前営業日トピックス
東京市場では、週明けで新規材料に乏しい中、日経平均株価が堅調な動きとなったことから、円が売られる動きとなったが、値動きは限定的だった。ただ、海外市場に入ると、米国の利上げ期待が改めて材料視され、ドル/円は堅調な動きとなった。米国市場では、序盤小動きの展開となったが、米雇用関連の経済指標が予想を下回る結果となったことや、米株価が軟調な動きとなったことから、ドル/円は軟調な動きとなった。ただ、米当局者の発言を受けて、終盤には値を戻す動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、新規材料に乏しく、小動きの展開が続いたものの、海外市場に入ると、先週末の雇用統計の結果を受けて、米国の利上げがほぼ確定的との見方から、円を売ってドルを買う動きが見られた。
(2)米国市場では、雇用関連の経済指標が予想を下回ったことや、株価下落を背景に、ドル売り・円買いが優勢となったが、やや値動きは限定的だった。
本日のトピックス
東京市場では、中国の貿易収支の結果が影響する可能性もあり、結果発表には注目したい。その他では、黒田日銀総裁の挨拶が予定されているが、材料視されるような発言はないだろう。また、海外市場では、米国の経済指標の発表があるものの、反応は限定的だろう。むしろ、当局者の発言や米国、ECBの金融政策に関する思惑で動く可能性の方が高く、注意したい。
12/8の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
10月JOLT労働調査[求人件数]
米労働統計局が求人状況を測定するために実施する調査で、小売業や製造業など各業種の雇用データをもとに算出する統計。
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558.0万件 | 552.6万件 |
前回は、市場予想を上回り、過去2番目(過去最高は今年7月)の高水準となった。相変わらず米国の求人件数が豊富にあり、労働市場の改善に寄与している。今回は、前回を上回る結果が予想されているが、7月の567万件を上回るようなら多少インパクトもあるだろう。 | ||||
0:00 | 米国 |
12月IBD/TIPP景気楽観指数
米インベスターズ・ビジネス・デーリー(IBD)とテクノメトリカ・マーケット・インテリジェンス社がまとめて発表する消費者関連指数。ミシガン大やコンファレンスボードの消費者信頼感指数の先行指標として注目されている。消費者信頼感指数と同様に50が判断の基準となり、50を上回ると楽観的と判断する。
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45.0 | 45.5 |
前回は、再び低下となり、現状の景気見通しが2ポイント低下するなど、消費者マインドが低下傾向であることが示された。今回は、前回からの低下が予想されており、悲観的な状態が続くとの予想となっている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
カナダ/円は、下値目標の計算値近辺まで下げており、一旦値を戻す動きが考えられる。オシレーターのMACDでは、両線がクロス間近であり、クロス後乖離幅が拡大するようなら、一段の上昇も考えられる。その場合、どこまで値を戻すのか注目したい。ただ、直近安値を下抜ける場合には一段の下げも想定しておきたい。
気まぐれ投資コラム
フィボナッチ・リトレースメント
フィボナッチ・リトレースメントは、フィボナッチ数列を利用することにより、チャート上のサポートとレジスタンスの水準を導き出す分析方法。フィボナッチ数列は、12〜13世紀に実在した数学者のレオナルド・フィリオ・ボナッチ氏が「兎の出生率に関する解法」として発表した数列であり、1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、144、233、・・・と続く。1ペアの兎が1か月目に1ペアの兎を産み、2か月目には2ペアになり、3か月目には3ペアになり、1年後には233ペアに増えると解いたもの。この数列から導き出される0.382(38.2%)、0.618(61.8%)、などが相場のポイントとなることが多い。
※出所:FX総合分析チャート
※出所:FX総合分析チャート
(1)から(2)までの上昇に対して38.2%近辺までの「調整(戻し)」で止まる場合には、トレンドが継続するケースが多く見られる。そのためには、(2)の高値(レジスタンス)の延長線上を上抜けることが条件となる。また、半値押し(50%)や61.8%も重要なポイントとされる。ただ、50%及び61.8%までの「調整(戻し)」となる場合には、トレンド継続の可能性は徐々に低くなると考えられる。また、各ポイントを完全に抜ける場合には、下げ(上げ)の速度が加速する場合も多々ある。特に、61.8%を下抜ける場合には、上げ始めの水準まで戻すこともよくある(全値戻し)。