前営業日トピックス
東京市場では、前日の米国市場の堅調な流れが一服し、小動きの展開で始まった。ただ、日経平均株価が堅調な展開で始まったことや、五十日(ごとおび)の実需のドル買い・円売りもあり、仲値公示までは堅調な動きとなった。その後反落する場面もあったが、米債券利回りの上昇や、日本や欧州の株価上昇も加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。米国市場では、指標結果がまちまちの結果となったこともあり、限定的な動きとなった。その中で、ドル/円は118円台後半で上値の重い動きとなり、ユーロやポンドなどは対ドルで軟調な動きが続いたこともあり、クロス円も軟調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米10年債利回りが2.58%台と2014年9月以来2年3ヵ月ぶりの水準に上昇したことに加え、日経平均株価が上昇して始まったことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。五十日(ごとおび)であり、仲値公示にかけては輸入企業のドル買いが入った。
(2)仲値通過後は利益確定の売りが優勢となり、また上昇していた日経平均株価がマイナス圏まで下落したことも影響し、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。午後に入り、再び株価が堅調な動きとなったことや、米債券利回りの上昇も影響し、堅調な動きとなった。
(3)欧米の債券利回りが上昇し、米2年債利回りは1.30%まで上昇し2009年8月以来約7年4ヵ月ぶりの高水準、米10年債利回りは2.64%まで上昇し2014年9月以来約2年3ヵ月ぶりの高水準を更新したことを受けて、ドル買い・円売りが優勢となり、ドル/円は2月3日以来の高値を更新する動きとなった。
(4)米国市場では、製造業関連の指標が堅調な結果となったものの、消費者物価が前月比で低下したことから、ドルは上値の重い動きとなった。ただ、米国が利上げを決定したことで、日米の金利差が拡大するとの見方も根強く、底固い動きとなった。しかし、ドル/円は118円台後半で値頃感の売りも散見され、上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
大きなイベントの終了で流れが変わるとの見方が多いものの、昨日から引き続き堅調な動きが続いている。ただ、週末であることや、来週の週明けから日銀の金融政策決定会合が予定(政策発表は20日火曜日)されていることから、調整の動きが出る可能性も考えられる。米国市場では、引き続き米国の債券利回りの動きに合わせた動きが続いていることから、本日も利回りの動向に注目したい。また、住宅関連の主要な経済指標の発表が予定されているが、今回は前回予想を上回る結果となった反動が出ると予想されているものの、懸念が高まるような結果にはならないとの見方がコンセンサスとなっている。ただ、最近は長期金利の上昇の影響で、住宅ローン金利の上昇が続いており、今回の利上げを受けて、ローン金利の上昇が続く可能性も考えられる。当面は、住宅ローン申請件数などにも注目し、米経済の先導役となっていた住宅の失速につながるかどうかを見極めたい。
12/16の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
11月住宅着工件数
住宅着工件数は、建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
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123.0万件 | 132.3万件 |
前回は、市場予想を上回り、2007年8月以来の高水準となった。今回は、その反動で低下が予想されているものの、引き続きリーマンショック前の水準を維持すると見られることから、それほど懸念は広がらないだろう。 | ||||
22:30 | 米国 |
11月建設許可件数
住宅建設許可件数は、住宅建設の許可申請の発行数を集計した経済指標である。そして、住宅建設は自治体に許可申請を行わなければならないため、住宅建設の先行指標となる。また、ローン金利の動向などに左右される面もあり、他の住宅関連指標同様に景気動向を見る上で重要な指標として注目されている。
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124.0万件 | 126.0万件 |
前回は、市場予想を上回り、2015年11月以来の高水準となった。今回は、反動で減少が予想されているものの、比較的高水準を維持すると予想されていることから、住宅市場に対する懸念とはならないだろう。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 1時間足
ユーロ/ドルは、大きく下落したが、下げ一服となり、値を戻す動きとなるのか、もう一段の下げとなるのか注目したい。オシレーターのMACDでは、両線がクロスしており、乖離幅も拡大傾向であることから値を戻す展開も考えられ、目先のレジスタンスを上抜けるのかどうかに注目したい。ただ、MACDで両線の乖離幅が縮小し始めた場合には、流れの転換となるケースも多いことから注意したい。