前営業日トピックス
9日に発表された中国の経済指標が低迷したことなどから、週明けのアジア市場でのドル円・クロス円はギャップ・ダウンして始まった。日本市場が祝日で休場となる中、中国の為替政策への不安などから、リスク回避の円買いの動きから、ドル円・クロス円は一段の下落となり、ドル/円は昨年8/24以来の安値を付ける動きとなった。しかし、その後は、値頃感の買い戻しなどから値を戻す動きとなった。そして、海外市場では、欧米の株価が堅調な動きとなったことから、序盤は堅調な動きとなった。しかし、原油価格の下落を受けて、株価も下落し、円を買う動きが優勢となった。ただ、終盤には株価がプラス圏まで上昇し、再び堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)中国の2015年消費者物価指数の上昇率が政府目標の約半分に留まり、12月は3年10ヵ月連続の前年水準割れとなったことを受けて、低迷する経済成長を支援するため景気刺激策を実施する余地が拡大しているとの見方を背景に、円が買われる動きとなった。
(2)安値からは反発する動きとなったものの、やや上値の重い動きも見られた。ただ、アジア市場の株価下落に反して、欧州株が軒並み堅調な動きとなったことを受けて、海外市場序盤は堅調な動きとなった。
(3)米経済指標が堅調な結果となったものの、原油価格が下げ幅を拡大する動きとなったことから、株価も下落に転じ、ドル円・クロス円も軟調な動きとなった。
(4)終盤にダウ平均株価がプラス圏まで上昇するなど、株価が下げ幅を縮小する動きとなったことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
本日のトピックス
本日は、休場明けの日本の株式市場の動きや、前日大幅下落となった中国市場の株価動向に注目したい。米国市場では、経済指標の発表が予定されているものの、重要度はそれほど高くないことから、市場予想と乖離する結果とならなければ、反応は限定的だろう。ただ、最近相場を動かす要因となっている原油相場の動向には注目したい。
1/12の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
1月IBD/TIPP景気楽観指数
米インベスターズ・ビジネス・デーリー(IBD)とテクノメトリカ・マーケット・インテリジェンス社がまとめて発表する消費者関連指数。ミシガン大やコンファレンスボードの消費者信頼感指数の先行指標として注目されている。消費者信頼感指数と同様に50が判断の基準となり、50を上回ると楽観的と判断する。
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47.5 | 47.2 |
前回は、改善となったものの、判断基準となる50を8ヵ月連続で下回っており、悲観的な見方となる状況が続いている。今回も、前回からの改善が予想されているものの、50を上回らなければ反応は限定的だろう。 | ||||
0:00 | 米国 |
11月JOLT労働調査[求人件数]
米労働統計局が求人状況を測定するために実施する調査で、小売業や製造業など各業種の雇用データをもとに算出する統計。
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542.5万件 | 538.3万件 |
2015年7月に過去最高を更新して以降は、やや伸び悩みが続いている。前回は、市場予想を下回る結果となったものの、依然として高水準を維持している。今回は、前回からの改善が予想されており、求人に関しては、堅調な状況が続いており、不安要素は少ない。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ドル/円は、一目均衡表の雲下限ライン近辺で上値の重い動きが続いている。目先は、完全に雲を上抜けるのか、小休止持ち合いを下抜けていることから下げ継続となるのか注目したい。オシレーターのMACDでは、ゼロ近辺での動きとなっており、有効なシグナルも出にくいことから、雲やサポート、レジスタンスを抜ける動きに注目したい。
気まぐれ投資コラム
中長期的な重要ポイントに迫る
※出所:FX総合分析チャート週足
ドル/円は、重要な下値のポイントに迫っており、ここを下抜けて一段の下げとなるのか、底固い動きとなり、反転するのか注目されています。この安値は、8月に2015年1月に付けた安値(115.84)手前で下げ止まったポイント(8/24 116.35)であり、また前回のチャイナショックの時の安値であることから、より意識されるポイントとなっています。この安値を付ける直前の高値は125.27であり、安値からの戻り高値は123.74であることから、一目均衡表のN計算を当てはめると、下値目標の計算値は114.82と計算できます。また、116.35を下抜けることもさることながら、一目均衡表の雲下限(113.68〜114.05 今週〜1月末)を下抜ける場合には、一段の下げとなる可能性も考えられます。現状では、雲下限はまだ3円以上下側に位置していますが、2月中旬以降の雲下限ラインは115.52まで上昇しています。また、相場の方向性を示すとされる基準線は、現状横ばいが続いていますが、2月1週目から2週連続で低下することから、この時期は下げ加速に注意が必要です。