前営業日トピックス
東京市場では、新規材料に乏しい中、前日の海外市場でのFRB当局者の発言を受けて米国の早期利上げ観測からドルが買われる一方、日経平均株価がやや軟調な動きとなったこともあり、ドル/円の上値は限定的となった。海外市場では、欧州の株価が序盤堅調な動きとなったことから、ドル円・クロス円も堅調な動きとなった。特に、米国市場では、米国の利上げ期待が意識され、ドルは堅調な動きが続いた。しかし、原油在庫が増加したことを受けて、原油価格が下げ幅を拡大したことや、株価が軟調な動きとなったこと、また米長期債利回りの下落も影響し、円が主要通貨に対して買われる動きとなった。ドル円・クロス円は終盤まで軟調な動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場で大きく動いた反動や、海外市場の連休を控えてやや限定的な動きが続いた。その中で、輸入企業のドル買い・円売りや、株価の動きを眺めながらの動きとなった。
(2)欧州の株価が堅調な動きとなったことに加え、前日の米当局者の相次ぐ発言や、FRBの利上げ期待の高まりを受けて、ドルは主要通貨に対して上昇となった。また、ブラード・セントルイス連銀総裁も4月の利上げの可能性を示唆したことも加わり、ドル/円は一段の上昇となった。
(3)原油価格や株価の下落に加えて、米債券利回りの低下で日米金利差縮小が意識され、ドル売り・円買いが優勢となった。また、クロス円も軟調な動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、引き続き新規材料に乏しく、限定的な動きも予想される。ただ、日銀の議事録を受けて、今後の金融政策に対する思惑が交錯する場合には、動きが出る可能性も想定しておきたい。そして、海外勢の休暇や、週末の五十日(ごとおび)を控えていることもあり、積極的な売買はやや出にくいだろう。ただ、株価に動きが出る場合には注意したい。海外市場では、米当局者の発言が引き続き材料視され、ドルの底固い動きが続く可能性も考えられる。また、主要な経済指標の発表が予定されているが、反応は限定的と考えられる。ただ、前日大きく下落した原油価格の動きには注目したい。
3/24の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
2月耐久財受注(前月比)
米国の耐久財(耐久年数3年以上)の新規受注額を集計した指標であり、設備投資の先行指標として注目されている。特に、変動の大きい輸送用機器などを除いた受注額が民間の設備投資の先行指標として注目されている。
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-3.0% | 4.7% |
前回は、市場予想を上回り、2015年3月以来の高水準となった。また、コア指数は2014年6月以来の高水準となった。全般的に改善となったものの、今回は、その反動から悪化が予想されている。昨年夏場以降は大きな変動が続いていることからか、やや反応も限定的となっている。 | ||||
21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数
労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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26.8万件 | 26.5万件 |
前回は、昨年10月以来の低水準に改善した反動でやや増加となった。過去1ヵ月の平均が26.8万件であることから、順当な予想である。増減が出る可能性があるのは、今週の結果(発表は来週)だろう。 | ||||
0:00 | 米国 |
3月カンザスシティ連銀製造業活動指数
カンザス、コロラド、ネブラスカ、オクラホマ、ニューメキシコなどにおける製造業を対象とした生産、出荷などの活動を調査し、指数化したもの。
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- | -12 |
前回は、改善予想に反して一段の悪化となった。3月の各地区製造業指数は軒並み改善が見られることから、改善も期待される。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ドル/円は、直近のトレンドラインを下抜けて一段の下げとなっている。目先は、どの辺りまで下げるのか見極めたい。ポイントは、(1)サポートの112.14 (2)一目均衡表雲上限ラインおよび下限ライン (3)トレンドライン となる。そして、「(3)」を下抜ける場合には一段の下げとなる可能性も想定しておきたい。また、オシレーターのMACDでは、両線下向きとなっており、両線がゼロポイントを下抜ける場合には、下げ継続となる可能性も想定しておきたい。また、上値のポイントは112.90となり、下値のポイントで下げ止まって反発する場合も、ここがポイントとなることから注目したい。