前営業日トピックス
東京市場では、米国市場の引け後に米当局者が「9月のFOMCで金利の引き上げを討議する可能性がある」と発言したことを受けて、ドル買い・円売りが先行した。また、日経平均株価が堅調な展開で始まったことも影響した。その後、日経平均株価が一時マイナス圏まで下落したこともあり、上値の重い動きとなった。米国市場では、米経済指標の発表もなく、材料に乏しい中、このところの米当局者の発言が改めて材料視され、ドルは堅調な動きとなった。しかし、欧米の株価が下落したことなどを受けて、ドル円・クロス円も一時下落する場面もあった。その後、値を戻したものの、上値の重い動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)サンフランシスコ連銀総裁が「9月のFOMCで金利の引き上げを討議する可能性がある」と発言したことや、日経平均株価が上昇して始まったことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な展開で始まった。また、事実上の五十日(ごとおび)とされ、実需のドル買いフローへの期待感から、仲値公示前からドル買いが入っていたことも押し上げ要因となった。
(2)仲値公示通過後、調整の動きに加えて、上昇して始まった日経平均株価が一時マイナス圏まで下落したことから、円が買われる動きとなった。その後、株価が値を戻し、ドル円・クロス円も値を戻す動きとなったが、上値の重い動きが続いた。また、欧州主要株価の下落も影響した。
(3)海外市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく、新規材料に乏しい中、米当局者らの発言で米国の早期利上げが意識され、序盤はドル買いが先行した。
(4)株価下落などを意識した売りや、調整の売りに押されて下落。その後、値を戻したものの、終盤まで限定的な動きが続いた。
本日のトピックス
東京市場では、週明けで新規材料に乏しい中、小動きの展開が予想される。ただ、材料に乏しいだけに、前週あった複数の米当局者の発言が改めて材料視される可能性も想定しておきたい。また、100円台割れの水準では、日本の政府・当局者の牽制発言も想定されるが、先週は反応が限定的となり、効果がやや薄れてきた感じもした。今週も同じような状況で効果が薄い場合や、100円台割れの時間が長引く場合には、下値を試す動きとなり、一段の下げとなる可能性も考えられることから、注意したい。米国市場でも、主要な経済指標の発表がないことや、週末のジャクソンホールでのイエレンFRB議長の講演を控えて様子見ムードが強まる可能性もあり、限定的な動きが考えられる。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート日足
ドル/円は、引き続き雲の下側での動きが続いている。そして、先週100.67を下回ったことから、方向性を示すとされる基準線は、上向きから下向きに転じた(現在は横ばい)。今週は、99.54を下抜けなければ、木曜日までは横ばいが続き、金曜日から下落となる。このことから、99.54を下抜かなければ、ドル/円は横ばいが続くと考えられる。ただ、99.54を下抜けた場合には、基準線は現状の横ばいから下落することから、方向性も下向きが続くことになることから注目したい。
このラインだけで考えれば、1ヵ月近く低調な動きが続くと予測できる。上昇に転じるポイントの一つとして、基準線を上回ることが条件となる。当面は、レジスタンスの102.82を上抜けるのか注目したい。