前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の堅調な流れが一服し、序盤は小動きの展開が続いた。そして、日経平均株価が下落して始まったことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。仲値公示後は、株価が下げ幅を拡大する動きとなったことや、前日に安倍首相の会見で補正予算案について言及がなかったこと、また英国のEU離脱に対する警戒感などから、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は一段の下げとなった。その後は、海外市場での重要なイベントを控えた様子見ムードから限定的な動きが続いた。米国市場では、雇用関連の経済指標が予想通りの結果となり、やや反応は限定的となった。一方、OPEC総会で生産に関する合意ができなかったことを受けて、原油価格が下落し、株価の下落も伴いドル円・クロス円は一段の下落となった。下げ一服後は、原油価格や株価が値を戻す動きとなり、ドル円・クロス円も値を戻した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)序盤は小動きの展開が続いたが、日経平均株価が下落して始まったことから、円買いが先行した。その後は、英国のEU離脱懸念や、日経平均株価が下げ幅を拡大する動きとなったことを受けて109円台割れまで下落。また、前日の安倍首相の会見で補正予算案について言及がなかったことに対する失望感なども円買いの一因となった。
(2)ECB理事会、OPEC総会、米ADP雇用統計など、重要なイベントが予定されており、様子見ムードから限定的な動きとなった。米国市場では、ADPは予想と一致したことから反応は限定的。ただ、OPECが生産目標で合意できず、原油価格が一時47ドル台まで下落。また、株価も下落したことからドル円・クロス円は一段の下落となった。
(3)下落した株価がプラス圏まで反発したことや、原油価格も上昇に転じたことを受けて、ドル円・クロス円は値を戻す動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、ドル円・クロス円が昨日大きく下落し、海外市場でも一段の下落となったことから、やや一服感から限定的な動きが考えられる。しかし、海外市場の終盤には値を戻す動きとなっていることから、序盤はこの流れが続くこともあるだろう。ただ、米雇用統計の発表を控えていることもあり、様子見ムードが強まる可能性も想定しておきたい。欧州市場では、ユーロ圏、主要国のサービス業関連の経済指標の発表が予定されており、一応、結果には注目したい。また、英国の国民投票に関するニュース(世論調査結果)には敏感に反応する可能性もあり、注意も必要だろう。米国市場では、米雇用統計の発表が予定されており、今月中旬のFOMCでの追加利上げの有無を左右することから、結果には注目したい。
6/3の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
5月失業率
労働力人口に占める失業者の割合で16歳以上の男女が調査対象。失業中の場合、就業が可能な状態か、過去4週間以内に求職活動を行ったかどうかで失業者かどうか判断される。
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16.0万人 | 16.0万人 |
前回は、予想の4.9%を下回る5.0%となり、前月から横ばいとなった。完全雇用に近づいていることから、ここから継続的な改善は難しいものの、前回労働力人口が大きく減少したことから、こちらの改善が見られれば、4.9%台の可能性は十分考えられる。 | ||||
21:30 | 米国 |
5月非農業部門雇用者数
非農業部門に属する事業者の給与支払い帳簿をもとに集計された雇用者数。農業以外の産業で働く雇用者であり、経営者や自営業者は含まれない。
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#REF! | #REF! |
前回は、市場予想を大きく下回る結果となった。今回は、前回並みの水準が予想されているが、製造業以外の経済指標の改善が続いていることもあり、予想以上の改善となる可能性も考えられる。 | ||||
23:00 | 米国 |
5月ISM非製造業景況指数
全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の非製造業(サービス業)の景況感を示す指数。管理責任者に対するアンケートを集計した指数であり、50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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55.3 | 55.7 |
前回は、市場予想を上回り、昨年12月以来4ヵ月ぶりの高水準となった。関連指数も雇用や新規受注などの伸びが目立っていた。今回は、前回から若干の低下が予想されている。特に、雇用統計後の発表となることから、結果を受けて予想以上に動きが出る可能性も想定しておきたい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ドル/円は、軟調な動きが続いているが、オシレーターのRSIでは、指数と価格が逆行していることから、目先上昇に転じる可能性も考えられる。上値のポイントはレジスタンスの109.31、109.69となり、ここを上抜ける場合には一目均衡表の雲上限を試す動きも考えられる。下値のポイントは、サポートの108.51、ここを下抜ける場合には、一段の下げも想定しておきたい。