雲上限近辺で底固い動きとなる場合には、一段の上昇も考えられる。その場合には、高値からのトレンドラインや直近高値の92.05が上値のポイントとなる。重要な上値のポイントとなる92.05を上抜ける場合の上値目標の計算値は92.84となる。 下値のポイントは91.15となり、ここまで下げる場合には一目均衡表の雲下限を下抜けることになることから、一段の下げも想定しておきたい。 また、15時(±2時間)は相場の流れが反転・加速となる可能性が高まる時間帯であることから、相場の方向性にも注目したい。