前営業日トピックス
東京市場では、海外市場で株価が下落したことや、日経平均株価が下落して始まったことを受けて、安全資産とされる円を買う動きが先行し、序盤のドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後、日経平均株価が下げ幅を縮小する動きとなったことなどから、値を戻す動きとなった。そして、自民党衆院議員が日銀の追加金融緩和に前向きな発言をしたとの報道を受けて、円売りが加速し、ドル円・クロス円は急速な上昇となった。ただ、上昇は一時的となり、直後に反落となったものの、ドル円・クロス円は終盤まで堅調な動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)自民党の衆院議員が日銀の追加金融緩和に前向きな発言をしたとの報道を受けて、円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は一時大きく上昇する場面もあった。
(2)日経平均株価が、下げ幅を縮小する動きとなったことなどを材料に、ドル円・クロス円は引き続き堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、アジア市場から大きく上昇となった反動もあり、ドル/円は序盤から軟調な動きとなった。また、序盤の物価関連の経済指標が予想より悪化したことで、米利上げに対する不透明感が広がったことから、ドルは上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
昨日は、アジア市場から欧州市場までは、日銀の追加金融緩和の思惑が材料視され、株価が下落しているにもかかわらず、円売りに反応した。米国市場では、物価関連の指標が悪化したことを背景に、米国の利上げ時期に関する不透明感が広がり、ドルは軟調な動きとなった。昨日は、日米の金融政策に関する思惑で動きが出る結果となったが、特に米国では来週のFOMCを控えて、利上げに関することにはやや神経質になっている。本日は、米物価関連の指標が予定されており、こちらも昨晩同様に8月の指標であり、原油価格の下落の影響が色濃く出そうであることから、注目したい。
9/11の注目材料
時間 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 |
8月米生産者物価指数(前月比)
米国内の販売業者の販売価格を調査し、算出した物価指数。特に、振れ幅の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されており、消費者物価指数(CPI)と同様にインフレ圧力を測る指標として注目されている。
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-0.1% | 0.2% |
2ヵ月連続で伸び幅の低下が続いているが、特に8月は6月、7月以上に原油価格が下落したことが指数に影響する可能性も考えられる。今回はマイナスが予想されているが、予想を下回るようだと、米利上げ時期に関する不透明感が広がる可能性も考えられる。 | |||
23:00 |
9月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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91.1 | 91.9 |
8月は、3ヵ月ぶりの低水準となり、先行きの期待指数、現在の景況指数も悪化、消費者のマインドが低下していることが示された。引き続き、低下が予想されており、特に先行きの景況感を示す期待指数に注目したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ユーロ/円は、トレンドを形成して堅調な展開が続いている。現状では、ここから継続して上昇傾向が続くのか、反落となるのか注目したい。目先は、レジスタンスの136.18を上抜ければ一段の上昇も考えられる。また、オシレーターではこのような展開では信頼できるシグナルが出にくいパターンであるが、RSIで50%(均衡)を下抜けるようなら、流れが変わる可能性も考えられることから注目したい。さらに、トレンドラインを下抜ける動きとなる場合にも注目したい。
気まぐれ投資コラム
オシレーター分析(2)ストキャスティクス(Stochastics)(4) 〜ストキャスティクスの弱点
※出所:FX総合分析チャート
ストキャスティクスもRSIと同様に、往来相場(上げ下げ繰り返す動き)の時は非常に有効だが、ある一定以上に上昇や下降が続く相場の時などは、どの時点で売買するかタイミングが掴みづらいという弱点(構成する日数が短いことから)がある。
チャートの(2)のポイントでは、買われすぎを示す80%に到達しており、その後価格が上昇継続となるとストキャスティクスは、高水準域での推移が続く(理論的には買われすぎ状態が続く)が、(2)の時点で80%以上で「買われすぎ」ということで「売り決済」してしまうと結果的には早すぎたことになる。また、新規売りをしてしまうと損失が拡大となってしまう。
ストキャスティクスでは、このようなケースではタイミングが掴みづらいという弱点があるので、RSIと同様にストキャスティクスが50%(均衡)のポイントを2つの線が抜けるかどうかで判断するのもひとつの方法である。