前営業日トピックス
トランプ米大統領が、先週末にイスラム圏7ヵ国からの入国を規制する大統領令に署名したことなど、政策に対する不透明感が広がり、比較的安全な通貨とされる円を買う動きが優勢となり、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。
また、日経平均株価が下落して始まり、一時前週末比171円安まで下落したことも影響した。 円買い一巡後には、日経平均株価が下げ幅を縮小する動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は値を戻す動きとなった。
ただ、海外市場でも株価が軒並み大きく下落したことや、米債券利回りの低下などから、円買いが再び強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)イスラム圏7ヵ国からの入国禁止措置などで、トランプ米大統領の政策に不透明感が広がり、相対的に安全な通貨とされる円を買ってドルを売る動きが先行した。また、五十日(ごとおび)で実需筋のフローが出る可能性もあったが、ドルの下落傾向から見送られた可能性も指摘された。そして、中国の春節休暇で、市場参加者が少なかったことも影響した。
(2)午後には下落していた日経平均株価が下げ幅を縮小する動きとなったことから、円売りが優勢となった。また、日米の金融政策発表を控えて、下値はやや限定的となった。
(3)米国市場では、改めてイスラム圏7ヵ国からの入国禁止措置や、トランプ米大統領の言動で不確実性が高まっているとの見方を背景にリスク回避の動きから円買いが優勢となった。また、株価や原油価格の下落、米債券利回りの低下も影響した。
本日のトピックス
東京市場では、序盤から主要な日本の経済指標の発表が予定されており、結果を受けて株価などへの影響に注目したい。そして、午後には日銀の金融政策決定会合の結果発表が予定されており、金融政策に関しては現状維持がコンセンサスとなっている。ただ、経済・物価情勢の展望(展望リポート)の内容、長期国債買い入れの運営方針(先週の日銀オペで中期ゾーンの買い入れが実質的に減額となる可能性が高まったことから)に注目したい。 米国市場では、FOMCが始まることから、結果発表(1日)までは様子見ムードが強まる可能性があるものの、米消費者信頼感指数の結果には注目したい。前回12月の統計では、景気や雇用の先行き期待が広がったことや、株価が最高値を更新する動きとなったことから、楽観的な見方が強まる結果となった。しかし、新政権への不安感が広がっていることから、今回の結果に影響が出る可能性も一部で指摘されており、結果に注目したい。そして、日米の金融政策の違いが意識されることや、米消費者の先行き不安が広がるようなら、円買いが強まる可能性も考えられる。
1/31の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
1月消費者信頼感指数
消費者信頼感指数は、米国のCB(Conference-Board=コンファレンスボード「全米産業審議委員会」)という民間の調査機関が発表する消費者マインドを指数化したもの。5,000人の消費者にアンケート調査を行い、現在と半年後の景況感、雇用、所得の項目で回答した結果を指数化している。
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112.9 | 113.7 |
前回は、市場予想を上回る結果となり、2001年以来の高水準となった。現況指数は前月から低下したものの、向こう6ヵ月の期待指数が2003年12月以来の高水準となった。トランプ新政権に対する懸念があるものの、最高値を付けた株価、雇用増や所得増に対する期待感が前回から継続しているのか注目したい。市場予想では、前回から若干の低下が見込まれている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円は、雲上限ラインから乖離する動きとなっている。現状では、下げ途中の小休止の持ち合いパターンと見ることができる。このパターンでは、5、7波動目で持ち合いレンジを小休止前の方向と同方向に抜けるというパターンであり、現在5波動目の下げであることから、下抜けとなる可能性も想定しておきたい。
下抜ける場合には、日柄的に2月1-2日辺りと予測できる。レンジ下限ラインは、本日が112.46、2/1は112.45、2/2は112.44である。下限ラインを下抜ける場合には、小休止が終了し、一段の下げとなる可能性が考えられる。
ただ、4波動目の上昇幅(2.85円幅)の61.8%押し(113.61)以上下げている(113.46まで下落)ことから、ここから上昇する場合には、6波動目の上昇となる可能性もあることから、目先の方向性に注目したい。