前営業日トピックス
海外市場の株価下落などを受けて、ドル円・クロス円は序盤からやや軟調な動きとなった。また、中国の経済指標が悪化したことも影響した。ただ、やや軟調な動きが続いていた日経平均株価がプラス圏に上昇したことや、中国株をはじめ、アジア株が堅調な動きとなったことを受けて、投資家のリスク志向の動きが強まり、ドル/円は堅調な動きとなった。また、海外市場では、米製造業関連の経済指標が予想を上回る結果となったことや、株価が大きく上昇したことを受けて、円が大半の主要通貨に対して下落となり、ドル/円は114円台まで上昇する動きとなった。ただ、その後はやや反落する動きも見られた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)海外市場の株安などを背景に、短期筋のドル売り・円買いの動きが強まり、112.50円付近のストップロスを巻き込んで下げ幅が拡大する動きとなった。一時値を戻す場面もあったが、中国の製造業関連の指標が悪化したことを受けて再び下落となった。
(2)午後には、日経平均株価がプラス圏まで上昇したことや、中国株など他のアジアの主要株価も上昇したことを受けて、円売りの動きが加速した。
(3)海外市場では、113円台で上値の重い動きが続いたものの、113円台割れでは積極的な買いも見られ、底固い動きとなった。
(4)米ISM製造業指数、建設支出が予想を大きく上回る結果となったことを好感して、一段の上昇となった。また、ダウが前日比300ドル以上の上昇となったことも、ドル/円を押し上げる要因となった。
本日のトピックス
前日は、中国の経済指標が予想を下回ったものの、反応は限定的となった。そして、中国株をはじめ、世界的に株価が大きく上昇したことから、マーケットではやや安心感も見られた。そして、米経済指標の改善や原油価格の上昇も加わり、投資家の不安がやや後退し、円が売られる動きとなった。この動きが、本日のアジア市場でも継続するのか注目したい。また、米国のスーパーチューズデーの結果も東京時間の昼過ぎ頃には判明することから、結果によっては相場に影響する可能性もあり注目したい。米国市場では、民間の雇用統計の発表があり、週末の米雇用統計を占う意味でも注目されている。また、今月のFOMCの資料になるベージュブックの内容にも注目したい。
3/2の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:15 | 米国 |
2月ADP雇用統計
民間の給与計算代行サービス会社であるADP(Automatic Data Processing)社のデータを用いて、マクロエコノミック・アドバイザーズ社が発表している雇用統計。2200万人の支払い給与の動向に基づき算出、米国雇用統計が発表される2営業日前に発表されるため、米国雇用統計の結果を予想する上でよく参考にされる。
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18.8万人 | 20.5万人 |
前回は、市場予想を上回る結果となり、判断の目安となる20万人を上回る結果となった。今回は、やや伸びが縮小するとの予想が出ており、20万人を下回る予想となっている。判断の目安となる20万人を予想通り下回るのか、どうかに注目したい。 | ||||
4:00 | 米国 |
3月米地区連銀経済報告[ベージュブック]
米国の12の地区連銀による経済概況報告であり、前回のFOMC以降の経済情勢について、概況報告が行われる。そして、FOMCの討議資料となり、今後の金融政策の判断材料にもなる。報告書の表紙がベージュ色をしていることからベージュブックと呼ばれている。
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最近の米経済指標悪化を背景に、米景気の後退懸念も出ている。各連銀の報告で懸念が示されるようなら、FOMCでの議論にも影響する可能性もある。特に、原油価格の下落などの影響、現状の経済の状況にも注目したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ドル/円は、一目均衡表の雲を上抜けて一段の上昇となっている。目先は、直近高値を上抜けるようなら、一段の上昇となる可能性も考えられる。前回の上昇は3波動でほぼ同じ程度の値幅で上昇しており、今回もここまで2波動でほぼ同程度の値幅の上昇となっている。ここから、前回同様に3波動目の上昇となるのかどうかに注目したい。仮に3波動目の上昇で同じような値幅の上昇がある場合には、115円台乗せの可能性も考えられる。ただ、トレンドが崩れる場合には、雲上限近辺を目指す可能性も想定しておきたい。