前営業日トピックス
東京市場では、新規材料に乏しい中、前日の米国の株価や原油価格の上昇を背景に堅調な動きとなった。しかし、米経済指標が悪化したことで米景気の先行き警戒感が改めて意識されたことや、ブラード・セントルイス連銀総裁のハト派的な発言を嫌気して、ドル売り・円買いが優勢となった。海外市場では、米経済指標が予想より改善したことから、若干値を戻す動きが見られたものの、EIAの在庫統計で原油在庫が増加したことを受けて原油価格が下落し、株価も下落に転じたことから、円買いの動きが優勢となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)ブラード・セントルイス連銀総裁が、インフレ期待の低下や最近の株式市場のボラティリティーを踏まえると、FRBが利上げを続けるのは賢明ではないとの認識を示したことを受けて、ドル売り・円買いが優勢となった。ただ、人民元の対ドル基準値が1ドル6.5152元(前日終値6.5290元)と元高方向に設定されたことを受けて、ドル/円は一時値を戻す場面もあった。
(2)石田浩二日銀審議委員が、マイナス金利が実体経済およびポートフォリオリバランスに及ぼす影響は限定的と発言したが、為替市場の反応は限定的だった。日経平均株価の上昇にもかかわらず、ドル円は上値の重い動きが続いた。
(3)米経済指標は、比較的堅調な結果となったが、EIA米在庫統計で原油在庫が増加したことから原油価格が反落、株価もマイナス圏に下落し、ドル円・クロス円も軟調な動きとなった。
(4)原油価格や株価が終盤に一段の下げとなったことを受けて、ドル円・クロス円も一段の下落となった。
本日のトピックス
週序盤に比較的大きく動いたことから、週末を迎えてやや限定的な動きが予想される。米国市場では、株価や原油価格が軟調な動きとなり、東京やアジア市場の動きが注目される。週後半は、113円台から114円台でのもみ合いの展開が続いているが、レンジを下放れる場合には、動きが加速する可能性も想定しておきたい。新規材料に乏しい中、やはり株価や原油価格などがポイントになりそうである。海外市場では、米国の物価関連の経済指標の発表が予定されており、原油価格の下落が影響している可能性もあり、予想以上の悪化となる場合も想定しておきたい。その場合には、利上げのペースに対する懸念が改めて意識される可能性も考えられる。また、このところ米経済の先行き不安も高まっていることから、ドルは上値の重い動きが続く可能性も考えられる。
2/19の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
1月消費者物価指数(前月比)
消費者を対象とした小売やサービスの価格動向を示した指数である。特に、食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されている。そして、米国の金融政策を決定する上で重要な経済指標であり、為替市場への影響も非常に大きい。
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-0.1% | -0.1% |
前回は、エネルギー価格の下落が影響して、3ヵ月ぶりにマイナスとなった。また、コア指数も予想を下回る結果となった。1月は12月より原油価格が下落していることから、予想以上の低下となる可能性も想定しておきたい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート10分足
ポンド/円は、安値から反発となり、トレンドラインを上抜けている。ここからは、レジスタンスの162.50を上抜けるかどうかがポイントとなる。ここを上抜けるようなら、一段の上昇も考えられる。一方、レジスタンスを上抜けず、下値のポイントとなる直近安値の162.04を下抜ける場合には、前回同様に下げ継続となり、一段の下げとなる可能性が考えられる。