前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価の上昇などに伴い、円売り・ドル買いが先行した。ただ、トランプ次期米大統領の記者会見を控えて様子見ムードも出ており、上値は限定的となった。また、安倍首相と黒田日銀総裁の会談も材料視されなかった。
そして、欧州主要株価が下落して始まったことが影響し、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その後、欧州株がプラス圏に上昇する動きとなったことを受けて、堅調な動きも見られた。そして、トランプ次期米大統領の記者会見を受けて、ドル売りが優勢となり、ドル円・クロス円は大きく下落した。ただ、下落した株価や原油価格が反発したことから、ドル円・クロス円も終盤に値を戻す動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が堅調な動きとなったことや、115円台での値頃感の買いも入り、堅調な動きとなった。そして、仲値公示を挟んで上昇したものの、トランプ次期米大統領の会見を控えて、様子見ムードも強まっており、実需筋の売買も低調となった。
(2)トランプ氏の会見待ちで方向感に乏しく、また日経平均株価が小動きの展開が続いたことや、欧州主要株価がやや軟調な展開で始まったことなどから、上値の重い動きが続いた。また、日本の当局者の発言があったものの、相場の反応は限定的となった。
(3)欧州主要株価が軒並みプラスに転換したことや、トランプ氏の会見を控えたポジション調整などから、円売りとなる場面もあった。
(4)トランプ次期米大統領が会見で期待されていた減税や公共事業拡大など、具体的な経済政策に言及しなかったことを受けてドルが売られた。また、リスク回避や好調な国債入札を背景に、長期債利回りが低下したことも影響した。ただ、終盤にかけては、下落していた株価や原油価格、債券利回りが上昇に転じたことから、ドル円・クロス円も堅調な結果となった。
本日のトピックス
東京市場では、トランプ次期米大統領の会見を受けて、ドル円・クロス円が下落した流れが一服し、反発する動きとなった。ただ、アジアの主要株価が下落するようなら、投資家のリスク回避の動きが改めて強まる可能性も考えられる。米国市場では、主要な経済指標の発表や、イエレンFRB議長など、複数の米当局者の発言が予定されており、金融政策に関することなど、発言内容に注目したい。
1/12の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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25.5万件 | 23.5万件 |
前回は、昨年11月に付けた40年ぶりの低水準に次いで2番目に低い水準となった。今回は、反動で増加が見込まれているものの、反応は限定的だろう。 | ||||
22:30 | 米国 |
12月輸入物価指数(前月比)
輸入物価指数は、輸入時の価格を指数化したものであり、特に、他の物価関連の指標と同様に国内のインフレ動向の先行指標の一つとして注目される経済指標。ただ、輸入時ということで、原油相場や為替相場の影響を受ける傾向にある。
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0.7% | -0.3% |
前回は、原油価格の下落もあり、マイナスとなったものの、今回は前月と比べて原油価格が平均で5ドル程度上昇していることから、輸入物価全体が押し上げられる可能性が考えられる。予想通りの結果となる場合には、2016年5月以来の大きな伸びとなる。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 1時間足
大きく下落後、値を戻す動きとなったが、上値の重い動きとなっている。ここから堅調な動きとなるのか、再び下落となるのか注目したい。上値のポイントは、レジスタンスの86.10となり、ここを上抜けるようなら、上値目標の計算値である86.40(一目均衡表N計算値)がポイントとなる。一方、下値は一目均衡表の基準線や、サポートの85.64がポイントとなり、ここを下抜けるようなら、雲上限ラインがポイントとなる。また、オシレーターのMACDでは、両線がクロスしており、乖離幅が拡大する場合には、下げ圧力が強まる可能性も考えられることから、ラインの動きにも注目したい。