前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを受けて、やや軟調な展開で始まった。そして、期末・年度末であることから、実需筋の駆け込み的なフローが交錯し、仲値公示を中心にやや乱高下する動きとなった。その後は、内外の株価が軟調な動きとなったことから、上値の重い動きが続いた。米国市場では、雇用関連の経済指標が悪化したことから、序盤はドル売りが先行したが、製造業関連の指標が改善したことや、原油価格の上昇を受けて、堅調な動きとなった。ただ、米雇用統計を控えて様子見ムードが強まっていることなどから、終盤まで小動きの展開が続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)期末・年度末であることから、本邦輸入企業や国内機関投資家などからの駆け込み的なドル買い・円売りが入り、ドル/円は上昇した。しかし、仲値公示近辺からは輸出企業などのドル売り・円買いが入り下落するなど、実需の動きに左右される動きとなった。
(2)欧州勢の参加に伴い、ドルを買い戻す動きとなったものの、日経平均株価が下落して引けたことや、欧州主要株価が軟調な動きとなったことから、上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、米新規失業保険申請件数がやや悪化したことを嫌気して、やや軟調な動きとなった。
(4)シカゴ購買部協会指数が予想以上の改善となったことや、原油価格が1バレル=1ドル以上の急騰となったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、その後は株価が軟調な動きとなったこともあり、上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、早い時間帯に日銀短観や、中国の経済指標の発表が予定されていることから、結果が相場を動かす要因となる可能性も考えられる。また、新年度入りの株価の動きにも注目が集まるだろう。欧州市場では、ユーロ圏主要国の製造業関連の経済指標の発表が続くことから、予想と乖離する場合には動きが出る可能性もあるが、米雇用統計を控えて様子見ムードが強まる可能性も考えられる。米国の雇用統計では、前回懸念の残った賃金の伸びに注目したい。特に、結果を受けて米国の金融政策に対する思惑が交錯する場合には、値動きが大きくなる可能性も考えられる。また、今回は、雇用統計発表後にも重要指標の発表があることから、そちらの結果には注目したい。
4/1の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
3月米雇用統計(非農業部門雇用者数)
非農業部門に属する事業者の給与支払い帳簿をもとに集計された雇用者数。農業以外の産業で働く雇用者であり、経営者や自営業者は含まれない。
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20.5万人 | 24.2万人 |
前回は、雇用者数の伸びが市場予想を上回る結果となったが、賃金がマイナスとなったことが懸念要因となった。今回は、失業率は引き続き横ばい、雇用者数は安定的な伸びとされる+20万人を上抜けると予想されているが、予想の範囲内の結果なら、反応は限定的だろう。むしろ、賃金の伸びが回復するのかどうか注目されている。 | ||||
23:00 | 米国 |
3月ISM製造業景況指数
全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の製造業の景況感指数であり、製造業の購買・供給管理責任者に対するアンケートを集計した指数。 50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。 |
50.8 | 49.5 |
前回は、予想を上回る結果となり、2ヵ月連続の改善となった。最近は、製造業関連指標の改善が続いていることから、今回の改善も期待されている。特に、景気拡大・後退の判断基準となる50を上回るのかどうか注目したい。50を上回る結果となれば、6ヵ月ぶりの50台回復となることから、注目したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ドル/円は、戻りが鈍いものの、下値も堅い動きとなるなど、もみ合いの展開が続いている。ただ、一目均衡表の雲下限ラインを上抜けて雲の中の展開となっている。ここから、レジスタンスの112.66円を上抜けて、雲上限ライン突破をする動きとなるのか、軟調な動きとなりサポートの112.01円を下抜ける動きとなるのか注目したい。