前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が下落して始まり、下げ幅を拡大する動きとなったことから円買いが先行した。また、日本の経済対策は、市場の期待に反して物足りない内容になりそうとの見方も円買いを後押しした。下げ一服後は、上値の重い動きが続いたものの、米国市場では、主要な経済指標が堅調な結果となったことから、ドル/円は堅調な動きとなった。また、米債券利回りの上昇も加わり、円売りが優勢となり、クロス円も堅調な動きとなった。上昇一服後は、やや上値の重い動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が安く寄り付いた後、下げ幅を拡大する動きとなり、リスク回避の円買いが優勢となった。また、ドル売り・円買いが加速したことで、仲値公示にかけて円買いの流れが続いた。
(2)株価が一段と下げ幅を拡大する動きとなったことや、日本の経済対策は市場の期待に反して物足りない内容になりそうとの見方を背景に円買いが加速、104.50円を割り込むとストップロスを巻き込んで一段の下落となり、ドル/円は約2週間ぶりの安値を付けた。
(3)円買い一巡後は、値頃感の買いも見られた。米国市場では、主要な経済指標が軒並み市場予想を上回る結果となったことから、年内の利上げ期待の思惑などからドル円・クロス円は堅調な動きとなった。終盤にかけては、FOMCを控えてポジション調整の動きも見られた。
本日のトピックス
東京市場では、米FOMCや日銀の金融政策決定会合を控えて様子見ムードが強まる可能性も考えられる。ただ、政策発表が近づくにつれて思惑が交差する可能性もあり、前日の政府の経済対策に関する思惑で円高が加速したこともあり、警戒も必要だろう。また、欧州や米国では、主要な経済指標の発表も予定されていることから、こちらの結果にも注目したい。
米FOMCでは、利上げなどの政策変更の可能性は低いとの見方が大勢を占めている。FRB議長の会見も予定されていないことから、年内の利上げに関する手掛かりも少ないだろう。そのため、声明などに注目(文言の変更や追加など)したい。
7/27の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
6月耐久財受注(前月比)
米国の耐久財(耐久年数3年以上)の新規受注額を集計した指標であり、設備投資の先行指標として注目されている。特に、変動の大きい輸送用機器などを除いた受注額が民間の設備投資の先行指標として注目されている。
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-1.4% | -2.3% |
前回は、市場予想を下回り、2月以来のマイナスに落ち込み、コア指数でもマイナスとなった。今回は、前回からの改善が予想されているものの、引き続きマイナスが予想されている。コア指数はプラス改善が予想されているが、コアもマイナスとなる様なら、懸念が膨らむ可能性も考えられる。 | ||||
23:00 | 米国 |
6月中古住宅販売仮契約(前月比)
全米不動産業者協会が発表する中古住宅販売の仮契約を指数化したもの。2001年を100として表す。仮契約は通常1-2ヵ月以内に本契約に移行するため、仮契約指数は中古住宅市場の先行指数とされる。
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1.2% | -3.7% |
前回は、市場予想に反して大幅下落となり、4ヵ月ぶりにマイナスに落ち込み、2010年5月以来、6年ぶりの大幅マイナスとなった。春先から好調な伸びが続いた反動とも考えられることから、今回予想通りにプラス改善となるのか注目したい。 | ||||
27:00 | 米国 |
FOMC政策発表
FOMC(Federal Open Market Committee 連邦公開市場委員会)は、米国における金融政策の最高意思決定機関で、公開市場操作の方針を決定する委員会である。メンバーはFRBの議長、副議長を含7名の理事と、ニューヨーク連銀総裁、地区連邦準備銀行の総裁4名の計12名から構成されている。
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0.0% | 0.0% |
主要な政策金利などの変更は無いとの予想がコンセンサスとなっている。ただ、6月の雇用者数が大きく改善したことや、英国のEU離脱など海外の不安要素がある中で、米株価が過去最高値を更新していること、また最近の米経済指標の改善などを背景に、年内の利上げに関してタカ派的な見方が増えるのか、声明などを見極めたい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ドル/円は、下落後値を戻す動きとなっており、一目均衡表の転換線と同じペースの動きとなっている。目先のポイントは、一目均衡表の基準線、レジスタンスの105.05、重要なレジスタンスの105.40近辺がポイントとなる。また、一目均衡表の雲上限も重要なポイントとなり、ここまで上抜けるようなら、一段の上昇も考えられる。下値のポイントは、103.97となる。一目均衡表では、基準線・転換線のクロス(基準線の上向きが条件)、遅行スパンの価格帯上抜け、雲上抜けと段階的にシグナルとなるので注目したい(3つ達成で三役好転)。一方、オシレーターのMACDでは、両線の乖離幅がやや縮小傾向だが、ここから再び乖離幅が広がるのか、縮小が進んでクロスとなるのか注目したい。