前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価の上昇を受けて、円売りが先行した。ただ、ドル/円は104円台では売りも散見され、上値の重い動きが続いた。午後には、日経平均株価がマイナス圏まで下落したことや、要人発言の影響を受けて円買いが優勢となった。その後、欧米の株価下落や原油価格の下落も影響し、円買いの動きが続いた。円買い一巡後は値を戻す動きとなった。なお、ユーロは、量的緩和の延長観測を背景に、主要通貨に対して軟調な動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が約半年ぶり高水準で始まったことを好感し、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ただ、ドル/円は104円台で戻り売りも強く、上値の重い動きが続いた。また、日経平均株価は、取引時間中としては4月28日以来、約半年ぶり水準を回復した。
(2)午後に入っても上値の重い動きが続いた。人民元の対ドル基準値は1ドル6.7558元(前営業日終値は6.7457元)。白井前日銀審議委員が、日銀がこれ以上ETFの買い入れを拡大するのは「よほどのことがないと困難」との認識を示したとの報道に円買いに反応。黒田日銀総裁が、2017年度中としている物価2%の達成時期が後ずれする可能性を示唆した。また、追加緩和に慎重な姿勢をにじませたことも影響した。
(3)欧米の株価、原油価格の下落を受けて、比較的安全な資産とされる円を買う動きが優勢となった。また、欧州中銀が量的金融緩和を延長するとの思惑からユーロ売り・ドル買いが進み、ユーロは対ドルで一時約7ヵ月ぶりの安値をつけた。ユーロは円に対しても売られ、9月30日以来の安値を付けた。
(4)下落した株価や、原油価格が下げ幅を縮小する動きとなったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドルは、米利上げへの期待感や対ユーロでの上昇も影響し、対円でも堅調な動きとなった。ただ、104円台近辺では売り圧力に押された。
本日のトピックス
東京市場では、週明けで実需の動きが鈍いものの、日本の貿易収支や景気関連指標の発表が予定されており、結果が株価に影響する場合には動きが出る可能性もあるだろう。欧州市場では、英国のEU離脱に関する要人発言や、ECBの量的金融緩和の延長が引き続き意識される場合には、ユーロ、ポンドが軟調な動きとなる可能性も考えられる。そして、リスク回避の動きが強まる場合には、円が買われる動きも想定しておきたい。また、ユーロ圏、主要国の経済指標の結果にも注目したい。米国市場では、主要な経済指標の発表がないものの、ブラックアウト入りを翌日に控えて、複数の当局者の発言が予定されていることから、発言の内容には注目したい。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
豪ドル/円は、80円台の大台を付けてから上値の重い動きとなっている。オシレーターのMACDでは、両線の乖離幅が小さいものの、クロス間近で、両線失速している。両線下向きの状態でクロスをすれば、信頼度が高まるパターンとなることから注目したい。下値のポイントは、38.2%押しのポイント、一目均衡表雲上限ライン、50%押しのポイント、重要サポートの77.74と段階的に考えておきたい。雲上限ライン近辺までで下げで止まれば、反発となる可能性も考えられるが、50%押し以上の下げとなる場合には、75.97からの上昇トレンド終了となる。一方、上値のポイントは80.00となり、ここを上抜ければ一段の上昇も考えられる。