前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から200円以上の下落となったことを受けて、円が買われる動きとなった。その後、株価が反転し、プラス圏まで上昇したことや、当局者や有識者の発言なども影響して円売りが優勢となった。ただ、欧州株が下落して始まったことから、反落する場面もあったが、欧州株もその後上昇に転じたことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。米国市場では、雇用関連の経済指標が悪化したことや、原油価格が下落したことが影響し、円買い戻しの動きが続いた。午後には、原油価格や株価が反発したこともあり、ドル円・クロス円も値を戻す動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)序盤に4月の日銀決定会合における主な意見が公表されたが、市場の反応は限定的だった。そして、日経平均株価が200円以上下落したことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後、株価が下げ幅を縮小する動きとなり、午後にはプラス圏に改善したことや、伊藤隆敏米コロンビア大学教授が6月か7月の日銀追加緩和の可能性を示唆したとの報道が材料視され、円売りが続いた。
(2)下落して始まった欧州株価がプラス圏に反発したことや、原油価格の上昇が続いたことから引き続き堅調な動き。また、英中銀総裁が「EU離脱ならリセッションに陥る可能性」、「必要なら利下げは可能」との発言を受けて、ポンドが対ドルなどで下落。ドルはNYオープン前に一段高となった。
(3)米新規失業保険申請件数の悪化に加えて原油価格の下落、そして上昇して始まった米株価が下落に転じたことを背景に、リスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(4)午後には、原油価格や株価が値を戻したことから、ドル円・クロス円も値を戻す動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、前日も株価の動きにドル円・クロス円の方向性が左右される展開となった。週末であることから、実需関連の動きもやや活発になる可能性もあることから、仲値公示や株式市場のクローズ近辺の動きに注意したい。また、午後には黒田日銀総裁の講演や、麻生財務相の本会議での演説が予定されており、発言の内容に注目したい。米国市場では、個人消費関連の経済指標の発表が予定されており、事前予想では改善が予想されていることから、結果には注目したい。また、米当局者の発言も予定されていることから、こちらにも注目したい。特に、昨日も複数の当局者が金融政策に関する発言をしたことから、発言を受けた動きには注意したい。
5/13の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
4月小売売上高(前月比)
米国商務省が百貨店やスーパーの売上調査を基にして発表している指標である。個人消費はGDPの約70%を占めており、小売売上高は個人消費の動向を見る上で重要な経済指標の一つであり、米国経済に与える影響も大きいため注目されている。
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0.8% | -0.3% |
前回は、2ヵ月ぶりのマイナスとなった。最近は、米景気の先行き不安から、個人消費がやや低迷しており、それに反して貯蓄率がやや上昇している。今回は、大きな改善が予想されているが、予想通りの結果なら、ドル相場にはフォローだろう。当面は、伸びが続くかが注目される。 | ||||
23:00 | 米国 |
5月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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89.5 | 89.0 |
4月は前月から低下となったが、現況の指数が上昇となった。好調な株価動向などが影響していると考えられる。ただ、先行きの期待指数は、11月から低下が続いている(1月の横ばい含む)。このことが、個人消費にやや影響していると考えられる。5月は若干改善が予想されているものの、特に、現況、先行きの指数にも注目したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ドル/円は、昨日一目均衡表の雲下限ラインと、38.2%押しのポイント近辺でサポートされ、反転となり雲上限ラインを上抜けて一段の上昇となった。しかし、レジスタンス近辺を抜け切れず、下げに転じてしまった。ここからは、再び一目均衡表の雲が下値のポイントとなり、ここでサポートされるのか、下抜けてしまうのか注目したい。目先の上値ポイントは109.39、ここを完全に上抜けるようなら、一段の上昇も考えられる。一方、下値のポイントは、雲下限ライン、サポートの108.63となり、ここを下抜けるようなら、108.39が下値の目標の計算値となり、重要サポートの108.23も視野に入る。ここを下抜ける場合には一段の下げも想定しておきたい。