前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の堅調な流れが一服し、序盤は小動きの展開が続いた。その後は、米国の長期金利上昇や、日銀が追加金融緩和に動くとの観測を背景に、円売り・ドル買いが優勢となり、ドル/円は9月6日以来の103円台まで上昇した。しかし、海外市場では、米長期金利の低下や原油価格の下落が影響してドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。ただ、来週に日米の金融政策発表を控えて、やや様子見ムードも出始めており、下値は限定的となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)仲値公示にかけては、実需筋や投機筋のドル買いから、ドル/円は堅調な動きとなった。また、下落して始まった株価が下げ幅を縮小する動きとなったことも加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。そして、ストップを巻き込み1週間ぶりに103円台を回復した。
(2)103円台ではやや上値の重い動きとなり、利益確定の売りも見られた。そして、日銀の次の一手として、長期国債の買い入れを望む向きが引き続き存在するとの報道や、M&A(日本企業による米企業の買収)絡みのフローが入ったとの噂を受けて、再び円売り・ドル買いが加速した。
(3)日銀が追加緩和に動くことに対する懐疑的な見方が出て、円を買い戻す動きが強まった。また、米債券利回りの低下が続いたことも影響した。
(4)米国市場では、改めて日銀の追加緩和に対する思惑から、日米金利差の拡大を見込んだ円売り、ドル買いが先行したものの、米債券利回りの低下、原油価格の下落などが影響して、円買いが優勢となった。
本日のトピックス
日米の金融政策発表を来週に控えて、全般的に様子見ムードが強まりつつある中、東京市場では日銀の追加緩和に関する思惑が引き続き、相場を動かす要因となる可能性が考えられる。一方、FOMCでは、ブラックアウト期間直前となる週明けの米当局者の発言を受けて、早期の利上げ観測が後退したとの見方が強まっており、今回の政策発表に対する思惑はやや限定的となっている。ただ、年内の米国の利上げへの思惑で米長期金利が上下し、これを受けてドルが動く展開となっている。そのため、日銀の追加緩和に関する報道や、米債券利回りの動きには注目したい。また、米国の主要な経済指標の発表が予定されていることから、こちらの結果にも注目したい。
9/15の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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20:00 | 英国 |
英中銀 政策金利発表
金融政策委員会(MPC 〜Monetary Policy Committee)は、イングランド銀行に設置されている委員会であり、総裁、副総裁(2名)、チーフ・エコノミスト、エグゼクティブ・ディレクター、4名の外部委員からなる9名の委員で構成されている。毎月上旬に開催され、金融政策は木曜日の会合後に発表を行う。
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0.25% | 0.25% |
前回、0.25%の利下げが決定されたが、追加利下げの可能性も指摘されている。現状では、今回は金利据え置きだが、11月に追加利下げに踏み切るとの見方もある。そのため、同時に公表される議事録などで踏み込んだ議論がされているのかなど、議論の内容などに注目したい。 | ||||
21:30 | 米国 |
8月小売売上高(前月比)
米国商務省が百貨店やスーパーの売上調査を基にして発表している指標である。個人消費はGDPの約70%を占めており、小売売上高は個人消費の動向を見る上で重要な経済指標の一つであり、米国経済に与える影響も大きいため注目されている。
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-0.1% | 0.0% |
前回は、市場予想に反して前月から変わらずとなった。ここにきて個人消費にやや陰りを指摘する見方もあり、今回は3月以来のマイナスが予想されている。マイナスとなる場合には、追加利上げ後退を後押しするとの思惑から、予想以上の反応となる可能性も想定しておきたい。 | ||||
21:30 | 米国 |
9月ニューヨーク連銀製造業景気指数
NY州の製造業の景況感などを指数化した経済指標である。製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。
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-1.00 | -4.21 |
前回は、市場予想を下回り、3ヵ月ぶりのマイナスに落ち込んだ。第2四半期後半から改善が見られたものの、再び低調となっている。今回は、前回から改善が予想されているものの、景気判断の基準となるゼロを下回ると予想されている。ゼロを上回るのか下回るのかがポイントとなるだろう。 |
本日のトレードポイント
ドル/円は、一目均衡表の雲上限近辺で底固い動きが続いており、ここから調整終了となり、再び上昇に転じるのか、雲を下抜けて一段の下落となるのか注目したい。オシレーターのMACDでは、先行するラインが下向きから上向きに転換となり、両線クロスとなれば目先堅調な動きを示唆する形となることから、ラインの動きに注目したい。下値のポイントは、雲上限ラインであり、雲上限ラインに沿って上昇となるのかにも注目したい。雲上限ライン、サポートの102.24を下抜ける場合には、一段の下げとなる可能性も想定しておきたい。