前営業日トピックス
海外市場の株高などを受けて、序盤は堅調な動きとなった。そして、日経平均株価が堅調な展開で始まったことも好感され、ドル/円は113円台まで上昇した。その後は、週末であることや、値頃感が意識され、本邦輸出企業のドル売り・円買いが優勢となった。また、G20で実効性のある政策協調が打ち出されるかどうか不透明との見方が広がったことから、一段の下げとなる場面もあった。海外市場では、堅調な株価や、米経済指標が軒並み市場予想を上回る結果となったことが好感され、ドルが主要通貨に対して上昇する動きとなった。ただ、原油価格が高値から大きく下落したことから、株価が下落に転じ、クロス円も軟調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米株高や日経平均株価が堅調な展開で始まった事から、序盤は堅調な動きとなった。113円台の値頃感から、仲値公示付近では本邦輸出企業のドル売り・円買いが優勢となった。
(2)欧州主要株価が上昇したことを受けて、堅調な動きが続いた。また、上昇していた原油価格が2ドル近く下落したことが影響して、反落となった。
(3)米GDPが予想を大きく上回る結果となり、その後の個人所得・支出、ミシガン大学消費者信頼感指数など、いずれも予想を上回る結果となったことから、ドル買いの動きが優勢となった。
(4)原油価格が高値から大きく下落し、株価もマイナス圏に下落したことを受けて、クロス円は下落となったものの、ドルは底固い動きが続いた。
本日のトピックス
東京市場では、先週末のG20の影響が残る可能性もあり、注意したい。特に、各国金融政策の違いが鮮明なだけに、協調の難しさも指摘されており、金融政策に関する思惑が交錯する可能性も考えられる。海外市場では、米雇用統計を控えて限定的な動きも考えられるが、先週末の米経済指標が堅調な結果となったことから、やや期待感も出ており、指標結果には注目したい。また、引き続き、原油価格や株価の動きには注意したい。
2/29の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:45 | 米国 |
2月シカゴ購買部協会景気指数
シカゴ地区の製造業の景況感を指数化したものであり、50が景気の拡大・後退の判断基準となり、50を上回れば景気拡大傾向、50を下回れば景気後退傾向と判断される。
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53.0 | 55.6 |
前回は、市場の低下予想に反して、前月から12.7ポイントの大幅上昇となった。今回は、前回の反動で低下が予想されているが、比較的予想との乖離が多い指標であることも考慮しておきたい。特に、基準となる50を下回る場合にはやや注意したい。 | ||||
0:30 | 米国 |
2月ダラス連銀製造業活動指数
米国石油産業の中心地であるダラス地区の製造業の景況感を指数化したものであり、テキサスの製造業118社の調査結果がもとになっている。50が景気の拡大・後退の判断基準となり、50を上回れば景気拡大傾向、50を下回れば景気後退傾向と判断される。
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-30.0 | -34.6 |
前回は、市場の予想以上に悪化し、2009年4月以来の低水準となり、13ヵ月連続のマイナスとなった。米国石油産業の中心地の指数であることから、原油価格の下落が大きく影響しており、1月に比べて下落は落ち着いたものの、平均価格では1月を下回っていることから、若干影響が残る可能性も考えられる。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
NYドル/円は、38.2%押し近辺で下げ止まる動きとなっている。ただ、オシレーターのMACDでは、両線下向きで、先行するラインはゼロラインを下抜けており、両線がゼロラインを下抜ける場合には、下げ継続のシグナルとなることから、目先の動きに注目したい。ただ、下側には一目均衡表の雲上限ラインもあることから、この近辺で止まるのか、雲の中に入り込む展開となるのか注目したい。