前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の株価が終盤に下落したことが引き続き影響し、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。また、日経平均株価が下落して始まり、下げ幅を拡大したことから、軟調な動きが続いた。そして、日銀が金融政策の現状維持を発表したことを受けて、円買いが加速し、ドル/円は103.54円まで下落、2014年8月以来の安値を付ける動きとなった。その後は、買い戻しも入り、104.40円台まで値を戻したものの、海外市場では、再び103円台まで下げる場面もあった。終盤には下落した株価や米債券利回りが反発したことから、ドル円・クロス円も値を戻す動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日銀の金融政策発表を控えて様子見ムードも出ており、やや限定的な動きとなった。ただ、日経平均株価が下落して始まったことから、上値の重い動きが続いた。また、本邦企業のフローも手控えられていた。そして、日銀が金融政策の現状維持を決定したことを受けて、円買いが加速した。
(2)日銀が金融政策の現状維持を発表したことを受けて、日経平均株価が下げ幅を拡大する動きとなった。また、黒田総裁がマイナス金利の政策効果が実体経済に徐々に波及、企業は設備投資に前向きなスタンスを維持していると発言するなど、追加緩和について焦りが感じられないとの見方から、追加緩和後退観測が広がり、円買いがさらに加速。ドル/円は、2014年8月以来1年10ヵ月ぶりの安値を付けた。
(3)短期筋のドル売りポジションの買い戻しや、値頃感のドル買いの動きなどから、ドル/円は値を戻す動きとなった。
(4)米経済指標が予想より悪化したことや、株価が軟調な動きとなったこと、また米長期債利回りが低下したこともあり、ドル売り・円買いが優勢となり、ドル/円は再び103円台まで下落した。終盤にかけては、株価がプラス圏まで上昇するなど、リスク回避の動きも和らぎ、ドル円・クロス円も値を戻す動きとなった。
本日のトピックス
週末の為替市場は、今週の大きなイベントも終了し、ドル円・クロス円が年初来安値を更新した後だけに、やや一服感が出る可能性が考えられる。ただ、米国債の利回り低下(債券買い、リスク回避)が続いており、やはりこれが止まらなければ、日米の金利差縮小観測からのドル売り・円買いの動きが続き、ひいては日本の株価下落にも連動する可能性もある。そして、日経平均株価は、下げ途中の小休止持ち合いパターンを7波動目で下抜けており、目先は前回安値(14865.77)から14573.96(下値目標の計算値)の可能性もあり、当面は株価の動きにも注目したい。海外市場では、昨日英国の国民投票に絡む事件なども発生しており、やや方向性も掴み難いことから、注意も必要だろう。そして、投資家のリスクに対する動きが米債券市場の動きに現れる動きに為替市場も影響するケースも多いことから、米債利回りの動きにも注目したい。
6/17の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
5月住宅着工件数
建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
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115.0万件 | 117.2万件 |
前回は、市場予想以上の改善となった。今回は、若干の低下が予想されているが、昨年の4月から110万件台を中心とした結果が続いている。そして、レンジを抜けるような結果なら、為替市場にも影響する可能性も考えられるが、引き続きレンジ内の結果なら影響は限定的だろう。 | ||||
21:30 | 米国 |
5月建設許可件数
住宅建設の許可申請の発行数を集計した経済指標である。そして、住宅建設は自治体に許可申請を行わなければならないため、住宅建設の先行指標となる。また、ローン金利の動向などに左右される面もあり、他の住宅関連指標同様に景気動向を見る上で重要な指標として注目されている。
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114.5万件 | 111.6万件 |
前回は、市場予想とほぼ一致する結果となり、前々回の2015年3月以来の低水準からの改善となった。ただ、昨年6月のピークからはやや減速傾向である。一部では、やや頭打ち感もある中で、今回改善傾向が続くのか注目したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ドル/円は、安値後に値を戻す動きとなっているものの、現状の持ち合いが下げ途中の小休止の持ち合いパターンと見ることもできる。そのため、持ち合いレンジを5、7波動目で下抜ける場合には、一段の下げとなる可能性も考えられることから、下抜けの場合には注意したい。オシレーターのMACDでは、両線上向きとなっていることから、ここからの動きに注目したい。