前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が上昇して始まったことから、序盤は堅調な動きとなった。しかし、日経平均株価が下落に転じ、マイナス圏まで下落したことが嫌気され、円が買われる動きとなった。午後には、新規材料に乏しい中、FOMC議事録が改めて材料視され、ドル買い・円売りが優勢となった。その後は、日本や欧州の株価が軟調な動きとなったことや、G7を控えていることもあり、利益確定の動きが優勢となった。米国市場では、序盤に発表された米経済指標が市場予想より悪化したものの、米当局者の発言で早期の追加利上げ期待が高まり、ドルは堅調な動きとなった。ただ、欧米の主要株価や原油価格が大きく下落したことから、円の買い戻しが強まり、ドル/円は軟調な動きとなったが、別の米当局者の発言を受けて、ドルは値を戻す展開となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が上昇したことから、序盤のドル円・クロス円は堅調な動きも見られた。ただ、株価が下落に転じ、マイナス圏まで下落したことが嫌気され、軟調な動きとなった。
(2)前日のFOMC議事録が改めて材料視され、米国の早期利上げ期待を背景にドル買い・円売りが優勢となった。ただ、利益確定売りや実需の売りフローの流入などもあり、上値は限定的となった。
(3)米国市場では、米雇用関連の経済指標が予想より悪化したものの、リッチモンド連銀総裁が6月の利上げの可能性を示唆したことなどもあり、米国の早期利上げ観測から堅調な動きとなった。ただ、株価や原油価格が大きく下落したことも影響し、その後は軟調な動きとなった。
(4)ニューヨーク連銀総裁も「6月のFOMCはライブの会合になる」とし、6-7月の利上げは条件が整えば妥当との見方を示したことを受けて、ドルは堅調な動きとなった。ただ、対円では、110円台手前で上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
日本では、G7(夕方開催)を控えて、午前中からシンポジウムが開催される。ここでは、各国の出席者らが経済情勢に関して意見交換をする。そのため、政府・当局者、著名な学者などの発言などには注目したい。特に、先日、日銀が今年6月か7月の金融政策決定会合で追加緩和を行う可能性を指摘した米コロンビア大の伊藤隆敏教授も出席することから、金融政策などの話が出る場合には、相場にも影響する可能性も考えられる。
海外市場では、G7出席者の発言や、米国の主要な経済指標の結果に注目したい。特に、FOMC議事録や、連日の米当局者の発言から早期の追加観測も出ていることから、結果を受けて期待感が高まるようなら、ドルの後押し材料になる可能性もあるだろう。
5/20の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
4月中古住宅販売件数
所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標の一つである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
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540万件 | 533万件 |
前回は、全地域で販売が伸びるなど、底固い結果となった。春季の販売シーズンに入っており、4月も引き続き堅調な結果が予想されている。大きな減少は考えにくいものの、5%以上の大きな減少となる場合には反応が大きくなる可能性もあるだろう。反対に、大きな伸びとなる場合には、このところの当局者の発言などが意識され、早期の追加利上げに対する期待感が高まる可能性もあるだろう。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
豪ドル/円は、安値を付けてから堅調な動きとなっているが、ここからレジスタンスの79.55を上抜けて雲の上抜けを試す動きとなるのか、再び軟調な動きとなり、サポートの79.02を下抜けて一段の下げとなるのか注目したい。直近高値の80.55からのトレンドラインにも近づいていることから、この近辺の動きにも注目したい。レジスタンスやトレンドラインを上抜けた場合でも、雲下限ラインで上値を抑えられて下げに転換する可能性もあることから、重要な上値のポイントは雲上限ラインとなるだろう。